
バルテュスの女性画にはモディリアーニ的な哀愁がある一方、かなり大胆なポーズもあり、スキャンダラスである。しかし彼は女性画が代表的ではある(そのせいか普段の絵画展より男性ファンが多い気がw)が、多作で風景画や物語の挿絵(エミリーブロンテ「嵐が丘」の挿絵なんてのもあった)にも観るべきものがある。
いわゆる印象派とか既存の会派に属さないのは、早くから東洋趣味があったせいかと思われるが(もちろん印象派にもロートレックみたいにジャポニズムの影響を受けた画家はいるが)、特に日本人女性を伴侶にした後期は浮世絵を画風に取り入れたり、かなり親日的な作風、モチーフになってくる。
それだけではない、風景や静物での侘びさびのある情景はハマースホイにも似ているし、近代絵画のエッセンスはバルテュスの中に全部揃っているとさえ言える。
そんな訳で久しぶりに画集を買った。これで帰宅後も鑑賞可能。