この三連休は最初の日が一番天気がいいということだったので向かったのだが、谷川岳に近づくと雨が。
それもそうだ。私の見ていた天気予報は自分の住んでいる地域のもの。
200kmも離れている場所の天気はそりゃ違うだろと現地について思う。
雨ということで、人は空いていた。
家を早めにでたものの渋滞などで思ったより遅くに着く。
着いたのは9時半ごろ。
駐車場で身支度を入念に行う。
天候が悪いので今日は登らないも一つの選択肢だったが、せっかく来たので登ることに。
紅葉時期の普段ならここに長蛇の列ができる。↓
本当に人がいない!
色づき始めということなんだけど、まだまだ緑の部分が目立つ。
それにしても天気が良くない。
ロープウェイに乗っている間に一度は晴れ間が見えたものの、すぐに曇ってしまった。
一緒に乗り合わせたのは、若者カップル3組で一緒に来た様子だった。
大きな声で騒ぐでなく、マナーがいいなと感じた。
眼下に見える川を撮影。
この辺は少し色づいていた。
日も部分的に差している。
ロープウェイが天神平に着いたのが10時20分位。
かなりガスっている状況である。
一瞬、登口が分からなかったのだけど、周りを確認したら見つかり早速登り始めた。
雨がぱらついている。
一度、熊穴沢避難所までは登ったことがあるので、そこまでは安心と思っていたのだが・・・。
鎖場が途中にあり、それが結構上の方に打たれていて、けどかなり大きく緩ませてあるんだけど、
私が鎖を打っている付近の岩場を歩いてしまい、鎖伝いの方がいいだろうと思ったのだけど、
足場があまりなくて、小さな岩に足をついた時にバランスを崩し、鎖を引っ張ろうにも大きく弛んでいるので、体がかなり倒れ込んでしまいそのまま、写真でいう緑と茶色の境界線辺りに落ちて踏ん張ったのですが、雨のせいで鎖が手から滑って離れてしまい、そのまま緑の方へと落ちてしまった。
鎖の様子↓
落ちた場所↓
写真だとわかりにくいが、この先はほぼ垂直の崖のようになっているのだ。
反射的に根がしっかりした木のような細いものを右手、左手とそれぞれが掴むことで手の位置は歩道より少し下くらいの所で止まったが、体は宙ぶらりんで、足場を探そうと下を見ると、どこまでも落ちていく感じの場所であることがわかり、落ちたら絶対に自力で上がれないと思い、足場を探し、これもやはり、木のような細いものが生えている所に足を載せた。
しかし、足をかける場所がそれより上に見当たらず、腕の力だけでは到底元の場所に戻れそうになく、助けを呼ぶしかないかもと思ったが、今日は登山客がとても少なく、後から来ていたのは女子二人組で登山経験が浅い感じだったのと、助けてくれようとして、巻き込んではまずいと思った。もし、助けを呼んで連絡してくれたとしても、私の握力が続く自信がなかった。雨のせいで少し木が滑ってしまう瞬間があり、恐怖が増す。
落ちるわけにもいかないし、後からくる二人を巻き込むのはもっといけない。
落ちれば遭難し、もっとたくさんの人に迷惑をかけてしまう。
自分がぶら下がっているところは足場がなかったので、左右を見てみる。右は無理そうだったが、左はいけそうである。
しかし、左に移動するのが、どうすればいいのか一瞬悩む。
左の握っている木の下をくぐる感じであれば横移動できそうだが、そうすると一旦下に下がることになる。
そして、その新しい足場が丈夫かもわからないのと、左に移動するには、両手で左の木を一旦持たないと左にいけないので、両手でも耐えうるのかという不安があった。しかし、今できるのはそれ以外思いつかないので、左に移動することに。
少し体を縮めて木の下をくぐり、左手で握って良さそうな木を探し、足場も探す。なんとか移動完了である。後は、足場を少しずつ上へ上へと探して行けば登れそうである。
