Fluke~人生は上々だ

朝も夜も歌いながら 時々はぼんやり考える

伊豆が岳 №6 (最終回)

2007年01月23日 22時40分57秒 | 山歩き

いよいよ子の権現に向かう山に登ります。いったん道路に出てそのまま道路を歩いていけば西吾野駅に行けるようだ。向かいに山の入り口があった。最初は、「えー]って感じだった。いきなり崖のような山道。必死でおじさんのあとについて上って行った。上りがずっと続いていて休むところが全然ない。道も草がぼうぼう生えているようなところがあったり岩場みたいなところとか、さっきまでの山道とは大違いだ。おじさんは、途中で休憩しながら登っていた。私は、おじさんを追い越してどんどん登って行った。     

 でも、登っても登っても上り坂。まだかまだかと思いながら、でもゴール(子の権現)が近いことは確かだ。私は、とても元気だった。鳥居が見えた。山道の終りだ。やったー! 子の権現の矢印があるほうへ歩いて行った。金のわらじ、金のわらじ。30年振りだ。すると、子の権現のほうから、おばさんが歩いてきて、話しかけられらた。

 おばさんは、私がどこから来たのか、来る途中10人位のグループに会わなかったか聞いてきた。おばさんの話しから、そのグループは伊豆が岳の頂上の手前で、雨が強くなりや雷が鳴り出したとき下ってきた人たちではないかと思い、たぶん引き返したんじゃないかと伝えた。そのうち、おじさんも到着。おじさんにもそのグループの話しをすると、たぶん引き返したとおばさんに言っていた。おばさんは、そのグループが来るのを待っていたようだ。

 そんな話しや雨や雷の話しをしていたら、なんとまた雨がぽつぽつ降ってきた。とりあえず、お参りをして、金のわらじを見なくてはと思い急いで社のほうへ行った。金のわらじは、想像してたより小さかった。それにこの場所もこんなに狭かったかなーって感じ。私が大きくなりすぎた? 5円玉を出してお願いした。ほかにこんな山に似合わない若いカップルが来ていた。でもちゃんとお賽銭を入れてお願いしていました。

  雨がとても強くなってきた。伊豆が岳で降られたより本降りになってきた。でも雷がないだけまだましでした。カップルが、本殿のほうで雨宿りをしていたので、私は金のわらじのほうへ行って雨宿りをしていた。おじさんはどうしているだろう? おばさんは? また雨が降ってきちゃったら、またここで1時間ぐらい待ってないとならないかなー? でも、あと帰るだけだし、今度びしょ濡れになったらほんとに電車に乗れないし。まあ、ちょっと待ってみよう。わらじの横に座って雨を眺めながら、メモ帳に今日の出来事を思い出しながら書いていた。

 すると、おじさんがさっきのおばさんが車で駅まで送ってくれるみたいだと呼びにきてくれた。おー、なんてラッキーなんでしょう! 私ってやっぱり運がいい。でも、とても汚いんですけど・・・それがちょっと気になりましたが。 その前にお守りを買っていこうと思い、おじさんにちょっと待っててもらい私の好きなひょうたんの形のお守りを買った。雨は全然おさまる様子はない。おじさんの傘に入れてもらい、少し先の売店まで行った。 売店はやっていませんでいたが、座るところがあったのでおばさんともう一人雨宿りの男の人(30代ぐらいのおにいさん?)が待っていた。おばさんが、会うはずだったグループの人たちのために用意していた差し入れのスイカをくれた。冷えていて甘くてみずみずしくて、とてもおいしかった。久々の水分補給。からだの外側は水分取りすぎましたが・・・。生き返ったー。もっと食べたかった。夏は、スイカ食べたくなるね。

