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旅の途中

世界は1冊の本。 旅行と大学生の息子と仕事の話がメインのブログです

ああ、インボイス制度!(2)

2023-06-25 15:09:35 | 仕事の話
ああ、インボイス制度!(1)の続きです。


この制度のおかげで、忙殺されているので


前回同様、30年前のJK風文調で失礼いたします。



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前回は、「インボイス制度」は個人事業主や中小企業の方々にとっては、ビジネスを失う可能性があったり、消費税の負担が増えると書いた。


今回は、実際の企業の経理で何が起きているかってこと、ちょっと愚痴りたいんだ。



あのさぁ、



まず、大変なのは、企業の「経理」だけ じゃないんだってば。



知ってる?



会計システム会社のエンジニアさんが、



死にそうってハナシ?



「インボイス制度」の免税事業者(売上1,000万未満の事業者)の税区分を
新しく作成しなくちゃいけないから



まず、会計システム会社では、エンジニアがその対応にめっちゃ追われてるの。
ERPだと「販売システム」「会計システム」色々種類があるし、
外資系企業だと、カスタマイズと言って、その会社独自のやり方で
特別にプログラムを組んでたりするんだよね。


そうすると、また、プラスαで手間がかかんの。


企業の経理担当者以前に、システム会社がパニクッてる。
直接話を聞いてるんだけど、いくら、忙しくても短期的なものだからって、
人員を増やすわけにもいかないんだって。


そうすると、今いるリソースで、やりくりしなきゃならない。


エンジニアさん、休みも取れず、平日も、朝から深夜まで働き詰め。
過労死ライン、ギリギリ?
〇〇さん、ちょっとぉぉ、大丈夫~????って、ウチの会社の人がみんなで彼らの心配してるわ。


他のシステムの構築のプロジェクトが出てきて、打ち合わせをしたくても


「ハイ、今年は新規の打ち合わせは、組めないんです。ホントにすみません💦」って言われちゃう。



せっかくの、ビジネスチャンスよ。1,000万円越えの。
そういうチャンスも、今のシステム会社は受け入れる余裕なんかないの。


エンジニアのキャパを超えているから、その溢れた仕事は、カスタマーサポートセンターに流れてる。


何が問題かって?


カスタマーサポートセンターが繋がらないんだよ!


今までは、その日中に電話くれてたのに。日をまたいじゃう。


おまけに、インボイス制度で、サポートセンターでもわからない事案が続出して、結局エンジニアに確認してからウチラに回答する、「作業の手戻り」が頻発してんの。


こっちも、待ちぼうけよ💦


ここからは、経理の話。


システムの税区分の紐づけを手動で行ったり、(気が遠くなるわ)
お客様や協力会社様宛に通知文書送って、「適格請求書発行事業者登録番号」を新たにシステムに入力したり


まぁ、負荷が増えるよね。当然ながら。
こっちも人員なんて増やせない。
地味に、残業が増えるだけ。



それは、まぁ、いいとして。問題は「入金時の振込手数料負担」



下請法で定められても、実際は、まだまだあるの!
入金時の銀行手数料は、お客様負担でなく、未だに「受け取り側負担」という場合が。
売上金額から、銀行手数料を差し引いて振り込んでくる企業がさ~。


大手企業は、さすがに銀行手数料も負担する会社さんが多いけど。


古くからの商慣習だったり、その企業の方針だったり、するわけ。
今回、「銀行手数料」についても、インボイス制度が関係しているから、
振込先が銀行手数料を負担してくれないと、


ウチラも、お客様側も、「値引処理」という新しい処理が10月からプラスされんの💦


それを防ぐために、お客様にいちいち、「銀行手数料の負担をお願いします」と確認しなきゃいけないわけ。


何百社も顧客がいる場合、その手間、ハンパないよ?


しかも、先方が「だめだ」と言う可能性もあるじゃん!
例えば、たまたま不具合品が重なって、それでなくても、微妙な雰囲気なのに、そんな時に「銀行手数料払え」なんて言ったら


お客様、へそ曲げちゃうかも💦
取引先との数が多い企業なら、銀行手数料負担もバカにならないから。
それなら、オタクとの取引は、もう、止めましょう。なんてことになったら


どうしてくれんの??