なんとか、這いつくばってよじのぼることができた。
よじのぼっている途中で後からきていた女子二人がやってきた。
かなり驚いている様子であった。
「大丈夫ですか?」
と声をかけてくれたので、
「ちょっと転んで落ちてしまって」と言ってみた。
すると、かなり恐怖を感じている様子だったので、とりあえず平気なふりをしてその場を去ってみた。
もしかしたら、その二人はもうそこで引き返したかも知れない。
恐怖を与えてしまい申し訳ない。
このあたりは泥がまだ多いので、幸い怪我はなかった。
危険だと思いつつも、ここまできたのだから頂上まで登ることにし、そのまま登山続行。
しかし、疲労感と気持ちが一杯一杯で写真を撮る気にはならず、(上の現場写真は、帰りに撮った)
上に行けば行くほど、寒くなってきて、岩場が多いのだが、それが雨に濡れていて、かなり冷たくて、素手だったので、指が冷たさで痛くなってしまった。
また、鼻水も止まらない。
登るのも、数歩歩いては休む感じで下りのロープウェイに間に合うのか心配になる。
でも、とにかく自分のできる範囲の速さで登ろうと上を目指して頑張った。
手の力、足の力が足りない時、初めて膝で挟むという技を使った。
無意識に使ったのだけど、膝で挟むことでも上に登れるんだなと知る。
外国の方は、雨具もなく、その上半袖だったりして、みていて心配になる。
どんな風に情報を得て、登りに来ているのかなと思う。
かと思うと、傘を差して登っている日本人もいた。
突風で傘が飛んだら周りにも危険が及ぶのに怖いなと思った。
なかなか、たどりつかないのと、ものすごくガスっていたので、高い木などないのに頂上が見えず、どこまで続くのだろうと体力的にも心配になる。
結構な岩場を登るのだが、これ、体力がなくなっているだろう帰りにちゃんと下りれるのだろうかと不安になる。
すると、降りてきている人が「後少しで山小屋ですよ。山小屋は温かいですよ」と声をかけてくれた。
「ありがとうございます」と心から思えたありがとうだった。そして、心が元気になった。
そして着いた山小屋↓
周りの景色何も見えなかった。
そして、風が結構強く吹いていた。
肩ノ小屋に着いたのは、1時であった。
10時半くらいから登り始めたので、ペース的にはそこまで悪くない。
入ると、たくさんの人が席に座っていて、空きがなかった。
売っているものは、コーヒーやココア、甘酒、梅ジュースなどが販売されていた。
食べ物としてはカップヌードルが売られていた。
そのほか、毛糸の帽子や熊鈴、ピンバッチなどが売られていた。
手袋があったら欲しかったのだけど、なかった。
高い山で岩場を登る時は防水ノきいた滑り止めのある手袋が必需品だなと思った今回の登山だった。
飲み物は400円、カップヌードルは500円であった。
おにぎりを買っていたが、温かいものが欲しく、カップヌードルを頼んだ。
醤油と塩ぱじがあった。
私は醤油味にした。
かなり疲労しているのか、体が冷え切ってしまっているのか、思うように体が動かなかった。
ストーブをつけてくれていたんだけど、ストーブの周りに人が座り込んでいて、通れなくなっていたのを店の人が、そこは通路になるからストーブの周りに座らないでと注意した。けど、多分、座っていた人たちが外国の方だったのか、あんまり理解できなかったようで、ストーブの近くに座って手を温めていたのに対して、大きな声で、「座るなと言ってるのに、座るならストーブを消すよ」と怒鳴って本当に消してしまった。
雨に打たれ、また気温が低いのもあり、体が冷え切っているのは私だけでなく、きっとみんなそうだと思う。
ストーブの近くで暖めたくなる気持ちはわかる。
ストーブが消え、部屋の中が少し寒くなった。
とは言っても外よりはマシである。