 しばらくすると、雨はさっきより小降りになり車のところまで行くことにした。おじさんは、健康の為に歩いていくとのことなのでここでお別れだ。おにいさんと私はおばさんに送ってもらうことにした。最初は吾野駅までの予定でしたが、おばさんが飯能まで帰るので、そこまで乗せてもらうことになった。私が小学校の卒業文集を読んで、伊豆が岳のことが書いてあってので行ってみたくなり、30年振りに登ったこと。小学生が登れたんだからという軽い気持ちで来てしまったことなどを話したら、大笑いされてしまった。 すごい軽装で、時計も雨具も持たず来てしまった自分がとても恥ずかしくなってしまった。でも、おばさんとおにいさんは、山について、いろいろ教えてくれた。おにいさんは、自転車で色んなところを旅するのが好きらしい。キャンプをしながら、走るんだって。自転車は坂道が大変だけど、気持ちいいだろうね。来週富士山に登るんだとか。

 おばさんは、私が自信喪失・・・? してもう山登りやめるんじゃないかと思ったらしく、山の話をたくさんしてくれた。そんな中で、同じ山に何度行こうと思っても何か都合が悪くなったり、天候が悪くなったりして行けない山があるって話をしていた。それとは、反対に何の予定もしてなかった山に行けるときもあるって。でも、ずっと行けなくてもいつか何かの拍子で行けるかも知れないし。山にも“縁”がそして“運”があるみたいだって。人生と同じだよ、あきらめちゃいけない。私は今日、とてもいい人達に出会ったと思った。

 飯能でおばさんにお礼を言って、おにいさんとも別れた。とても寒くなっていました。このままだと風邪をひいてしまうと思いとにかく着替えたいと思った。ここが、吾野じゃなく飯能でよかったです。駅ビルの中にユニクロがあったので、迷わず向かった。赤紫色のTシャツと迷彩柄の短パンで1,580円。安い、それになかなか可愛い。かなり満足。靴下も買えばよかったな。でも、気分はすっきり、とりあえずさっきよりは寒くないし。これで、堂々と電車に乗れる。

 私は山登りやめませんよ。(おばさん、安心してください。また、どこかの山で会えるかもしれないですよ) 山から(自然から)学ぶのもはまだまだありそうだし。やっぱり、登ったあと頂上の景色は気持ちいいし。次は、ちょっと低めの日和田山・高麗川コースかな。大変長くなりましたが、これで伊豆が岳の思い出終了! 家に帰ったら、保谷のほうもかなりすごい雷だったそう。次の日の朝刊には、雷でJRの電車が止まったっとか調布のあたりが停電したとか書いてあったから、やっぱりかなりすごかったんだ。それを読んだらさすがに怖くなった。←気づくのが遅い。  (おわり)


伊豆が岳 №5

2007年01月22日 21時14分45秒 | 山歩き

さて、伊豆が岳山頂に到着し天気も回復し下りです。上ってきたのが急な坂だったのだから下りだって急だ。最初から結構ドキドキものだ。すごい坂だし、雨で滑りそうだし。おじさんの後について行こうとしたが、だんだん離されてまた一人で道を選びながら下って行った。だんだんとどういうところを通ったらいいのかコツがつかめてきた。でも、少し油断すると転びそうになる。

冒険家に必要な「小道具を揃えないといけないな。雨具、方位磁石、懐中電灯、時計、水、お菓子・・・」とか考えているとズルっていきそうになる。

そして、とうとう本当に滑って転んでしまった。ズボンはさらに汚くなってきた。手の平も泥だらけのなってしまった。手拭いを持っていたのだが、雨と汗で絞ったら水がしたたるほど濡れていた。右の手の平を見てみると、人差し指の付け根の下辺りから血が流れている。泥でよくわからなかったし、痛くなかったので気が付かなかった。岩に手をついた時に皮がむけてしまったのだろう。とりあえず、ティッシュで(これも雨でしなしなになっていましたが)泥と血を拭いて、傷口はそのままティッシュで押さえて、また下り始めた。とにかく歩いて進まないと。

