図の2つの回路において、スイッチを入れた時の電圧:VLとVCの変化(過渡特性)と、電流:ILとICの過渡特性をグラフに示しています。
コイルの端子電圧VLは電源電圧Vから減少し始め、一定時間後に0Vとなります。回路電流ILは0Aから増加し始め、一定時間後V/R(A)に達し安定します。コンデンサの端子電圧VCは0Vから増加し始め、一定時間後、電源電圧Vに達し安定します。回路電流ICはV/R(A)から減少し始め一定時間後に0Aとなります。
このように、コイルとコンデンサは互いに鏡像のような特性を示しています。まるで利き腕が逆の、双子の兄弟のようですね。
過渡特性以降を定常状態といいますが、定常状態においては、コイル回路の場合コイルの端子電圧は0Vであり、V/R(A)の電流が流れています。コンデンサ回路の場合は、端子電圧は電源電圧Vと同電圧であり電流は0Aで静止しています。このことは先に示した特性グラフから読み取れますが、直流回路におけるこのコイルとコンデンサの逆特性は重要なポイントとして理解しておく必要があります。
【時定数】
下図はコイル電流:ILと、コンデンサ電圧:VCの過渡特性グラフを再度示しています。
電源オンの時点から、ILの場合はV/R(A)の63%に達する時間:TL 、VCの場合はVの63%に達する時間:TCを時定数(sec)といいます。(* Vは電源電圧)
TLは計算式: L/R 、TCはCRで、求められます。
例えば
L=100mH、R=200Ωとすると
100×10^-3 ÷ 200 = 500×10^-6 TL=500μSec
C=1μF、R=300Ωとすると
1×10^-6 × 300 = 300×10^-6 TC=300μSec
となります。
【おまけ】
しかしなぜ電源オンから時定数後に電源の63.2%になるのか? これは
v(t)=Ldi(t)/dt+Ri(t) v(t)=1/C ∫i(t)dt+Ri(t)
この方程式(微分方程式)を解けば得られます。
解は
i(t)=V/R e^-(1/CR)t v(t)=V(1-e^-(1/CR)t)
あるいは
i(t)=V/R (1-e^-(R/L)t) v(t)=V e^-(R/L)t
となります。(1/CRとR/Lは一般にωの記号で表します)
CRとLRの過渡特性(1次遅れ系)を示す、
x=e^-ωt と x=1-e^-ωt は覚えておくとなかなか便利ですぞ。
さて、i(t)=E/R e^-(1/CR)t を積分すると
∫ i(t)dt=E/R ∫e^-(1/CR)t dt
∫ i(t)dt=(E/R)(-CR e^-(1/CR)t)
t=0からt=CRまで定積分すると、t=CRのCの端子電圧が得られるはずです。
=(E/R)[-CR e-^(1/CR)t]0→CR
=(E/R){-CR e^-1 +CR}
=(E/R)(CR)(1-0.368)
=EC×0.632 これがt=CRの電荷Qです。
1/Cをかけて
端子電圧Vc=E×0.632 となり、確かに電源電圧の63.2%になりますね。
関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29
コイルに定電圧、コンデンサに定電流 2010-02-28
時定数後は63% 2009-05-25
コイルの端子電圧VLは電源電圧Vから減少し始め、一定時間後に0Vとなります。回路電流ILは0Aから増加し始め、一定時間後V/R(A)に達し安定します。コンデンサの端子電圧VCは0Vから増加し始め、一定時間後、電源電圧Vに達し安定します。回路電流ICはV/R(A)から減少し始め一定時間後に0Aとなります。
このように、コイルとコンデンサは互いに鏡像のような特性を示しています。まるで利き腕が逆の、双子の兄弟のようですね。
過渡特性以降を定常状態といいますが、定常状態においては、コイル回路の場合コイルの端子電圧は0Vであり、V/R(A)の電流が流れています。コンデンサ回路の場合は、端子電圧は電源電圧Vと同電圧であり電流は0Aで静止しています。このことは先に示した特性グラフから読み取れますが、直流回路におけるこのコイルとコンデンサの逆特性は重要なポイントとして理解しておく必要があります。
【時定数】
下図はコイル電流:ILと、コンデンサ電圧:VCの過渡特性グラフを再度示しています。
電源オンの時点から、ILの場合はV/R(A)の63%に達する時間:TL 、VCの場合はVの63%に達する時間:TCを時定数(sec)といいます。(* Vは電源電圧)
TLは計算式: L/R 、TCはCRで、求められます。
例えば
L=100mH、R=200Ωとすると
100×10^-3 ÷ 200 = 500×10^-6 TL=500μSec
C=1μF、R=300Ωとすると
1×10^-6 × 300 = 300×10^-6 TC=300μSec
となります。
【おまけ】
しかしなぜ電源オンから時定数後に電源の63.2%になるのか? これは
v(t)=Ldi(t)/dt+Ri(t) v(t)=1/C ∫i(t)dt+Ri(t)
この方程式(微分方程式)を解けば得られます。
解は
i(t)=V/R e^-(1/CR)t v(t)=V(1-e^-(1/CR)t)
あるいは
i(t)=V/R (1-e^-(R/L)t) v(t)=V e^-(R/L)t
となります。(1/CRとR/Lは一般にωの記号で表します)
CRとLRの過渡特性(1次遅れ系)を示す、
x=e^-ωt と x=1-e^-ωt は覚えておくとなかなか便利ですぞ。
さて、i(t)=E/R e^-(1/CR)t を積分すると
∫ i(t)dt=E/R ∫e^-(1/CR)t dt
∫ i(t)dt=(E/R)(-CR e^-(1/CR)t)
t=0からt=CRまで定積分すると、t=CRのCの端子電圧が得られるはずです。
=(E/R)[-CR e-^(1/CR)t]0→CR
=(E/R){-CR e^-1 +CR}
=(E/R)(CR)(1-0.368)
=EC×0.632 これがt=CRの電荷Qです。
1/Cをかけて
端子電圧Vc=E×0.632 となり、確かに電源電圧の63.2%になりますね。
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