Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

優れたテキストは優れた写真集でもある。

2013年03月11日 | フォトエッセイ&フォトアート
優れたテキストは優れた写真集でもある。

3月11日が来ると
ある事を考える。

写真家でもあった僕の友人。
彼の息子も写真が大好きだった。

でも2年前の今日
その友人が亡くなり
息子も写真を撮れなくなった。

自分は別れる時にカメラを渡した。
いつかまた
彼が写真を撮れる日が来る事を願って…。

今年はどうだろうか・・・

「写真始めました!」

いつか彼のその言葉が聞きたい。

・・・・・・・・・・

この春から「プロ写真家」目指して
大学や専門学校で学ぶ皆さんから
「テキストでお勧めがあれば教えて下さい。」
そう訊かれていました。

実は僕が大学で学んだ時のテキスト、
今日机の上に並べてみました。

あまりの多さに並びません!
(#^.^#)
よくもこれだけ買ったもんです・
これだけ学んだとは言いません!
こんなに買ったんだと・・・感心しました。

自分の金で学びましたんで・・・
テキスト購入費はいかほどだったか?
ちょっと気になりました…笑

大学ではいわゆる「写真史」、「写真論」
その辺の講義もありましたね・・・

皆さんもきっとそういう本も買わされる事でしょう。

★写真史
伊藤俊治
朝日出版社

★写真130年史
田中雅夫
ダヴィッド社

★写真芸術
金丸重嶺
朝日選書

★写真論
スーザン・ソンタグ
晶文社

★明るい部屋
ロラン・バルト
みすず書房

まあこれ以上書いても切りがないので止めますが
まだまだ多数眼の前に並んでいます。

今年はこれらの本を
宿の一室に並べようと考えています。

いずれにしましても
どの本も数千円はする高価な本ばかりで
もう2度と買う事はないでしょう…(#^.^#)

たぶん皆さんも2度は買わないでしょうから、
学校で上記の本
あるいは似たような本を買わされましたら
大切にされたら良いです。

正直に言いまして
学校で買わされる本で十分です。
色々自分で買ったところで消化不良を起こすだけです。

受験勉強でたくさん参考書や問題集を買い込み
使いきれなかったのと同じ事になります。

ただ上記の様な本は過去について書いている本ですから
今後書きなおされる事はまずありません。
しかもただ読むだけで独学で十分学べる事です。

僕が皆さんに進言するのは
学校でないとなかなか学べない事、
その事に力を入れて欲しいという事です。

要するに「理論と実践」です。
これは言うに易し行うは難しです。

僕が色々教えていて思うのは
独学で学んだために
間違った理論・発想で実践されている方が多いという事です。

もっとも多くの皆さんにとっては
ただの趣味ですから
それで良いんだと思います。

しかしプロを目指す皆さんは
アマチュアと同じ発想ではダメです。

せっかく学校に行くのであれば、
正しい発想と理論を実践しながら学んで下さい。

それも謙虚に学ぶ事です。

皆さんは高校時代から
ほぼ全員が写真を撮っている方でしょう。

よって撮り方はもちろん殆ど分かっていて
自信に充ち溢れた方もいるはずです。…笑
僕のところに教わりに来た者もそうです。

しかし写真は皆さんが考えているより
相当に奥が深いのです。

もし謙虚に学ばなければ
あるレベルから上には絶対に行けません!
どうかこの事は覚えておいて下さい。

さて前置きが長くなり申し訳ありません。

これから一冊だけ本を紹介します。
かなり高価なテキストです。
5,000円近くします。



「National Geographic Complete Photography」

日本語版タイトルは
「ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方完全マスター」

日経ナショナルジオグラフィック社

この本は昨年出版されました。
とても素晴らしいテキストです。

何が素晴らしいのか?

それは解説に使われている写真のクオリティが
他の一般的なテキスト本より群を抜いて高いからです。

一人の人間が書く本ではこうは出来ません。
世界のナショジオだから出来た本です。

まずこの本を読んで下さい。
全ての掲載写真をじっくり鑑賞して下さい。

そして数年後にまた読みなおした時、
きっと皆さんが成長していたなら
違う感性でもっとよく写真が理解できるはずです。

高価な本ですし、
誰にでもお勧めはしません。

しかし僕はその価値は十二分にあると思いますし、
今も読んでいますし掲載されている写真も観賞します。

本屋さんで立ち読みされて
僕の言っている事が理解出来た方はお買い求め下さい。

そしてしっかり読んで下さい。
一枚一枚の写真をじっくり観賞して下さい。

きっと皆さんの心に響くものがあると思います。

最後になりましたが
昨日やはり皆さんと同じ様に
4月より東京の学校でプロ写真家を目指す学生と話しました。

彼に強く言った事は
「謙虚な気持ちで学ぶように!」
その一言です。

デジタルカメラ全盛の今、
誰でもそこそこの写真がカメラまかせで撮れてしまいます。
まして美瑛町の様な丘に来れば
誰でも美しい写真は撮れます。

そんな時代に
それでもプロフェッショナルを目指すということ、
アマチュアとの違いは何か?
「意識」の違いはどこにあるのか?

自問自答して下さい!

そして・・・

半端な人間
半端な写真家ではなく
本物のプロフェッショナルに成って下さい!

期待しています!!


ケント白石

Kent Shiraishi Photography


ブログ村「写真講座」ランキングに参加しております。
今回の内容がお役に立ちましたら一票投票お願いします。出来るだけ多くの方に読んで頂ければと思います。
下記「写真講座」ボタンクリックで一日一回だけ投票できます。

にほんブログ村 写真ブログ 写真講座・教室へ


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょっと本題とはそれますが・・・ (Akiko Miyajima)
2013-03-12 21:01:30
こんばんは。いつも楽しく拝読しています。勉強しようと思いながら、基礎知識が乏しく未だ着いていけるレベルに達しておらず、堂々と発言できませんが…。
ところで、本題とはそれますが写真のバックにあるANSEL ADAMSさんの本は写真集ですか?ヨセミテの力強い自然がシビれるほどかっこいいです!
ヨセミテの同じ構図で2度写真を撮りました。一度目は、初めて持ったデジカメ(コンデジ)で。二度目は、初めて持った一眼レフで。三度目はいつになるかわかりませんが、Kentさんと知り合うことができたので、Ratina Photoを撮りたいです。当時の写真を単純にモノクロにしてみても、こうはなりませんでした。。。深いです。
良かったら教えてください!(ナショジオもチェックしてみます!)
返信する