以前にもこのブログの中で語ったと思うが、人のする話というのは身分が高い者のする話より、身分の低い者のする話の方が面白い。
医者のする話より、赤提灯で飲んでいるサラリーマンのする話の方が面白い。
サラリーマンのする話より、肉体労働者のする話の方が面白い。
実際問題、大分前に酒場で土方の親父の饒舌で身振り手振りを交えたエロ話を聞いたときには心の底から笑ったなぁ!この親父の弟子になろうかと思ったよ、もちろんエロ話の方の。
私小説も同じこと。
今回の芥川賞受賞のこの私小説の作者は中卒で尚かつ実の父は性犯罪者。
(小説の主人公・貫多のプロフィールなのだが、本人とほぼ一致するであろう。)
小説の中で若かりし彼は日雇いの荷役労働者で金が入ると仕事をさぼり、金を使い果たすとイヤイヤ仕事に向かうという毎日。離れて暮らす母親にも恫喝するように金を無心したりする。(アタシの回りにもそういう奴がいたなあ、KとかMとか。)
同じ下賤の者としてシンパシーを感じてスルスルっと読んではみたが、不思議とこの主人公に感情移入は出来なかった。
何て言うのかな、私小説とは言えども、もう少し話に面白味っていうのかペーソスじみた物が欲しかったな。それと現在では殆ど使わない(小説の中でも)難しくて読めない語句を1ページに1語の割合で使っているのが鼻についたな。
「どうよ?俺は学校行ってないけど、こんなに難しい言葉を知っているべ。」ってなもんで。
これが1番、感情移入できなかった理由だったりして。
でも、失礼だがこの程度の私小説で芥川賞をもらえるのなら、アタシも書いてみようかしら?
このブログでは到底書けない、どうしようも救いがないが、下品とペーソスだけはあるエピソードは山の様にあるでよ。
意外と世間に受けて評判になり、映画化されたりして‥。
配役は青春時代のアタシが滝沢秀明、現在のアタシが唐沢寿明だったりして。
なんちて!
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