Co-BusinessMate

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猫の額で考える:既視感と違和感

2024年03月24日 08時00分00秒 | 猫の額で考えるマーケ


3月もおわりなのにまだまだ寒いですね。皆さまいかがおすごしですか?
ぼくはさいきん、展示会やお店まわりによくでかけています。おでかけは苦手なのですが
「もう春なんだし、ひきこもってないで市中を観察しなさい!」と社長にお尻をたたかれたので~

せんじつは、東京都美術館で【印象派展】を見てきました。
モネ、セザンヌ、ルノアール…「はいはい、すいれんでしょ?ぼくだって知ってますよ」 という気もちで行ったのですが、奥ぶかいはっけんがありました!

ぼくは知りませんでした。今では有名な印象派も、さいしょはぜんぜん評価されニャかったこと。
30人の画家たちがパリでスタジオを借りて「合同展」をやったけど、「こんなものは芸じゅつではニャい!」と、こくひょうされたこと。
それまでのしゃじつてきな表現とまったく違う、きばつな色づかい、名もないふうけい、動きのあるじんぶつ…
伝統と常識をうちやぶって、まったく新しい表現にちょうせんした印象派は、当時の世間には受けいれられニャかったのです。
けれど画家たちはあきらめず、何回も合同展をやりました。
そしてある画商の目に留まり、しだいにファンがふえ、販路をアメリカに広げ、やがて世界じゅうのアーティストが印象派を学びにパリをめざすようになりました。

世界の評価を変え、新たな価値を生むきっかけが、有志の合同展だったニャんて!
ぼくは感動してしまいました。

ぼくはほかにも展示会やお店を見てまわりました。東京、上野、浅草、吉祥寺、横浜…いろいろ行きました。
どこに行っても商品、ディスプレイ、パッケージ…みんなかわいくて、せんれんされてて、本当にステキです。
ただ… 「どこかで見たことあるニャ~」 というものばかりで、ヒゲも心もうごかなくて、なにも買わずに帰ってきてしまいました。

そしてぼくは、 「いわかん(違和感)」「きしかん(既視感)」について考えました。
人は見たことがニャいものを見ると、ちょっと違和感をおぼえます。印象派の絵のように「ナノコレ?」と批判されることもあります。
でも、それをおそれて安心をもとめて「どこかで見たことがあるもの」を並べても、人の心をうごかすことはできニャいと思うのです。

「ナニコレ?」 なんて思われたくニャい。そんな反応はちょっとこわい。
だからつい、すでに評価されているデザインや表現によせてしまう。
商品も、パッケージも、写真や動画も、文章も…
お店にもWEBにも、似たようなものがヨコならびにずらりとあふれています。
これではなかなか、売るのはむずかしいのではニャいでしょうか?

もしもそのなかに「ニャンだコレは!?」というものがあったら、思わず2度見してしまうでしょう。
そして 「もっと見てみよう」「手に取ってみよう」 と興味がわいて、「必要かも」と感じたら「買ってみようか」と考えるでしょう。

このブログのはじめにもお話しましたが、なにごとも「注目」されニャいことには始まりません。
市場という大海原に商品をおいたとしても、ぼうだいな競合のなかからみつけてもらって、知ってもらって、手にとってもらうのは途方もなく大変なことです。
これをとっぱするための第一歩は 「どこかで見たことあるもの」 から抜きんでることです。

「わる目立ち」や「けんおかん」はよくニャいけれど、めざすのは 「ポジティブな違和感」。
誰も見たことがニャい独自の価値を生みだすのは、これまたむずかしい。人とちがうことをやるのは不安でもある。
けれど150年前の印象派の画家たちは、くじけず、仲間といっしょに、いくどもチャレンジして、そこから注目をあつめて、世界がみとめる芸じゅつにとうたつしました。
たった30人の合同展から!

これはビジネスにも通じると、ぼくは考えます。
おそれずに、オリジナルの見せ方・伝え方で、ヨコならびから一歩とびだしてみましょう!
ぼくも 「どこかで見たことある猫」 じゃニャくて、独自のそんざいかんをめざします!
「ふつうのキジトラじゃん」と言われますが、ほかにはない、新しい身のこなしをけんきゅうしてみます。

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