風を凌ぐことができるので。
カップヌードルだけでは体が温まらず、梅ジュースをホットでいただいた。
そこの小屋でしか売ってない昭和の復刻版であるピンバッジも買った。
しばらくそこで休憩をとった。
そして、はっと時計を見ると、2時前であった。
ここから頂上を目指すと30分はかかるだろうから、往復1時間と考えると、肩ノ小屋から熊穴沢避難所まで1時間、熊穴沢避難所からロープウェイまで1時間で結構ぎりぎりだなと思い、すぐに山小屋を出て頂上を目指した。
すると、足のももが攣りそうになっているのか、肉離れを起こそうとしているのか痛くて、なんとかその痛みを抑えるようにして登って行った。
5時を過ぎてしまうとロープウェイが終わってしまい、自力で下山しなければならなくなる上、駐車場は6時にはしまってしまうので、大変なことになってしまう。
ここで、視界も悪いし引き返しても良かったのだけど、後少しで諦めるのがどうしても嫌に感じてしまい、続行することにした。
谷川岳はねこの耳のように二か所高いところがあり、トマの耳とオキの耳という。
それぞれに15分あればいけると思っていたので、すぐにトマの耳に着いたので、「これならオキの耳もすぐじゃん」と思ったのが大きな間違いで、オキの耳まで、20分ほどかかった。
それも風がしたから吹上、煽られそうで、岩にへばりつきながら進むようにした。
一回、降りてくる登山客とすれ違うことがあり、道を譲ってくれ、自分の左手が断崖で、右側に移ろうと勢いよく岩を登ると、反対側も断崖で危うく勢いのまま、落ちそうになってしまった。なんとか耐えて無事、オキの耳にも行くことができた。
オキの耳の方が本当の頂上である。
自分が着いたすぐ後に男女二人のカップルがきて、写真を撮ってくれた。
なので、私も撮りますよとスマホを持とうとしたらうまく持てなくて、ちょっと驚きだった。
頂上で二、三枚、写真をさっさと撮ってすぐに下山をスタートした。
カップルは少しそこで、ゆっくりしている様子であった。
帰りも風がすごかった。
すると、パラパラと何か打ち付けてきて、なんと雹であった。
雨が雹になっていた。
無茶苦茶悪天候じゃんと思いつつも、雷がないだけいいかと思いながら進んでいった。
すると、カップルが追いついて来たので、道を譲った。
岩にへばりついて譲ったせいで、「大丈夫ですか?」と心配された。
「大丈夫です。ありがとうございます」と返した。
下2枚の写真は頂上の周りの様子です。
下2枚の写真は頂上の周りの様子です。
肩ノ古屋まで戻った。
大体50分で頂上まで往復できた。
小屋にはよらず、すぐにそのまま下る。
私は登りの方が苦手なので、下りということで少し気持ちに余裕ができた。
それで、上りの時に少し紅葉しているなと思った草を撮影してみた。↓
50分ほどで熊穴沢避難所まで降りることができた。
途中、カップルを抜く形になった。
彼女が結構大変そうであった。
どうしても女の人は小柄の人が多いので、岩場で苦労するのだ。
足場まで足が届かなかったりするからだ。
私はお尻をつけて、お尻も支える点として利用して下山した。
熊穴沢避難所までは転ぶこともなく、無事降りることができた。
後は、天神平に向かうだけ。
墜落してしまった鎖場のところだけ、かなり慎重に歩き、ほっとしていたのだが、なんと、しばらくいたところの下りの階段で横に転んでしまった。
そして、危うく、endless SHOCKの階段落ちのようになりそうになたけど、膝と肘でなんとか食いお止めることができた。
私にとって、この天神平〜熊穴沢避難小屋のコースは鬼門なのかもしれない。
上の方がガスっているけど、下の方は遠くまで景色が見えた。
約45分ほどでロープウエイの駅のある天神平に着いた。
駅の近くになるとカップルも追いついてきていた。