必死にお客様との信頼関係を維持してきた営業に恨まれちゃうよ。。


そんなこんなで、


いろー---んな リスクを孕んでいるだよ、この「インボイス制度」





そこんとこ、お上、わかってんの!?








私も、経理のハシクレだからさ、基本的には理解しようと思ってるよ。
この「インボイス制度」



子供がどんどん減って、税収を何とかして上げたい、国を維持するには、どこかで痛みを伴わなきゃ。
それは、わかる。



企業側も、大変だと思うけど、まぁ、残業して、何とか頑張ってよ!
って、お上(政府)は思っているんだよね?



でも、当然、「インボイス制度」はこれだけじゃ、済まない。



2027年には、仕入税額の控除割合も80%から50%になるし(ちょっとこの説明は、今回は省くけど)
その時点で、また、経理側では負荷がかかるんだよね。



そして、アタシは思うんだ。



これはさ、きっと、将来的な消費税増税の布石になるんじゃない?



消費税が、3%、 5%、 8%、 10%と上がってきたように。。



ま、結局は、お上の言う通り、ウチラはやらなきゃいけないんだけどさ。



できるだけ、できるだけ、「想像力」働かせてほしいわ。



どんなことが、巷で起こるか、考えてよね!



激おこ、ぷんぷん丸!
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ああ、インボイス制度!(1)

2023-06-25 14:17:04 | 仕事の話
2023年10月から開始されるインボイス制度。


全国の企業の経理の方が、この制度のお陰で忙殺されています。
私も、非常にストレスが溜まってます!


腹が立っているので、今日は「30年前のJK風」の文調にて失礼いたします。



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この制度はさぁ、簡単に言うと


☆税率ごとに(10%とか軽減税率の8%とか)税額をきちんと表示させようね。そうすれば、消費税額を適切に計算できるよね(税額計算のミスや不正も防げる)


という消費税のルール変更のこと。
このルール変更って、どういうことか、簡単に説明すると。。


「請求書」は今までのモノじゃダメ。
「適格請求書」でなくっちゃダメダメ!


「適格請求書」っていうのは、税務署で適格請求書発行事業者の登録を行なっている課税事業者のみ発行できるの。


まずはねェ、税務署で登録しなきゃなの。登録すると「適格請求書発行事業者」となり
「適格請求書発行事業者登録番号」ってものがもらえるんだけど、
必ず、この「登録番号」を「適格請求書」に記載しないとダメ。
他にも、税率ごとの消費税額を記載したり、様々な要件を満たさないとダメ。


要件を満たさないと、何が起きるのか、って?


それはね「仕入税額控除」を受けられなくなるの。
企業で仕入する際に、色々な取引があるでしょ?


生産段階では原材料費、流通段階では輸送費に関して消費税が発生するんだけど、こういう各取引段階で、二重三重に消費税が累積するのを防止するための仕組みが「仕入税額控除」というの。


それを受けられないってことは、その分、高い税金を納めなきゃいけないってこと。


だから、みんな必死。
税務署に登録して「適格請求書発行事業者」にならなくちゃ💦



でもさぁ、この制度によって、困る人達もいるんだよね。
それは、年間の売上高が1,000万円未満の個人事業主や中小企業。
彼らは、「免税事業者」になるので、「適格請求書」を発行しなくても良いんだけど。。


売上高が1,000万以上の企業は、みんな「適格請求書発行事業者」になるよね?
消費税の納付額は、キホン


「売上でお客様から預かった消費税(仮受消費税)- 仕入等で払った消費税額(仮払消費税)」という計算式で算出されているから


仕入等で「免税事業者」に消費税を払ったとしても、その額は
「ノーカウント」
になっちゃうらしいの。


消費税1,000円預かって、500円仕入先に払ったら、残りの500円の消費税を
最終的に納めればいいところを、


消費税消費税1,000円預かって、0円仕入先(免税事業者)に払ったら(ノーカウントだから)、納める額は1,000円になっちゃう💦


だから、企業は、「免税事業者」と取引するのをためらっちゃうわけ。
だって、消費税を余計に払いたくないじゃん?