時々、吾野まで8キロとか表示が出ていて、8キロだと3時間かなーとか思いながら歩いていた。途中、違う峠道に行く分かれ道があってその標識をちょうど通り過ぎたときに「ブーブーブー」って何かのブザーの音が聞こえてきた。なんか、そのタイミングがすごい良くて(悪くて?)びっくりした。「えっ、何? こっちに行っちゃ行けないのかな」「何か悪い事したかな」とか思いその標識の周りを見てみた。でも、なんか音は違うところから聞こえてくる。「なんだろう?ピッチ?」と思ってリュックのポケットからPHSを出してみたら、犯人はコイツでした。まだ、ブーブー鳴っている。でも、画面は真っ暗で何もうつっていない。もしかして、最後を知らせたのかな? あー、あんなに雨に濡れちゃって、雷にもうたれてかわいそうなことしたな。電源のスイッチを押したり、たたいたりしたら音はしなくなった。

平坦な道や時々上り坂、そして急な下り坂の繰り返しで、道が濡れてなかったらきっともっと面白いだろうと思った。下り坂であと2回ぐらいすべって転んでしまった。背中の方まで泥が入っていてザラザラしていた。でも、怪我は最初の時だけであとは大丈夫でした。どんどん汚くさらに原人っぽくなってきた。でも、気にせずガンガン歩いていた。

次の目標は子の権現なのだ。そうそう、途中で、反対から上ってきたおじいちゃんと男の子(たぶん孫)がいた。あー、こんな子供が頑張ってる、勇気100倍、元気200倍になった。おじいちゃんと雷や雨のことを少し話して別れた。今まで、あまり気にしていなかった周りの景色を見てみた。実際木が多くてほとんど景色は見えなかったのだが・・・。雨に濡れた葉っぱたちが太陽の光に照らされて光っていた。とても生き生きしていた。自然だー!

おじさんにも追いつき、次はいよいよ子の権現へ向かう山に登ります。 つづく


伊豆が岳 №4

2007年01月21日 15時35分41秒 | 山歩き

頭の上の雷は、光ってすぐ鳴り、ほんとにすぐそこにいるみたいだ。早くどこか行ってくれー。2つの雷は交互に鳴り続けている。目と耳をふさいで、しゃがんでいた。下から一人傘をさした男の人が少しずづ移動しながら登ってきた。変な人っているんだな。

人が近くにいることで少し安心した。その人は、私のことをを何だと思ったでしょうね。そのうち、雷の1つはだいぶ遠ざかっていったようだ。少し気が楽になった。もう少しの辛抱だ。あと1個早くどこか行ってくれ!その間、そのおじさんと少し話しながら待っていた。おじさんは、私が今日歩こうと計画していた同じ道を歩こうとしているのがわかった。家が飯能でこの山には10回ぐらい登っているとのこと。でも、不思議なのはどうしてこういう時にこういう人と会えたか。どうして、山を降りたほうがいいよと言ってくれる人ではなかったのか? やっぱり、前に進むようになっている。

その計画したルートは、これから伊豆が岳の頂上へ行って、天目指峠~子の権現~吾野。おじさんによるとあと3、4時間かかる。結構上りも下りも大変だって。でも、私の気持ちはもう決まっていた。その頃、時間を見ようと思ってPHSを見たら画面が暗くなっていて、電源を入れてもたたいたりしても反応がない状態。おじさんに時間を聞いて、5時ぐらいまでには駅に着けるだろうということで、雷が鳴っていないすきに少しずつ上って行った。雷もだんだん遠ざかって行き、落ち着いてきた。雨もだんだんやんできて、気分も明るくなった。

さあ、頂上目指してまた登り始めるぞ!でも、上から雨水はじゃんじゃん流れてくるし道は滑りそうだし、一歩ずつ落ちついて進んで行った。おじさんは、慣れているようでどんどん先に行ってしまった。私は、このあたりから『山先生』の存在に気づき始めます。『山先生』は、何も言わないのに何かを教えてくれている。自然の偉大さと人間の小ささを感じた。自然の中で生かされている自分。自然と自分と山先生と対話をしながら上っている感じがした。

