福島の「放射能汚染」を調べ続ける科学者、木村真三
現代ビジネス 2011年07月04日
いわき市は、その大半が福島第一原発から30kmの圏外に位置する。そのため20km~30km圏に出されていた「屋内退避指示」が解除されて以降は、計画的避難区域はもとより緊急時避難準備区域にも指定されなかった。市も安全をアピールしていた。
だが、それは詳細な調査結果に基づかない、机上の空論でしかなかった。福島第一原発から約28kmの地点にある荻・志田名地区の一部には、前述のようにチェルノブイリ事故時に避難地域と設定された土地と変わらない汚染レベルの土地があることが判明した。だが、行政上は危険地帯ではないため、遠くに避難したくても現時点で国や行政からのサポートはない。これが現実だ。
何度もこの地を訪れている木村氏は多くの住民と顔なじみだ。車ですれ違えば笑顔で会釈してくれるお婆さんや、「差し入れだ」と言って山盛りの柏餅を届けてくれるお爺さんもいる。この日は、そういう人たちに向かって「ここに住むのは難しい」と宣告しなければならなかった。
木村氏は言う。
「本当に辛い。こういう仕事は本来、行政がやるべきことなんですが、行政がそれをしようとしない。だから僕がやるしかない。
チェルノブイリのように20年以上経ってから事故の影響が表れてくるような事態を起こさないためには、今きちんと対応していかなければならない。今なら食い止めることが出来るんじゃないか。その思いが今の僕の仕事のモチベーションになっているんです」
現代ビジネス 2011年07月04日
いわき市は、その大半が福島第一原発から30kmの圏外に位置する。そのため20km~30km圏に出されていた「屋内退避指示」が解除されて以降は、計画的避難区域はもとより緊急時避難準備区域にも指定されなかった。市も安全をアピールしていた。
だが、それは詳細な調査結果に基づかない、机上の空論でしかなかった。福島第一原発から約28kmの地点にある荻・志田名地区の一部には、前述のようにチェルノブイリ事故時に避難地域と設定された土地と変わらない汚染レベルの土地があることが判明した。だが、行政上は危険地帯ではないため、遠くに避難したくても現時点で国や行政からのサポートはない。これが現実だ。
何度もこの地を訪れている木村氏は多くの住民と顔なじみだ。車ですれ違えば笑顔で会釈してくれるお婆さんや、「差し入れだ」と言って山盛りの柏餅を届けてくれるお爺さんもいる。この日は、そういう人たちに向かって「ここに住むのは難しい」と宣告しなければならなかった。
木村氏は言う。
「本当に辛い。こういう仕事は本来、行政がやるべきことなんですが、行政がそれをしようとしない。だから僕がやるしかない。
チェルノブイリのように20年以上経ってから事故の影響が表れてくるような事態を起こさないためには、今きちんと対応していかなければならない。今なら食い止めることが出来るんじゃないか。その思いが今の僕の仕事のモチベーションになっているんです」
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