
今回の展覧会は再来週には終わるもので、駆け込みに近い。そして陽気に誘われたように鑑賞客も多く賑わっていた。と言うか、家族連れが多かったのは意外だった。
前半は元々の旧朝香宮邸の美術品の展示。ガラス工芸のラリックなどの作品はもちろん、プールデルらの彫刻、絵画作品も未鑑賞のものがあって見応えあり。もちろん見応えと言う意味では内装にも目を見張るものがある。まだ庭園自体が公開になっていないため、その全景が拝めるベランダに出なかったのは失敗だったな。
別棟にギャラリーができている。特別展の本題の作品はそちらで鑑賞。絵画作品が中心+彫刻作品。ほとんどが宗教や神話をモチーフにした作品で、なるほどアールデコと言うモダンな芸術はむしろモチーフ的には古典主義に回帰していたのだとよく分かる。つまり俗っぽいモチーフを扱わない、と言うことで、鑑賞目的の芸術と言うより、やはり建築などと組み合わせ、空間の荘重さを演出し、その結果国家などの威厳を表すと言う、確かに2つの世界大戦の間で興った芸術なんだなあ、と納得する。
個々の作品うんぬんより、再開した庭園美術館のモダンヨーロピアンな雰囲気と、東京の春の陽気を楽しんだ展覧会。