梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

代書屋さん

2017-04-30 01:12:01 | 日記
4月も終盤ということでまずは宣伝です。


ベネッセコーポレーション様の犬雑誌「いぬのきもち」。
5月号の挿絵イラスト描かせていただきました。

定期購読されてる愛犬家さんはぜひご覧になってみてください。


犬の話題の後になんですがどっちかと言えば知りたいのはねこのきもち。

「おひさまぽかぽかきもちいにゃ」

で、合ってますかね椿さん。

ねこの気持ちは日々修行中です。


ところで、
私、中学高校くらいから思っていたことですが、
NHKのドラマってクオリティ高いよな。

朝ドラや大河だけでなく、NHKのやってるドラマです。

中高生の頃、普通に民法のドラマも見てましたけど、
101回目のプロポーズも東京ラブストーリーもしっかり見てましたけど、
その一方で、けっこう家族でNHKのドラマ見てました。
学校で話題にのぼることはないけれど、いかんせん、このNHKのドラマが面白い。けっこうはまって見てましたね。

当時からの印象は今も変わらず、
ここ何年か、民法のドラマはあんまり見ていないのですが、
NHKのは意外と見ちゃう。

面白いのもさることながら、
NHKのドラマって、全4回とか8回とか、わりと潔い回数で終わっちゃうのがこれまたいい。
「もうちょっと見たかったー」という、腹八分目の後引く感じがニクイ。
絵仕事が立て込んでいた時期も、たまたま深夜に見たNHKのドラマ「スリル!」が気に入っちゃって、録画して見てましたー。
瞳ちゃん役の女優さんかわいかった
あれ続編やらないのかなー。
そうそう、「みおつくし料理帖」がNHKでドラマ化決定!これは要チェック!!


という長い前置きでしたが、
今見始めたNHKのドラマが「ツバキ文具店」です。

ツバキも文具も好きな者としては少し気になるタイトル。
ある夜、さてテレビを消して仕事をしようと思った時に、そのドラマは始まりまして。
あーこれ予告見てちょっと気になってたんだよねーと思い、そのまま消さずに仕事しつつ見ていたのですが、
最終的に見入ってしまいました。


主人公・鳩子の祖母が亡くなったところからお話は始まります。
鳩子の祖母は「ツバキ文具店」というお店で代書屋を営んでおりました。
代書屋とは、つまり手紙の代筆屋さん。
由緒正しき10代続く代書屋さんということで、祖母と二人暮らしだった鳩子も幼い頃からその手ほどきを受けるが、
厳しい指導に次第に反発。
高校卒業と同時に家を飛び出しそれっきり。
次に会ったのは遺影の祖母だった、というわけ。
葬儀後の跡片付けのため、一時的に生家に戻った鳩子だったが、そこに代書の依頼が舞い込む。
半ば無理やり押し切られ、最初で最後のつもりで引き受けた代書の手紙は、飼っている猿を亡くしたご夫婦に送るお悔やみの手紙。
とりあえすそれ相応の手紙を書くが、これが依頼人にコテンパンにダメ出しを食らう。
悩む鳩子は、その猿を亡くしたご夫婦の家を訪ねるが、
そこで、そのご夫婦がいかに猿を愛し、今どれほど胸を痛めているかを知り、自らの過ちに気付く。
再び筆をとった鳩子は、送り先と送り主の心に添った手紙を書き、今度を合格点をもらう。
忌み嫌っていた代書という仕事の意味を初めて知った鳩子は、ツバキ文具店を継ぐ決意をする。

というのが第一話。

そうか~、手紙を替わりに書くってすごい責任重大だよなー。なるほどねー。
とか感心しつつ、見終わって、
さてさて仕事をせねばと机に向き直ったその時、
はたと気付いたのです。

あ。そうか。
これも代書だ。


実はその時描いていたのが、喪中はがきのイラストでした。

もちろん文面はクライアントさんが決めるので、私はイラストとデザインだけですが、
ドラマで、手紙を書く便箋を選ぶ場面があって、
そうか、そういう演出も含めての「代筆」か!って目から鱗だったんですよ。
つまり私が担っているのがその部分では、と。
どんなに素晴らしい文章でも、添えられている絵が空気読めてなかったらダメだよなーって。

喪中はがきのみならず、私はけっこうグリーティングカードのお仕事が多いのですが、
考えてみたらこれらは手紙だ。
送り主と送り先の気持ちにハマる絵でないと意味がないのだ。

そう気づいて、少し襟を正した気持ちになりました。


ツバキ文具店の第2話の台詞にあった。
「でも、手紙を代わりに書くって、簡単なことじゃないです」
「それが分かってる人なら大丈夫」


この言葉、心にとどめておこう。