世界的に有名な書物
しかし、ほとんど読まれていない。
この本を読んでいないと、ハイクラスなビジネスにおいて理屈と現実の違いを理解することは難しい。
1/4世紀ぶりに読み直した。
以下、本の内容から抜粋
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ビジネス理論の試みは真理の領域に向かっているが、総合的に見て、規則や原則がまったく使い物にならない。
ビジネス理論は、特定の物質的な量を求める計算式の努力をしている。しかし、実際のビジネスは変数だけを探し求めるものである。
実際のビジネスは様々な作用が複合的にあるにも関わらす、それを無視した知識理論は一面的な見方でしか捉えていない。
一面的な考察しか出来ない貧弱な知識にくらべて、実戦における経験は学問の領域外にあり、その戦果は規則理論を超えた天才の領域にあると考えられる。
多様な現象を選別し、個々の特殊性に取り組む判断も指揮官の才能に委ねられる。
予期せぬ様々な現象があるなかで、敵味方が予期せぬ行動をするビジネス行動において、使用可能な理論が答えを示すのではない。
その戦果は指揮官の才能に委ねられている。
この実行可能な才能は、学問的な公式や体系によって、取得できるものではない。
指揮官の才能は、日常の考察や実戦において的確な判断を行うこと、それを継続することによってのみ取得する事ができる。
したがって、ビジネスに有効な上級指揮官の知識とは、実戦経験の特性な才能である。
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実はこれ、クラウゼヴィッツの「戦争論」である。
むろん、ビジネスとは書いていない。私が、「戦争」の文字を「ビジネス」に書き換えて読んでいた。
なぜなら、現代のMBAの基礎を作ったロバート・マクナマラが、ハーバードのMBAのビジネススクールで教えていたのは、クラウゼヴィッツの戦争論のなのだ。
功績を積んだ実戦経験者は指揮官であり、その指揮官と実戦戦果なしのMBAライセンス保持者が戦争すればどちらが勝かは明確である。
知識を集めるのではなく、苦しい経験を積んで勝ち抜いた者が強い。
(写真)酒蔵カフェ