増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

脳のなかの幽霊

2008-02-28 11:54:35 | 佐野和代 BCSc
脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)
V.S. ラマチャンドラン,サンドラ ブレイクスリー
角川書店

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この本の存在を知ったのは、カイロ神経学を受講していた時です。
「ミラーニューロン」でネット検索していたら、V.S.ラマチャンドランがヒットしました。
どうにも興味をそそられ、amazonでは古本しか扱っていなかったので、古本を購入。
(古本を購入する事はあるのですが、ネット通販は送料が高いので、ついつい買い控えていました)

→amazon以外では、新刊で販売していました・・・念のため。

これは本当におすすめです!!
もっと早く、読んでおけば良かった・・・

ラマチャンドランはインド出身のアメリカの神経科医、心理学・神経科学者。
インドに生まれ、スタンリー医科大学で医師の資格を取得後、ケンブリッジ大学で博士号を取得。
現在はカリフォルニア大学サンディエゴ校の神経科学研究所の所長を勤めています。

興味深いのは、ラマチャンドラン自身の研究実験が大掛かりな観察装置を必要としないものが多いところ。
問診や神経学検査を使って、特異な症例から脳の仕組みの解明に迫っていきます。
その過程は、「名探偵シャーロック・ホームズ」。
そして文章自体にもその洞察力があふれており、ついつい話にひきこまれます。

専門家の書いた本ですが、ミステリーとしても読む事ができます。
(もちろん、専門的知識があれば、面白さ倍増だと・・・)

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「幻肢」とは、切断された手足がまだあるかのように感じるいう現象。
長い間、患者の気のせいや思い込みに過ぎないと扱われてきました。
ラマチャンドランはこの現象は脳内にある身体地図と関係があるのではないかと考えました。
そして、自己の身体イメージを操作する「ミラーボックス」と呼ばれる単純な装置を考案し、幻肢痛の治療に成功するのです。
これは現在、脳梗塞などによる麻痺のリハビリにも応用されています。
(増田カイロにもあります。)

その他、半側無視、共感覚、カプクラシンドロームなど奇妙な脳神経系の現象が取り扱われています。

後半の部分は心身医学、代替医療、クオリアについて考察。

あまりにもおもしろいので、さらっと通読してしまいました。

私的に「何度でも読み直ししたい」と思える1冊です。
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