先月のNHK衛星第一放送でスウェーデンのシャロン・フィルム制作による映像詩プラネット4回シリーズが放送された。各国の生物、資源、環境、経済、地理、海洋、水産、気候、土壌、水文学、国際関係、精神医学の専門家が代わる代わる登場して、多数の生物の営みで成り立ってきた地球が、人類の欧米型消費活動の加速度的拡大によって危機的状況に置かれていることを、繰返し訴えかける内容である。これを80分の総集編にまとめて、某学の学生に見てもらった。以下は自主的にレポートを寄せてくれた、学生達の生の声である。一応設けた文字数を超過したものもあったが、自主レポートでもあり、全文を掲載した。
1.[学生136]このフィルムを見て一番に感じたことは、今、いかに自分達が恵まれているかである。
「世界の20%の人々は1日1ドル以下で暮らしている。」この事実は衝撃であるとともにいかに自分達が恵まれているか痛感した。また、登場人物の発言が的を射ている。スウェーデンではオゾン層の破壊の影響を受けたためにテレビで破壊の実態を放映したら、その効果は現れた。そのことは地球温暖化に対しても有効であるのは確かである。
「世界の気象災害は過去40年間で4倍に増えている。」この事実を宣伝、流布すれば誰もが地球温暖化に目を向けると自分は思う。政治家の机上の空論に頼るのではなく、自分達から行動を起こさなくてはならない。
しかし、格差社会という大きな問題もある。格差社会は一国の問題ではなく全世界の問題である。映像にあった「世界議会」ははるかな理想であるが世界の大きな目標であり、達成すべき目標であると思う。
2.[学生103] 今日の映像詩プラネット総集編を見て、とても自分の無力さに気づいた。というのも、今の自分を含めた周りの人々のほとんどはこの大量消費社会で生まれ、育っている。そのため、農業や自給自足で生きて行く術ー動物として存在すべき人間ーというのがまったくと言ってよいほどないのでは。
承知しているのと、事実ー物事の本質ーを知っているのは違う。ビデオの映像が映し出していたものは偽りのない事実だろう。そうであれば、私たちはただスクリーンに映っているものは自分が存在する次元と違うから、という客観的な態度でいては、何も変わらないのでは。今がよければ良い、といういかに自己中心的な考えを持った人間が自然とほぼ一体化した生活を送っている人たちまでもの生活を脅かしている。このような事実を目のあたりにして、自分は豊かな国に生まれたからラッキーと片付けてよいのだろうか。
3.[学生61]「映像詩プラネット」は今までの授業で学んできたことがいくつも折り込まれていました。一回一回の授業でもショックを受けることがあったのに、あれだけ一気に見せられると、やっぱり放っておいていい問題ではないんだと再認識させられます。
中国の経済成長、今のまま進むともうすぐに一人当たりの所得がアメリカに並ぶそうです。人口13億人のうち約10億人が車を持ち、さらにアメリカのような大量消費の生活パターンに移れば資源不足を招くことなど容易に連想できます。もちろん中国の経済成長が悪いわけありませんが、資源不足が予想されるのなら何か対策を取るべきだとは思いました。
この手の話を聞くといつも話題に上がりますがアメリカの横暴な発言にも驚きました(京都議定書での受け入れ拒否、しかも理由は自国の経済打撃を避けるため)。アメリカが大量生産、大量消費をしている分、他の国にしわよせがいっているのは明らかです。(もちろんアメリカだけに限ったことではありませんが)
富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しく。資本主義なら当然の成り行きですが、やっぱり納得がいきません。先進国に生まれた自分が言うのも説得力ないのかもしれませんが本当にそう思います。そして今回の講義を受けて強く感じたのは、先ほどの話すべてを含んだ人間の身勝手さでした。映画の中では今、全ての生物の15%が絶滅の危機にあるとありました。その全てが人間のせいだとは言いきれないにしろ大部分はやはり人間のせいだと思います。ピッグタワーと言う名の養豚場を作る予定があり、完成予想図をCGで見たときなんとも言えない気持ちになりました。
また、映画の中での例え話に人間以外の生物を飛行機のリベットに見立てた説明があります。その説明では「1万個あるリベットなんだから50個なら抜いても大丈夫、なんて考え方は危険だ。50個のうちに抜いてはいけないリベットがあるかもしれないのだから」ということを言っていたのですが、この説明にも納得がいきませんでした。動物も昆虫も微生物だって生き物です。あの説明は人間以外の生物をリベットというモノに置き換えていました。改めて人間として一つの生物として、どう行動するべきかを考えさせられました。