頂上の少し前に屋根のある休むところがあって、おじさんがそこで休んでいた。おじさんの仕事のこととか私の仕事のこととか話した。お腹がすいたので、残りのおにぎりを食べた。麦茶も全部飲み干してしまった。これからは、もう少し大きい水筒にしよう。おじさんは、2Lのアクエリアスを持っていた。それは重くないか? 肩がこる。しばらく休んで、また上り始めた。

だんだん晴れてきた。晴れてくれないと困るのだ。とにかく、服が乾いてくれないと電車に乗れない。 結構、あっけなく頂上に到着した。頂上ってこんなに狭かったっけ? 30年振りに伊豆が岳登頂。おじさんに写真を撮ってもらった。雨に濡れた上に汗もかいていて全然乾きません。さあ、今度は下りながら峠を越えて行きます。これも結構大変だった。№5に続く・・・


伊豆が岳 №3

2007年01月20日 16時50分07秒 | 山歩き

雨は、さらに強くなってきた。大粒の雨がバタバタと降ってきて、2ついる雷の1つがだんだん近くなってきた。「ひっ、ひぇ~」って感じだ。その頃は、もうほんとに頭から足の先までびしょ濡れ。でも、どうしようもない。普段より、雷に近い位置にいるのがすごいよくわかった。でも、山にいる場合どこに居ていいかわからない。木のそばも危なそうだし、でも他に居るところないし。雨はまあしょうがないにしても、雷は恐怖だった。頭のすぐ上で、鳴ってる感じだ。目と耳をふさいでしゃがんでいた。

山の上の方からは、すごい勢いで滝のように雨水が流れてくる。こんな中でもときどき上から降りてくる人達がいた。すごい悩んだ。引き返したほうがいいかな? でも、この坂を下るのもかなり大変そうだ。でも、このままここに居るのも危険すぎる。でも、夕立みたいなものだろうからもう少ししたら止むだろう。でも、雷は怖い。引き返す勇気も必要か。空が光って、雷が鳴る!ってときは耳をふさぎながら決断を下せないでいた。

なぜ、こんな目にあっていながら引き返さないんだ。もしかしたら次の雷が落ちて死んじゃうかもしれないのに。なんで、迷うのか。・・・実は本当は自分の中では迷ってはいないんだろう。でも、もし自分に守るものがあったとしたら、こんなことできないかな? 守るものがないっていうのは、自由だけど淋しいなと感じた。とにかく、雷よ早くどこかに行ってくれー! そんな、びっしょりになりながら、しゃがんでいろんなことを考えたり、いきなり書いている小説のあらすじが決まってきたり、結構切羽詰るといい考えが浮かぶのかも・・・。

すると、下から傘をさして少しずつ上ってくる人がいた。その人も雷が鳴ると木の陰にかくれて鳴り止むのを待っていた。ちょっと、ほっとした。  つづく


伊豆が岳 №2

2007年01月20日 00時00分09秒 | 山歩き

登山道に入ると、すぐ上りの山道。山の中は、木が多くて明るいって感じじゃありません。道は、濡れていて、ぬかるんでいたり滑りそうなところとかある。道があるのかないのかわからないようなところもある。岩をよじ登る感じのところもある。変化にとんでいてかなり楽しい。ほんとに探検しているみたいだ。ほんとにこんなところ小学生の時きたのかな。小学生には、ちょっと大変な気がする。上り坂結構ガンガン行けちゃう。こんなに体力あったっけって自分でもびっくりだ。

濡れたような緑と薄暗い感じが、不思議な気分にさせる。本当にどこかに迷い込んだみたいな感じだ。山の中には、結構人がいて、途中で休んでいたり、反対コースから来た人達と何人もすれ違った。みんなと「こんにちは」って言い合った。