そうすると、免税事業者にとっては、仕事を失うかも知れない。
ビジネスを失う原因になるかも。
極端な話、失業しちゃう、ってことも、あるかも知れない。


それを防ぎたければ、「消費税課税事業者選択届出書 」を税務署に届け出れば、「適格請求書発行事業者」になる事は可能なんだけど、


今度は、今まで免除されてきた「消費税」を他の企業と同じように
支払う必要が出てくるの。
それは、明らかに「負担」となってしまうんだ。


だから、個人事業主の方々にとっては、本当に大変な制度なんだと思うんだ。。


ちょっとぉぉぉ、ひどくない????


【ああ、インボイス制度!(2)へ続く】

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「運命を楽しみなさい」

2023-06-11 23:42:31 | 母さんの日常
雑誌STORYの林真理子さんのエッセイが好きだ。



彼女の小説は初期の「葡萄が目にしみる」でリアリティのある文章に惹かれ、そこから、彼女の小説は殆ど読んできた。
当時のエッセーはドギツくて、食傷気味だったが
直木賞を受賞した短編小説「京都まで」はすごく好きな作品だ。



恋愛の華やかさ、甘い香り、京都の町の妖艶な美しさと擦り傷のようなヒリヒリとした痛み、恋愛の全てを味わう事が出来たあの短編小説。
「京都に住んでみたいなぁ」そう憧れるきっかけとなった作品だった。



その林さんも、44歳で子供を産み、そこから母親業と仕事の両立が始まる。
アグネス論争で相当とんがった意見を言っていた彼女。
自分が子供を産んでも、同じ意見でいられるのか?
きっと多くの人が、意地悪な目で彼女の生活を見ていたに違いない。
あんなことを言っていたくらいだから、さぞかし、仕事も子育ても完璧にやれるのでしょうね、と。。



小説家としても、頂点を極めてしまえば、後は落ちるだけ。
発表する小説は、前回のものよりも面白くなければならない。
そうでなければ「林さんの書くものは、子供が生まれたことで落ち着いてしまった。」などと批判されるであろう。



人々の好奇な視線、良い作品を作り続けねばならないプレッシャー、
少しでも気を抜けば、あっという間に奈落の底へ落ちていく
そんな暗闇の誘惑にも負けずに、彼女は次々と名作を生み出していった。



そんな彼女の連載の中に、素敵な言葉をみつけた。





「運命を楽しみなさい」




「最後に幸せと思える人生に向けて、今、選択する。」




「人生の終わり方で、今までの努力の結果が出る」







人生、良い状況だけなのであれば、簡単に楽しめるだろうけど



好ましくない状況も「楽しむ」のか。。これは、ツライ💦



何よりもまず、今の自分の前に置かれている状況を、「運命」なんだと丸ごと受け止める。



これだけでも、結構しんどいですぜ。



林さんは、夜遅く寝て、朝早く起き、睡眠時間は3,4時間の日々を何年も続けたらしい。



幼稚園ではバザーのために縫物をして、先輩ママのためにコーヒーを買いに走り



子供がいなかったら、絶対に味わう事のなかった苦労の連続だった。





それでも、今、幸せであると。





自分の今を振り返ってみた。



どんどん激務になる仕事も



すぐ油断して、勉強のディスカウントをしようとする息子も



そっか。



これは、私の運命の一部 なのだとすれば



もう、半ばあきらめて



丸ごと受け入れるしか、ないんだ。



もともと、決まっていたかも知れない「運命」なのであれば



嘆いても仕方ない。



私の仕事は、忙しいのが当たり前なんだ。



私の息子が宿題をぎりぎりに始めたり、すぐに「油断」しちゃうのも、彼の「運命」なんだ。



きっと、変わらない。



さぁ、そうと来れば、私も逃げずに、自分の出来ることを しっかりやるしかない。




最近は、息子に頼られても、敢えて「見て見ぬふりをしていた」事も多かった。



息子の食べるものについても、お惣菜を買ってしまったり、結構、テキトーだった。



彼が巣立っていく時期は、いずれ、必ず やって来るというのに。



私は



「忙しい」を免罪符にしすぎていたな。



「最後に幸せと思える人生」に向けて、出来る限り、やれることは、やろう。



それがきっと「運命を楽しむ」って事に繋がっていくのだろう。



どこまで出来るか、わからないけど。。
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