本当に、考えさせられる映画でした。
4. [学生68] 今日は映像詩プラネットを総編集を短縮したビデオをみた。そこで興味を持ったのが地球温暖化現象である。地球温暖化現象といってもいまいちピンとこない問題だとだれもが思っているのではないだろうか。実際に自分は北極の氷が溶けて海面が上昇するなんてピンとこなかったし、気温があがったくらいで何も危機感がなかった。しかしビデオをみて一気に危機感が押し寄せた。北極が実際に溶けて氷が一気に落ちているところや、海面が上昇しすぎて、大潮のとき家全てが海で埋もれてしまうところをみて。また世界で三番目に氷があるエベレストの頂上も溶けだしてきて、どんどんと日本に近づいていることを感じ、危機感をもたないと危ないと感じた。今、誰もが危機感が無いために誰も地球温暖化に対策をとっていない。そのために温暖化がどんどん進んで気づいた時には日本も浸水してしまう。
このビデオは今まで何も感じなかった自分の心を動かしたものでした。そして危機感を持った。だからみんなも真剣に地球温暖化問題に目を向けて考え、一人でも多く対策を実行し温暖化をちょっとでも進ませないようにすることが必要になってくるだろう。
5.[学生155] とても恐ろしい内容だった。「人間がちょっとやそっと環境を破壊しようが地球は滅びない」とか「地球には自浄作用がある」なんて言う人もいるが、そんなのは単なる気休めどころか人間のエゴだと思った。
驚いたのは京都議定書の二酸化炭素の排出量の5%削減という数字ではもう足りないということだ。5%さえ実現できない、または敢えて署名しないなんて国もあるのにどうやって70%削減なんて達成できるのかと思った。
国が動かないなら私たちが自主的に動かなければ地球は本当に滅びてしまうと思う。私一人の力なんて小さなものだけど地球環境を守るために出来ることをやっていこうと思った。危機感を持てただけでも今回の授業を聴講出来て良かったと思う。
6.[学生96] 今回授業で環境についてのビデオを見て現在の地球の現状について色々考えさせられました。人間は、今どれだけ地球が危機なのか実際に見たり体験したりしないと行動を起こせないと言っていたけどそれは本当に良くないことだと思いました。自分だけ頑張っても何の役にも立たないだろう・・・と感じてしまうけど一人一人が気をつけないと地球は本当に駄目になってしまいます。地球の環境は崩れはじめていてその影響が出ている国もたくさんあります。
どのように対策をするか話し合うのはもちろん大事なことですが、今この瞬間から一人一人がどんなに小さなことでもいいから環境について考え、地球のために今の生活を改めることが大切だと思いました。
7.[学生48] ビデオの中でケニアなどのある地域では排泄物処理が管理されておらず、溜めているだけの現状とアマゾンの森林が急速に伐採されているといった実態を知ったときは衝撃を受けた。ただ、「自然の生態系を無視して人間が身勝手に利便性の追及に走ることは許されない」「一人ひとりが環境問題に対して深刻に受け止めなければならない」などと他の学生がいかにも書きそうなことをここで語るつもりは毛頭ない。なぜなら20年以上この世で生きてきた人であれば、幾度もそのようなことは聞いてきたし、理解しているからだ。ただ、頭で理解していながら実際に行動に移していないことが問題となっているのだが・・。
多くの学者たちも先程の意見を主張するが、はっきり言って私は信頼できない。ビデオの最終回の3で出てきた働きながら森で生活している人が主張するのであれば説得力があるのだが、学者たちも自然破壊を進行させた科学の発展の恩恵を受けているからだ。排気ガスを生む自動車を利用せず公共の交通手段を利用しているといっても電気などのエネルギーを消費している事実は変わらない。
匿名性を生かし自分の思うまま述べてきたが、最後に私の考える環境問題の対策法を述べたい。環境問題に関しては先ほども述べたように頭では理解しているが実際に行動に移しきれていない。この現状を打破するには政府・国全体で環境対策を義務化するしか手段は残されていないと思う。日本でもレジ袋の有料化や企業内でのペーパーレス化などが導入されているが、いっそうこれらを法制度化し、国民の義務として取り組むことが必要なのではないか。
8.[学生39] 今回の映像詩プラネットは、今まで見てきた映像の中で一番衝撃的なものでした。世界中の環境問題が一つに集約されており、各専門家の話は私を大変不安にしました。
