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HD DVDとブルーレイの規格争いはブルーレイ側の勝利に

2008年02月17日 07時30分30秒 | デジタル家電
皆さんおはようございます。

 以前からこのブログにて次世代DVDの座を巡りソニー・松下電器を中心とするブルーレイ陣営と東芝を中心とするHD DVD陣営が競っている模様をお伝えしてきましたが、AVWatchによると世界最大のスーパーマーケットチェーンを運営しているアメリカのウォルマートが現地時間の2月15日、ウォルマート4000店舗とオンラインショップにてHD DVDの製品は在庫の販売のみにし、今後はブルーレイ規格を主に取り扱う事を発表した模様です。


 この発表の影響があったかどうかはわかりませんが、ITmediaによると東芝は向こう数週間のうちにHD DVD事業から撤退する方針と見られているそうです。


 以前このブログにてお伝えしたワーナー・ホーム・ビデオがブルーレイ規格に一本化した時はまだHD DVD側にも挽回するチャンスがあったと思いますが、その後行った手段がほとんど効果が見込めない値下げ戦略のみだったことや、NIKKEINETによるとアメリカ市場で今年1月前半のブルーレイ規格ソフトの販売シェアが85%となり、さらに今回ウォルマートが主にブルーレイを取り扱うことになった上、iZa!によると日本でも昨年12月の次世代DVDレコーダーのブルーレイ規格の台数シェアが94.9%になった事を考えると、すでにHD DVDは「過去のフォーマット」になっていると思います。


 ただ、VHSビデオデッキの時代は録画時にビデオテープが必須であることから、メーカー側はビデオデッキの販売収入だけではなく、ビデオテープの販売収入も多く得ることが出来ましたが、現在はハードディスクを搭載したDVDレコーダーが主流となり、ある程度番組を保存する事が可能な上、録画して見た後すぐに消去することを繰り返す場合にはブルーレイディスクを購入する必要が無く、VHS時代ほどの売り上げが見込めないことや、現在は課金方法の問題もあり、普及していませんがインターネットを経由して直接動画をハードディスクにダウンロード可能になる可能性があること、さらにコピーワンスよりは緩和されたものの、制限が厳しいダビング10が存在することを考えるとブルーレイ規格がVHS時代のような利益を得る可能性は低く、各メーカーが消費者を巻き込んだ規格争いの勝利に見合うだけの利益が得られるかどうかについては疑問が残ります。


 個人的には東芝はかつて家庭用VTR規格でVHSとベータが競っていた時、ベータ側だったソニーがVHSが事実上の標準規格となった後もVHS規格のビデオデッキをしばらく発売しなかったようにHD DVDに固執しても、利益を得る機会を逸するだけで結局何の得にもならない可能性が高い事を考えると、当面はHD DVD規格の機種やソフトを生産しつつ、ブルーレイ規格のドライブを搭載したRDシリーズを発売したほうがいいと思います。




関連リンク
米Wal-Martも、次世代DVD規格をBlu-rayに決定(AVWatch)

東芝、間もなくHD DVDから撤退か(ITmedia)

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「次世代DVD、9割がブルーレイ HD-DVD引き離す」(iZa!)

ブルーレイディスクレコーダー(ソニー)

次世代ディスクのスタンダード-|HD DVDとは

RD-Style(東芝)

「ダビング10」に呼び方統一 JEITA(ITmedia)