カウリスマキ映画だから人情ドラマを期待したら、芯には人情ドラマでも母を訪ねて三千里的なサイドストーリー(こっちがメインかもしれないが)があったり、そもそも舞台がル・アーヴル(北仏の港町)ということでかなりオシャレなムードの作品。携帯を使っているから現代のはずだが、普通にアナログレコードプレイヤーが出てくるし。フランスに対する描き方も日本人並にステレオタイプで面白い、何かとアコーディオン演奏が出てくるところとか。
フランス人俳優もたくさん出演する中、Kati Outinenがここでもカウリスマキ作品の渋い味わいの要となっている、たどたどしいフランス語のセリフを操りながら。外国人が作ったフランス語映画なので、もちろん原語からストーリーが理解できることはなくとも時々原語のセリフが解せる、語学の勉強にもなる。風景も美しく、旅行映画としても佳作。
劇場は7割くらいの入り。先月のカウリスマキ特集みたいなマニアックな上映だとおひとりさまが多いが、やはり最新作のロードショーはカップルが多い(汗)。
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