ヒマラヤの氷の多くが溶け出してしまうことや、中国の成長が今の勢いで右上がりしつづけるならばどんな影響がでるかなど、特に50年後という目前にせまる未来を自分の問題として受け取った生徒が多いのだと思います。この50という数字は本当に短いものです。こうしてこのレポートを打っている間にも世界は破滅への一途をたどっています。
日ごろの生活の中で忘れがちになってしまう環境の存在。外からみる地球が青色から鈍いねずみ色に変わってしまう前に手を打たねばなりません。大切なのは教育と一度でも環境を守るための活動に実際に参加をすることであると思います。最後にみた映像をきっかけに、私も含め先生の授業を受けた生徒の半分でも諸問題への意識を高め、何かしらの活動をしてみることで、世界の運命を変えることができるのかもしれません。花を植えることは格好悪いことではありません。それは花に美しく咲くチャンスを与え、世界が緑になることを助ける尊い行為です。
問題解決のキーワードは『小さな一つの行為』です。今が重い腰をあげる最後のチャンスであると感じています。
ブログ開設者からのコメント
視聴記を寄稿してくれた学生達は、今まで視聴したVTRの中で最も大きな衝撃を受けたようだ。確かに幾人もの専門家が、様々な観点から今の地球の危機的状況を語るのを聞けば、そう感じない方がおかしい。惜しいことに、このVTRを視聴した学生117名中、自主的に視聴記を寄せてくれた学生は8名に止まった。多くの学生は、衝撃が大きすぎて筆を取る勇気が持てなかったのかも知れない。或いは、課題として与えられないと、サイレント・マジョリティーに埋もれてよしとしてしまったのかも知れない。残念なことに現在までのところ、政界、官界、実業界の要人は勿論、一般庶民にもこのような情報が浸透していない。洞爺湖サミットを主宰することと、環境問題を本気で考えていることは別次元の問題である。映像詩プラネットの中で、環境ジャーナリストが発言していたように、政治家達は選挙での得票ばかり考えていて、皆が本気で怒り出さないと、環境問題に真剣に取り組もうとしない。寄稿してくれた学生達は自らの懸念を不特定多数の人々に伝えるという行動を起こしてくれたのである。
1.[学生136]このフィルムを見て一番に感じたことは、今、いかに自分達が恵まれているかである。
「世界の20%の人々は1日1ドル以下で暮らしている。」この事実は衝撃であるとともにいかに自分達が恵まれているか痛感した。また、登場人物の発言が的を射ている。スウェーデンではオゾン層の破壊の影響を受けたためにテレビで破壊の実態を放映したら、その効果は現れた。そのことは地球温暖化に対しても有効であるのは確かである。
「世界の気象災害は過去40年間で4倍に増えている。」この事実を宣伝、流布すれば誰もが地球温暖化に目を向けると自分は思う。政治家の机上の空論に頼るのではなく、自分達から行動を起こさなくてはならない。
しかし、格差社会という大きな問題もある。格差社会は一国の問題ではなく全世界の問題である。映像にあった「世界議会」ははるかな理想であるが世界の大きな目標であり、達成すべき目標であると思う。
2.[学生103] 今日の映像詩プラネット総集編を見て、とても自分の無力さに気づいた。というのも、今の自分を含めた周りの人々のほとんどはこの大量消費社会で生まれ、育っている。そのため、農業や自給自足で生きて行く術ー動物として存在すべき人間ーというのがまったくと言ってよいほどないのでは。
承知しているのと、事実ー物事の本質ーを知っているのは違う。ビデオの映像が映し出していたものは偽りのない事実だろう。そうであれば、私たちはただスクリーンに映っているものは自分が存在する次元と違うから、という客観的な態度でいては、何も変わらないのでは。今がよければ良い、といういかに自己中心的な考えを持った人間が自然とほぼ一体化した生活を送っている人たちまでもの生活を脅かしている。このような事実を目のあたりにして、自分は豊かな国に生まれたからラッキーと片付けてよいのだろうか。
3.[学生61]「映像詩プラネット」は今までの授業で学んできたことがいくつも折り込まれていました。一回一回の授業でもショックを受けることがあったのに、あれだけ一気に見せられると、やっぱり放っておいていい問題ではないんだと再認識させられます。
中国の経済成長、今のまま進むともうすぐに一人当たりの所得がアメリカに並ぶそうです。人口13億人のうち約10億人が車を持ち、さらにアメリカのような大量消費の生活パターンに移れば資源不足を招くことなど容易に連想できます。もちろん中国の経済成長が悪いわけありませんが、資源不足が予想されるのなら何か対策を取るべきだとは思いました。
