模倣犯1 (新潮文庫)宮部 みゆき新潮社このアイテムの詳細を見る |
宮部ワールドにはまりすぎている私は、ここにアップしない間に随分宮部みゆきさんの本を集めてしまいました。
で、一番新しく読んだのがこの本。
今頃?と思われるかもしれませんが、だって文庫本にすると5冊になっちゃうこの大作、なかなか手が出なかったんです。そんでもってテーマも重くて。
何せ宮部みゆきさんは時代小説からハマったものですから…。
映画は観ないほうが良いだろうと、自分の中で何かが呼びかけるので観ないことにしました。きっといらつくんだろうな映画になっちゃうと。
物語は…はしょります。リンクから飛んでください。
これは凄い本だと思いました。
一つの大きな事件を扱っていますが、その事件に関わる全ての人を大いに巻き込んでいく。
加害者、被害者、被害者の家族、加害者の家族、容疑者の家族、刑事、ジャーナリスト(?)その他の人たち…だけではなく、その事件に興味をもつ全ての人。
実際に一つの事件が起きる度に報道という形でしか知ることができない私たち。
でも、そこにはどれだけの真実があるのだろう、といつも考えていた私。
仕舞いには報道番組さえ見なくなってしまった。ワイドショーなどもってのほかである。
私たちは事件の関係者ではない。だから事件についてあれこれ憶測でしかモノをいうことができない。
そこに関係している人はどれほどの悲しみを、悔しさを背負っているのか想像もできない。…と考えると嫌になってしまうからである。落ち込むのである。
(普通はそこまで考えないか…)
そのような私には本当にタイムリーな小説だった。
今頃コレ読んでいるわけだが、今でちょうど良かった。
でも、読んでいているうちに、結局一番のやじうまは自分だよなぁ~…と思わずにはいられなくなってしまうのである。
なんせ、事件の全貌を知っているのは読者だけなのである。
読み終えると現実に戻りますが、現実にはどれほどの悲しみがあふれているのだろう、と考えてしまいます。
報道のあり方、それを見る、聞く私たちのあり方も見直すべきなのではないかと考えてしまう人は多いんじゃないのかな。
そんで、今は晴れて「楽園」に手を出しているのです~。
思えば「楽園」を読みたいがために「模倣犯」を読んだのだった。