福岡タワーとの対話

タワーと出会い早30年。動画制作にも意欲を持つ令和版高齢者!

残暑夜の第9

2013年08月27日 22時05分45秒 | 閑話休題
55年前の録音である。
フェレンチェ・フリッチャイ指揮ベルリン・フィルでベートーヴェンの「交響曲第9番“合唱付き”」を聴く。
残暑の夜、55年前に思いを馳せ聴く。

順番で言えば、フルト・ヴェングラーの後継者、と言っても過言ではない指揮者であったが、
天は二物を与えなかった。
48歳の若さで1963年2月20日、白血病に斃れ世を去る。
彼亡き後のベルリン・フィルを指揮したのが、カラヤンである。
季節外れと言われようが、聴きたいとき聴きたい曲を聴くのだ。
今夜はそんな訳で、この作品を夭折の指揮者で聴いてみたかった。
厳粛で且つ荘重な導入部で始まる。
強弱・軟硬に撓る弦楽器群に、覆い被さるが如き金管楽器群。
わずか40歳での録音、この事実が既に驚異としか言い様がない。
返す返すも残念なのは、ステレオ録音作品の少なさ。
その中でこの第九を1958年にしてステレオ録音で残してくれたのは
まさに奇跡としか言いようがない。ドイッチェ・グラムフォンに感謝したいくらいだ。

秋の風に似た夜、第九を聴く。

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