この手の話を聞くといつも話題に上がりますがアメリカの横暴な発言にも驚きました(京都議定書での受け入れ拒否、しかも理由は自国の経済打撃を避けるため)。アメリカが大量生産、大量消費をしている分、他の国にしわよせがいっているのは明らかです。(もちろんアメリカだけに限ったことではありませんが)
富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しく。資本主義なら当然の成り行きですが、やっぱり納得がいきません。先進国に生まれた自分が言うのも説得力ないのかもしれませんが本当にそう思います。そして今回の講義を受けて強く感じたのは、先ほどの話すべてを含んだ人間の身勝手さでした。映画の中では今、全ての生物の15%が絶滅の危機にあるとありました。その全てが人間のせいだとは言いきれないにしろ大部分はやはり人間のせいだと思います。ピッグタワーと言う名の養豚場を作る予定があり、完成予想図をCGで見たときなんとも言えない気持ちになりました。
また、映画の中での例え話に人間以外の生物を飛行機のリベットに見立てた説明があります。その説明では「1万個あるリベットなんだから50個なら抜いても大丈夫、なんて考え方は危険だ。50個のうちに抜いてはいけないリベットがあるかもしれないのだから」ということを言っていたのですが、この説明にも納得がいきませんでした。動物も昆虫も微生物だって生き物です。あの説明は人間以外の生物をリベットというモノに置き換えていました。改めて人間として一つの生物として、どう行動するべきかを考えさせられました。
本当に、考えさせられる映画でした。
4. [学生68] 今日は映像詩プラネットを総編集を短縮したビデオをみた。そこで興味を持ったのが地球温暖化現象である。地球温暖化現象といってもいまいちピンとこない問題だとだれもが思っているのではないだろうか。実際に自分は北極の氷が溶けて海面が上昇するなんてピンとこなかったし、気温があがったくらいで何も危機感がなかった。しかしビデオをみて一気に危機感が押し寄せた。北極が実際に溶けて氷が一気に落ちているところや、海面が上昇しすぎて、大潮のとき家全てが海で埋もれてしまうところをみて。また世界で三番目に氷があるエベレストの頂上も溶けだしてきて、どんどんと日本に近づいていることを感じ、危機感をもたないと危ないと感じた。今、誰もが危機感が無いために誰も地球温暖化に対策をとっていない。そのために温暖化がどんどん進んで気づいた時には日本も浸水してしまう。
このビデオは今まで何も感じなかった自分の心を動かしたものでした。そして危機感を持った。だからみんなも真剣に地球温暖化問題に目を向けて考え、一人でも多く対策を実行し温暖化をちょっとでも進ませないようにすることが必要になってくるだろう。
5.[学生155] とても恐ろしい内容だった。「人間がちょっとやそっと環境を破壊しようが地球は滅びない」とか「地球には自浄作用がある」なんて言う人もいるが、そんなのは単なる気休めどころか人間のエゴだと思った。
驚いたのは京都議定書の二酸化炭素の排出量の5%削減という数字ではもう足りないということだ。5%さえ実現できない、または敢えて署名しないなんて国もあるのにどうやって70%削減なんて達成できるのかと思った。
国が動かないなら私たちが自主的に動かなければ地球は本当に滅びてしまうと思う。私一人の力なんて小さなものだけど地球環境を守るために出来ることをやっていこうと思った。危機感を持てただけでも今回の授業を聴講出来て良かったと思う。
6.[学生96] 今回授業で環境についてのビデオを見て現在の地球の現状について色々考えさせられました。人間は、今どれだけ地球が危機なのか実際に見たり体験したりしないと行動を起こせないと言っていたけどそれは本当に良くないことだと思いました。自分だけ頑張っても何の役にも立たないだろう・・・と感じてしまうけど一人一人が気をつけないと地球は本当に駄目になってしまいます。地球の環境は崩れはじめていてその影響が出ている国もたくさんあります。
どのように対策をするか話し合うのはもちろん大事なことですが、今この瞬間から一人一人がどんなに小さなことでもいいから環境について考え、地球のために今の生活を改めることが大切だと思いました。
7.[学生48] ビデオの中でケニアなどのある地域では排泄物処理が管理されておらず、溜めているだけの現状とアマゾンの森林が急速に伐採されているといった実態を知ったときは衝撃を受けた。ただ、「自然の生態系を無視して人間が身勝手に利便性の追及に走ることは許されない」「一人ひとりが環境問題に対して深刻に受け止めなければならない」などと他の学生がいかにも書きそうなことをここで語るつもりは毛頭ない。なぜなら20年以上この世で生きてきた人であれば、幾度もそのようなことは聞いてきたし、理解しているからだ。ただ、頭で理解していながら実際に行動に移していないことが問題となっているのだが・・。
