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DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

平間至展@岩手県立美術館

アーティストフォトグラファー、平間至の展覧会。当然、お目当ては1990年代を一世風靡したアーティストたちのジャケ写コレクション。音楽をジャケ写という切り口で掘り下げてみたい。
フォトグラファーって、それ自体がアーティストではあるのだが、写真館三代目、ということが、よりこの人の興味深さに繋がっている(詳細は後述)。
基本的にロックアーティストのジャケ写なので、躍動感がやはり抜きんでてる。つまり、座ってポーズを取る写真館での撮影とは真逆のことをやっている(だから、フォトグラファーと写真館の写真家は別物、という思い込みがあったのだが)。まあ、写真館を継ぐことへの抵抗、ということらしい。
面白いのは、当時の流行り物でありながら、思い出として残る、という点が、やはり「家族の思い出」を撮る写真家を出自としている平間氏ならではのような気がする。後世に残る物を撮る、という姿勢が、昔のジャケ写を見て感じ取れる。
とは言え、彼が家族写真に本格的に取り掛かったのは渋谷系全盛期より少し後のようだ。
そして、東日本大震災。宮城県塩釜市出身で支援活動していた時の作品は、一気にダイナミズムがなくなり静的で、鎮魂の作風に変わる。
そして、写真館の写真家という家業に戻った時、家族写真にロックジャケ写のダイナミズムを復活させ、カッコ良くも家族の思い出として長く残る良い写真で、展覧会は終わる。写真のダイナミズムだけでなく、フォトグラファー、平間至氏のパーソナルヒストリーもとても豊かで、ジャケ写以上に魅力的であった。
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