コペペ スタイル

コペペさんと言う先人のライフスタイルを想像し、小笠原のネイティブになるためのライフスタイルを伝えていきます。

ボニン コーヒー

2012年05月18日 | 料理 暮らし

雨に降られることの多い季節

大陸からやって来る低気圧がだんだん日本の北を通るようになると、湿った南風の吹く日が増え、その空気が冷たい海水に冷やされ、ガスが発生する。こういう状態を島の漁師達は、亀陽気と呼ぶ。実際この白っぽい景色の海で海亀がアツアツのカップルとなり、あっちでもこっちでも子作りに励んでいる。湿った空気は森の中でも冷やされ霧となり植物達は生き生きと新緑を伸ばしている。この雨の多い季節、ぷーらん村で可憐な花を付ける植物がある。みなさんもよく知っていてよく飲んでいる植物、それは、コーヒーの木だ。

可憐な花の寿命は短い

 1879年(明治12年)にインドネシアから移入し日本で最初にコーヒーを栽培した場所が小笠原だそうだ。プーラン村のまん前にもコーヒー山と言う山があり戦前コーヒーが栽培されていたそうだ。コーヒー山のジャングルの中で人知れず生えているコーヒーを一度だけ見たことがある。そんな歴史もありプーラン村でもコーヒーを栽培している。
 実は、私たち夫婦は、コーヒーを普段ほとんど飲まない。飲まないと言うより買わないと言った方が正しいのだろうが。その理由の一つとして、商品作物であるコーヒーは、本来、自給自足をしていた土地でコーヒーを大量に作るようになり、世界的経済システムの中、貧富の差を大きくした要因の一つと考えられるからなのだ。世界では1日に5万人から10万人の人が餓死していると聞く、その原因が貧富の差だと知るとコーヒーを飲まなくてもいいかなと思っている。そんな私たちも最近、自分の庭にコーヒー豆が生るようになり1年に何回か自分で焙煎して飲んでいる。焙煎の仕方や入れ方をいろいろ調べ、チャレンジしているのだが、入れる度に味が違うのにびっくりする。コーヒーの奥の深さにはまりそうな感じもする。そしてもう一つビックリしたのは、コーヒーを飲まない夫婦の間に生まれた現在7才の息子がコーヒー好きなのだ。
5才くらいの時から砂糖をいれないコーヒーを「おいしいおいしい」と飲んでいる。
 世界の中では問題もあるコーヒーだが、プーラン村の中ではコーヒーの白い花を味わい、赤い実を食べ、ベージュの生豆を乾燥させ、金網に入れ炭火で焙煎し、手回しのミールで粉にし、ようやく、コーヒーのなんとも言えない香りを楽しむことができる。その過程で人が集い、手作りのスウィートと共に憩いの時間を楽しめる。
ほんのり甘いコーヒーの実
炭火で焙煎
みんなで薄皮をむく

ここまで来るのに1時間

 自然農法を小笠原でしている中、コーヒーの木は反日陰でもすくすくと育ち、なにもしなくても、コーヒー豆が収穫できるので小笠原に非常にあった植物なのだろう。
 今年も雨の中、なんとも言えない清楚で爽やかな匂いを放ちながら可憐な白い花をたくさん咲かせていた。コーヒーのイメージからは到底、想像のできない花が見れる時間はほんの2、3日、小笠原のコーヒーを飲むより、希少価値のある花見は、とても幸せな気持ちになれる瞬間でもある。

プーランで採れたスターフルーツのパイと一緒に飲む自家製コーヒーは格別!!
              自分で育てたコーヒーを飲む男より


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