多くの学者たちも先程の意見を主張するが、はっきり言って私は信頼できない。ビデオの最終回の3で出てきた働きながら森で生活している人が主張するのであれば説得力があるのだが、学者たちも自然破壊を進行させた科学の発展の恩恵を受けているからだ。排気ガスを生む自動車を利用せず公共の交通手段を利用しているといっても電気などのエネルギーを消費している事実は変わらない。
匿名性を生かし自分の思うまま述べてきたが、最後に私の考える環境問題の対策法を述べたい。環境問題に関しては先ほども述べたように頭では理解しているが実際に行動に移しきれていない。この現状を打破するには政府・国全体で環境対策を義務化するしか手段は残されていないと思う。日本でもレジ袋の有料化や企業内でのペーパーレス化などが導入されているが、いっそうこれらを法制度化し、国民の義務として取り組むことが必要なのではないか。
8.[学生39] 今回の映像詩プラネットは、今まで見てきた映像の中で一番衝撃的なものでした。世界中の環境問題が一つに集約されており、各専門家の話は私を大変不安にしました。
ヒマラヤの氷の多くが溶け出してしまうことや、中国の成長が今の勢いで右上がりしつづけるならばどんな影響がでるかなど、特に50年後という目前にせまる未来を自分の問題として受け取った生徒が多いのだと思います。この50という数字は本当に短いものです。こうしてこのレポートを打っている間にも世界は破滅への一途をたどっています。
日ごろの生活の中で忘れがちになってしまう環境の存在。外からみる地球が青色から鈍いねずみ色に変わってしまう前に手を打たねばなりません。大切なのは教育と一度でも環境を守るための活動に実際に参加をすることであると思います。最後にみた映像をきっかけに、私も含め先生の授業を受けた生徒の半分でも諸問題への意識を高め、何かしらの活動をしてみることで、世界の運命を変えることができるのかもしれません。花を植えることは格好悪いことではありません。それは花に美しく咲くチャンスを与え、世界が緑になることを助ける尊い行為です。
問題解決のキーワードは『小さな一つの行為』です。今が重い腰をあげる最後のチャンスであると感じています。
ブログ開設者からのコメント
視聴記を寄稿してくれた学生達は、今まで視聴したVTRの中で最も大きな衝撃を受けたようだ。確かに幾人もの専門家が、様々な観点から今の地球の危機的状況を語るのを聞けば、そう感じない方がおかしい。惜しいことに、このVTRを視聴した学生117名中、自主的に視聴記を寄せてくれた学生は8名に止まった。多くの学生は、衝撃が大きすぎて筆を取る勇気が持てなかったのかも知れない。或いは、課題として与えられないと、サイレント・マジョリティーに埋もれてよしとしてしまったのかも知れない。残念なことに現在までのところ、政界、官界、実業界の要人は勿論、一般庶民にもこのような情報が浸透していない。洞爺湖サミットを主宰することと、環境問題を本気で考えていることは別次元の問題である。映像詩プラネットの中で、環境ジャーナリストが発言していたように、政治家達は選挙での得票ばかり考えていて、皆が本気で怒り出さないと、環境問題に真剣に取り組もうとしない。寄稿してくれた学生達は自らの懸念を不特定多数の人々に伝えるという行動を起こしてくれたのである。
学生48さんが述べている対策が、今私達に最も身近ではじめやすいものであると考える。以前にとあるテレビ番組の中で、エコバッグについて報道していた。10人ほど客にまぎれて番組スタッフが店内に入り、そのバッグを購入すると、他の客もそれに興味を示し購入し始めた。そういった人の心理を上手く利用してでもこの試みは拡大すべきであろう。
また最近はやり始めたのが「Myお箸」なるものだ。いうまでもなく自分のお箸を行く先々に持って行き、割り箸の消費を抑えるためにある。おそらく、もし自分ひとりがお箸を持ち歩いていると、「恥ずかしい。格好悪い」とためらう人が続出であろうが、幸い今はブームになっている。
人は常に流行を追い求め、そのためにメディアを使う。つまり私が考えるのはメディアの情報操作はこういうところでこそ使われるべきだ、ということである。あまりよいイメージのない情報操作も使いようによっては地球保全に役立つ可能性が秘められていると思った。
しかし学生さん達の書いている内容を見て、よほど凄かったのだろうと想像する。
全てのレポートの中に全く知らなかった事実や皆の真剣な危機感を持った意見が書かれており、非常に考えさせられた。
私も是非、「映像詩プラネット」を拝見したい。