伊豆が岳山頂までは、1時間ぐらいで行けそうなことが書いてあったのでこの調子ならすぐついちゃうかもって思いながら登っていた。すると、葉っぱにパタパタと小さく雨の音が聞こえ始めた。でも、頭の上は木に覆われていて雨があたって来ることはまだない。たまにあたる細かい雫たちは心地いい感じがしました。マイナスイオンだねー。そんなのんきなことを考えている間に、雨はだんだん強くなってきた。でも、まだ登り続けていた。そして、雷も聞こえてきた。だんだん近づいているようだ。

山から、下りてくる人達が増えてきた。雨も結構降ってきた。だんだん強くなってきた。上の方から雨水がすごい勢いでどんどん流れてくる。雨宿りをするところなんてないので、仕方がないのでしばらく木の陰で様子を見ていた。靴もどんどん水浸しになってきた。傘もカッパもないし、全身びしょ濡れだ。でも、しょうがない。雨は、止む気配は全くなく、雷も近くにいるみたいだ。2つぐらいいるみたい。どうしよう、どうしよう・・・。 続く


伊豆が岳 №1

2007年01月15日 21時54分10秒 | 山歩き

伊豆が岳 2006/7/15(土)

 7月15日(土)、朝起きたら絶好の山登り日和。今日は『伊豆が岳』に行ってみよう。

 おにぎり2個と麦茶を水筒に入れ出発! 保谷駅を9時半ごろの電車に乗り、所沢止まりだったので、飯能行きに乗り換え10時15分頃飯能駅に到着。西所沢から先に行くのは何十年ぶりだろう。(西所沢は西武球場に行く時使うからね)何年かまえ稲荷山公園に航空ショーを見に行って以来かな。それもかなり前。入間市あたりから急に景色が田舎風になる。

 飯能から西武秩父行き電車は10時35分ごろ。20分ぐらい駅で待っていた。この乗り継ぎ不便な感じもなんかいい。来た電車は車掌さんがいない(ワンマン)2ドアの4人がけの電車。これだけでもかなり旅行気分。一番後ろの車両に乗っていたので、進行方向と反対の座席に座っていると、通り過ぎた景色が後ろの窓からまた見えて不思議な感じがする。時間が逆行しているようだ。「あー、高麗駅だ」天下大将軍、地下女将軍懐かしいなー。巾着田行きたいな。今度は、日和田山、巾着田コースにしようかな。遠足だ遠足。この辺の駅になってくると、母の田舎の三重県の近鉄電車の駅の雰囲気に似ている。トンネルも出てきた。山がだんだん近くなってくる。それにしてもいい天気だ。

 正丸駅に到着。降りた人は2、3人。きっと山登りをする人達は、もっと早い時間に来るんだろう。あまりの天気のよさに写真でも撮ろうと思って、駅前の食堂兼お土産やさんで使い捨てカメラを購入。駅の写真を撮って、伊豆が岳の矢印があるほうへ出発。時間は11時。

 歩き出す前にまたお腹がすいてきたので、歩きながらおにぎりを一つ食べる。舗装された道を山のほうに向かって歩いて行く。秩父の山(景色)は、奥多摩の山(景色)とはまた全然違う。奥多摩の景色や緑は、やわらかい優しい感じがする。秩父の景色は、険しい感じがする。植林が多いせいでしょうか・・・。山が近いような感じがします。川の流れる音もなんか激しい感じがする。そんなことを感じながら歩いていた。途中にまた食堂兼お土産やさんがあって、そこにヒノキのチップが売っていたので買った。お風呂に入れたりとか部屋に置いておくといい香りがする。お店のおばあちゃんが親切に使い方を教えてくれた。またどんどん歩いて行った。この頃、遠くの方で雷が鳴っているのが聞こえていました。「えー、こっちくるかな」

 伊豆が岳登山道の入り口に着いた。入り口には、観音様(?)が祭ってある小さい社があって、一応お参りをして登りはじめた。そういえば、山ってこんな感じだったか。こういう入り口から登って行ったんだっけ。これと比べると、この間の金毘羅山は山って感じじゃないな。いよいよ山登り開始。これから先、何が起こるとも知らずガンガン登り始めました。つづく・・