着いた時刻は16時半。
17時終電だったので、良い感じに戻ることができた。
駅では群馬君がお出迎え。↓
下の駅には招き猫もいた。
濡れたり、泥にまみれた雨具やリュック、タオルを車の後に積んだ。
やっとハスラーの良いところを活用でした。
車の後ろがプラスティックになっていて、汚れ物や濡れたものを置いても後で簡単に掃除できるようになっているのだ。
なかなか活用する場面がなかったのだがやっと今回、ハスラーで良かったと思った。
体が冷え切っていたので、温泉にその後向かった。
以前、紅葉の時期に立ち寄った時は道路に待ちの車の行列ができていた温泉なんだけど、今日は登山客が少なかったから空いているだろうと思って向かった。
しかし、駐車場は満車で、ただ、着いた瞬間に出ていった車がいたのですぐに停めることができた。
温泉の名前は、仏岩温泉「鈴森の湯」というところです。
水上温泉エリアにある温泉である。
内風呂が一つあって、その横に水風呂(?)があって、内風呂も深めで肩まで浸かれるのだけど、水風呂はものすごく深い感じであった。
体が冷えているので、水風呂のほうには入らなかったので、深さが正しくは分からない。
スチームのサウナがあるのだけど、今は閉鎖中で利用できない状態であった。
露天風呂もあり、木々に囲まれ、近くに川も流れていていい感じである。
ただ、自分がついた時は真っ暗になっていたので、(一応、川はライトアップされてた)明るいときにこれるとまたさらに良いのだろうなと思った。
今回は、風呂は体を温めたら早々に上がった。
ここは食事処もあり、鮎焼き定食などもいただける。スタミナ定食もあった。
私的には、天ざるそばにしようと思っていたのだが、うどんが売りのようだったので、天ざるうどんにした。
コシがあり、喉越しのいいうどんであった。
水沢うどんっぽいなと思ったが、伊香保に近いので作り方とか材料などがもしかしたら一緒なのかもしれない。
伊香保で水沢うどんも食べたいと思っていたので、ちょうど良かったなと思った。
天ぷらもサクサクで美味しかった。
帰り際、外で店員さんにあった時に、優しい笑顔でありがとうございますと声をかけてもらえた。
とっても心がほっこりとした。
いい温泉だなとますます思ってしまった。
だから人気なんだろうなぁ。
また、来れるといいなと思った。
今回の山登りは途中、何度か死にそうになったけど、後で振り返れば貴重な面白い経験がたくさんできた山登りだった。
転落したのは、白根山に登った時に、足元がふらついて、いつもより思いリュックを背負っていたのもあり、背中から後に転倒し、所々岩が剥き出し担っている斜面を後転する形で転がり落ち、これまた無意識なんだけど、岩に捕まって、なんとかくい止めた感じだった。その際に、出っぱった岩の上にもぶつかったんだけど、無事だったのは、リュックが大きかったからリュックが頭を守ってくれたので頭の怪我はしなくて済んだのである。
本当に、運がいいとしか言いようがない。
しかし、この時は、足首を捻ってしまって、かなり痛い思いをしながら下山したのであった。
まあ、歩ける程度なので、そんなに大したことではないのだけどね。
谷川岳は中級の山扱いなんだけど、白根山も中級レベルでそういう意味では、やはり危険なんだなと思った。
本来は、登山経験が豊富な人と行くか、ガイドツアーで行くのをおすすめされている山である。
山の経験と言ってもいつも低山が多いので、そういう意味では、素人なのに中級にチャレンジしてるんじゃない!って感じなのかも。
それも、今回、久々の山登りだったのに、いきなり中級は厳しい上に、天候が悪いのに登って余計に危険なことだったなぁと。
また、低山をちょこちょこ登って、感覚を取り戻していきたいなと思う登山であった。