なので、気分転換に、、、他のことを。
昨日、仕事の帰る道中、美容室の前を通った。
美容師を6年間やっていたから、
いつも気になって、前を通ると見てしまう。
美容室の中を覗くと、
アシスタントの子がレッスンしていた。
スタイリストが横でピタッ!と張り付き、指導している。
アシスタントの子、かなり辛そうな感じに見えた。
ファイト!!って、叫びたくなるくらいに。
あっ、
一般的には、聞き慣れない言葉だろうけど、
私が美容師になった頃、
インターン制度っていう厚労省が決めた制度?があって(現在は廃止された)、
卒後、国試に合格し、その後、一定の期間、
インターンしなければならなかったのだ。
実は、このインターンの期間が、
美容師人生で、一番辛い時期っというか、
耐え忍び続けなければ、一人前になれない。
忍の一字だ。
朝は、誰よりも早い時間に出勤して、
(私は、午前4時に出勤してた)
先輩が来るまでに、片付けしたり、
レッスンしたり、、、
朝食は、無し。
もし、朝食をしようものなら、
先輩に、
「ゆっくり食事してる時間があるなら、
勉強するか、レッスンするか、
どっちかにしろ!!」とゲンコツが飛んでくる。
暴力のしない先輩の場合は、
食事中のインターンの真横で、
「薬剤の調合」とか「カット技術」とか、
本を真剣に読み始められるのだ。
こんなだから、
ゆっくり食事なんて、とんでもない!
で、開店後、
先輩の「ヘルプ」をするのだが、
失敗すると、
先輩からは、かかとで足先を踏みつけられるのだ。
この時、先輩は、
お客様と笑いながら談笑されてるから、
周りもお客様も全く気付かない。
だから、
この「ヘルプ」は、他の仕事よりも緊張した。
それと、カラーリングの時もバタバタした。
先輩からの指示が、
「○○、✕✕、△△、□□、○△、✕□
(薬剤名を6種類位が平均かな?)」
最初に薬剤名6種が伝えられる。
一秒の間も置かずして、
「オキシダン6%を4%に調合して、
薬剤の配合は2:3:1:2:1:1で、オキシダン4%と合わせて、
全部で128グラムで作って下さい」
と早口言葉のように指示がある。
(オキシダンと薬剤6種は、
指示がない限り、基本的に同量)
お客様がいらっしゃるので、時間が勝負なのだが、
まず、
オキシ「過酸化水素」を6%→4%にする計算し、半量分を作成。
残りの半量は、
比率に応じて、薬剤を混ぜるのだが、
ここからが緊張で、、、。
バックヤードには、数百種類の薬剤が山ほど積み上げられてて、
1種類ずつ、それを崩さないよう慎重に取ることに時間が掛かった。
何度か、崩壊させて怒られたけどね。
お昼の時間になっても、昼食なんて無い!
限界の時は、「じゃあ、5分だけ」と。
急いで、
「おむすび1個」を胃の中へ流し込んだ。
(昼食は滅多になかったけど、、涙)
で、午後も、また忙しく動き回って、、、
午後8時になり、ようやく閉店。
といっても、帰れるはずがない。
ここからが、インターンの仕事が始まる。
別名、地獄のレッスンだ。
その前に、この日、最初の食事を済ませる。
ゆっくりは禁止。めちゃめちゃ早く済ませる。
教えて頂く先輩を待たせるわけにはいかないからだ。
元々、ゆっくり食事をする癖があったから、
この食事も、私には修行だった。
まぁ、
美容師時代は、食事時間とか殆どなく、
太ることがなくて、痩せていく一方だった。
今よりも38kg痩せてたっけ?
食事を終えると、先輩からの徹底指導が入る。
たとえば、最初の頃は、
カットしてると、知らないうちに肘が下がったりしやすい。
そんな時はすかさず「肘蹴り」される。
そこで、肘のことを気付かせてもらう。
この時期に、厳しくされてないと、
変な癖がついちゃってからでは直らないのだ。
雀百まで踊り忘れず!とにかく最初が肝心だろう。
話が反れるけど、、
カットは、少し数学と似ているように思いながら、
レッスンしていた。
カットする時って、(ぶつ切り!なら簡単だけど)
美容師、理容師の場合、
毛束を指で救い上げた状態でカットするんだけど、
この時、頭皮に対しての角度を○度にして、
毛束を救い上げてカットする!
その直後、毛束から指を離し髪の毛をとかすと、
どのようなカットラインを描くのか、、、
常に、美容師達は、頭の中で計算しながら、
カットしている。
お客様お一人お一人、頭の骨の形が違うわけで、、、
出っ張っていたり、、、平らだったり、、、
もちろん、
理想的な真ん丸の形のお客様もいらっしゃった。
なので、1つとして同じ計算式はない。
美容師の醍醐味じゃないかな?
まぁ、これは、最初に、
ヘアスタイルを伺いながら、
髪をとかす時に頭の形状を把握している。
話を戻して、、、っと。
先輩達は、終電で帰宅する。
インターンは、いつも2時とか3時なので、
自転車で帰るか、そのまま泊まりこむか、、、どちらかだ。
私は、
午前2時になると、自転車で帰ったけどね。
ってか、お風呂に入って、午前4時にまた出勤。
インターンの間は、ずっとこの生活だった。
めちゃめちゃ厳しく指導されたけど、
インターン終了し1人前になった時に、
1人の先輩が愛用されてたのと同じ、
「革のシザーズケース」を買って頂いた。
他にも3人の先輩から、色んな道具を頂いた。
シザーズケースっていうのは、
美容師の腰に、ハサミを入れるケースのこと。
先輩に認められた!と、すごく嬉しかった。
時が経ち、私も指導する立場になった。
先輩の気持ち、初めて理解できた。
インターンの辛い気持ちも分かるし、
指導する側の気持ちも分かる。
可哀想にも思う時もあるし、
いや、今が大事な時だから、
しっかり注意する所はしてあげないと、、、
それに、後輩から嫌われたくない!!!
と思ったり。
ほんと難しかった!!
もう一度、美容師として仕事がやりたいなぁ!!!
あの場所に、、、。
そこが私の居場所のような気がするから。
ってか、美容師を辞めると、めちゃ太るよ!!
当時の服、というか、
ズボン系は、足首までしか入らなくて、、、。