武蔵五日市 アジサイ山 №3

2007年01月14日 13時12分32秒 | 山歩き

金毘羅山 下り坂編

 金毘羅神社の案内が指している方へ歩いていくとさらに山道がそして左右に道が分かれていて、どっちに行けば金毘羅神社かわからない。右の方に少しいてみたが、さらに細い山道が続いていてもっと行かないと神社にたどり着かないのかなという感じだ。戻って左の方へ少し行ってみると『熊出没!注意!』の看板が。「えー、何、やだー。鈴もってないよー。(そんな問題じゃないと思うけど)」しょうがないので、金毘羅神社はあきらめることにした。

 元の道まで戻り「ここからいよいよ下りだな」と思いながら進むと、また左右に道が分かれていて案内板が立っていた。左方面はなんて書いてあったのか忘れたけどたぶん行かないほうがいいような感じの何かが書いてあった。右方面は『檜原方面』とかってなっていて、「檜原?檜原ってどこ?檜原っていっても檜原のどこに出るのかわかんないじゃん。でも、東京都だよね」 ちょっと考えて、今上ってきた道を戻るのはかなり苦痛だ。というか絶対いやだ。それなら、行き先はわからないけど、檜原方面に行ってみるか。行くしかないし。そして、また歩き始めた。

 下りは上りよりつま先のほうに体重がかかって疲れる感じ。大またで、どんどん歩いて行った。でも下りも歩いても歩いても歩いても景色は変わらず、まして全然下に降りてるような気がしない。同じ高さのところをグルグル歩き回ってるんじゃないか、もしかしてふもとに着けないんじゃないかと思ってしまいそうになる。そんなことを考えていたら急に淋しくなって、「これじゃあ、いかん」と思って、歌を歌うことにした。周りに誰もいないので、大きな声で歌っても全然平気だ。まず、カエルのうた、一人で輪唱したりして「かえるのうたがー、かえるのうたがー」ってね。あと、もう思いつく歌どんどん歌っていたら、かなり楽しくなってきた。歌ってすごい。そのうち歌を歌わなくても平気になっていた。 

 あと、どれくらいで町に出るのだろう。歩いているうちにだんだん車の走る音や家とかが見えてきた。でも、下から生えてる木を見るとまだまだふもとは遠そうだ。「今、何時だろう」PHSを見たら2時半過ぎ。実は、4時に母とひばりが丘で会う約束をしていたのだが、絶対に間に合わない。電話をかけようにも圏外だ。「ヤバイ、ヤバイ、どうしよう」急ぎ足で下って行った。

 20分位歩いてやっと民家と畑が見えてきた。畑で仕事をしている人がいた。「あー、とりあえずよかった」PHSもアンテナが3本ぐらいたってたので、すぐ家に電話をした。「待ち合わせなんだけど、5時に変更してくれない」「どこにいるの?」「なんか、わからない山の中」って言ったら、大笑いされた。心配しろよって感じだ。だんだん、町らしい景色になってきて、ほっとした。でもここはどこ?バスが通っている道路が見えた。そっちのほうへ、歩いて行った。バス停がすぐ見つかったが、3時台のバスが一本もない。「えー、どうしよう。でも、ここはどこ?」って困ってたら、ちょうど近くの自動販売機でおじさんがジュースを買っていたので、この人に聞くしかないと思って声をかけた。「このへんは、何駅が近いんですか?」「えっ、どっからきたの?」「あっちのほうから」「えー、山越えてきたの? あれーっ!!。 どこに帰りたいの?」「五日市のほうに」「だったら、この先の停留所があるから、そこで待ってったらいいよ。この停留所は、バス全然来ないけど、そこならここよりは来るから」「どうもありがとうございます」そして言われた道を歩いていくと停留所があり、時刻表を見るとちょうどそろそろバスが来る時間。あのおじさんにはほんとに感謝だ。武蔵五日市行きのバスが来た。バスで15分ぐらいで駅に着いた。

 考えてみると時間にして1時に出発して2時間半ぐらいの出来事だ。なんか、すごい長い時間山の中にいたような気がしたけど。結局、何も見ていないんじゃない。金毘羅神社は、どこにあるんだろう?上り坂の終点には何があったのでしょう?下り坂の初めがあリましたって感じ。かなり強引に始めた今回の山登りは、かなり強引に終わった。(ような気がする) アジサイ山の記憶より金毘羅山の方が強烈な思い出として残っている。これで、一応『アジサイ山』終わりにします。『金毘羅山』のほうがよかったかな。


武蔵五日市 アジサイ山 №2

2007年01月13日 15時08分18秒 | 山歩き

金毘羅山 上り坂編

では、昨日のアジサイ山の続きから

 アジサイ山入り口の看板が立っていたあたりから、急に動物のにおい(あれはきっと牛か豚だ)がしてきて、周りを見渡したが姿はない。でも絶対にどこかにいるはず。昔小学生の頃、田無の西原にスポーツセンターがあって夏はプール、冬はスケートによく行っていた。そこに行く途中のほんとにバス通りに面した所に牛を飼っている家があって、自転車でそこを通った時と同じにおいがした。あきらめて(あきらめるほどのこともないんだけど)歩きはじめたら、牛の鳴き声が聞こえてきた。やっぱりねー。

 アジサイ山を降りて、また道なりに歩いて行った。たぶんこの道を行けば金毘羅神社へ行けるのだろう。途中までは、アジサイ山のアジサイが見えているので他の人たちも歩いていた。道が急に上り坂になり始めた辺りから誰もいなくなった。でも少し歩いて行った。まだ、家が建っているので何となく安心だ。でも、誰も歩いてない・・・。「たぶん、普通の人だったらこの辺で引き返すんだろうな」「もし、誰かと一緒だったら、きっと引き返してるだろうな」とか思いながらも足は前に進んでいた。不安より期待の方が大きくて、どんどん歩いていた。家もなくなりほんとに山道になってきた。後ろを振り返っても誰もいない。「もしかしてこの道、工事作業用専用の道?」「歩いてるところ見つかったら、捕まっちゃうかな?」「でも、道があるんだから歩いていいんだよ」いろんなことを考えながら、でもまだ歩いていた。

 ずっと上り坂で、汗がダラダラ流れてきた。でも、結構元気だ。ガンガン登って行った。「もしかして、この道の終点は工事現場だったりして、そうしたら引き返してくればいいや」とにかくこの先に何があるのか確かめたかったのだ。目的が決まると一直線な私は、多少の不安を抱えながらも目的達成のためにどんどん歩いて行った。

 でも、歩いても歩いても歩いてもただ山道が続いているだけ。そして、誰もいない。「今この山にいるのは、私一人かな?」「ここで誘拐されたら、誰にも気が付かれないかも」「もし、がけ崩れが起こって道が寸断されたら、取り残されるな。でも、私がここにいること誰も知らないよな」いろんな“もし”を想像しながら「冒険家(・・・?)は、いつどんな危険な目に合うかわからない」とか「冒険家は、孤独にも耐えなければならない」とかわけの解らない冒険論を唱えながら、すっかり冒険家になりきっていた。ふと、前の林の中を見ると木の幹が見えないほど真っ暗でその場所は、ちょっと怖かった。走ってしまった、上り坂を。

 周りを見ると、結構上の方まで登って来ていることがわかった。もうすぐ、何かが見えるのか? ・・・すると、向こうから人一人が歩いてきた。若い男の子(学生?)だ。何なんだ。こんなところに。お互い様か。「この先は、何があるんですか?」「この先は、どこに出るんですか?」「どこから歩いてきたんですか?」何も聞けずそのまますれ違った。でも、誰か歩いている人がいた。彼もきっと冒険者だ・・・? これで、私のアリバイ(?)を証言してくれる人がとりあえずいた。山に取り残されることもないかも知れない。小心者の冒険家。久しぶりに人のぬくもり・・・?を感じ、「こんな変な人は私だけじゃないんだ。きっと冒険家は世間の人からは理解されないものなんだ」と、また新たな意味不明だけれど素晴らしい(?)冒険論を唱えながら、歩いて行った。

 すると、金毘羅神社の矢印の看板がありました。「あー、やっと着いた」矢印の指すほうへ歩いて行った。 つづく


武蔵五日市 アジサイ山 №1

2007年01月11日 22時45分05秒 | 山歩き

今日から、新しいシリーズを始めます。軽い気持ちで、アジサイを見に行ったのですが・・・。

武蔵五日市 アジサイ山 2006/7/4(火)

行けば何とかなるだろうと思って出てきたので場所がよくわからない。でもこういうところには絶対に駅の近くに観光協会があるって思ってるから。なんて、アバウトな・・・。でも、あった。早速、行って見るとすごい広い範囲の地図しかなくて、これではわかりづらい。中にいるおじさんに、「このへんで、2、3時間歩いて見るようなところないですか?」って聞いたら「今、ちょうどいいところがあるよ。アジサイ山っていって・・・(なんだらかんだら)」「へー、ちょうど良かった」とか言ったりして。「他にはどこかありますか?」「あと、金毘羅山の方をずっと行けばちょうど3時間ぐらいかな」と言って道の説明をしてくれました。「でも、道なりに行けば大丈夫ですよね」(せっかく説明してくれたのに)「ああ、道は一本しかないからね」「じゃあ、行ってみます。ありがとうございました」

 いよいよアジサイ山に向かって出発!なんだけど、1時。お腹すいた。これから、歩くのにこんなんじゃ駄目だ。駅のコンビニでおにぎり2個とお茶を購入。どこで食べるか?座って食べるところもないし、今すぐ食べたい。歩いている人は(周りに)誰もいない。歩きながら食べるしかない。旨い、おにぎり!一気に2個食べてしまいました。

 アジサイ山までの道は結構あった。でも、歩いている人には会わない。時々車とすれ違うだけだ。前にも後ろにも人の姿はなくずっと、一人で歩いていた。この日は、風もなく、何の音も聞こえてこない。家は何軒か建っていて人は生活しているようなのだが、生活の音も聞こえてこない。時々、鳥の鳴く声がするだけ。とても、不思議な感じでした。全てが止まっていて自分だけが動いているような。なんか他の世界に来てしまったような。この風景を写真に撮ってもきっとこの感じは、(私の腕じゃ)伝わらないだろうなーとか思いながら、それならどう書き表せばいいのかとか考えたりしながら歩いていた

 自然の中の自分はほんとに小さいなって思った。秋川の山々は天気のせいもあるだろうが、奥多摩に比べて落ち着いた感じがした。しっとりとしたこういう風景もいいなー。ここは、本当に東京? 歩いていると、湿気でじめじめしているせいもあり結構汗が出てくる。時々聞こえてくる川の流れの音は、涼しさを運んでくれる。所々に、アジサイ山の案内の看板が立っているので安心だ。

 アジサイ山入り口に到着。結構人がいる。みんな車で来てるんだな。山は、ほんとに山。私が登って行ったときには、周りに誰もいなかったのでアジサイ達は、私のためだけに咲いてくれているような気がした。すごい上の方まで植えられていて、きれいというより大変だっただろうなのほうが気になってしまった。青や紫やピンクや白のアジサイが一斉に咲いていた。アジサイの花の色って土に関係してるんだっけ?アルカリ性とか酸性とか。でも、なんであんなきれいな色になるんだろう。梅雨のじめじめした時期にほんとに気分が良くなる。みんな写真とか撮って楽しそうだ。アジサイには、こんな天気のほうが似合ってる。 つづく