音楽が好きでライブなどで演奏している人はいつか自分のオリジナル曲のCDを作りたいと思っているでしょう。
私にとって自分の楽曲とは…『我が子』同然の物だと思っています。
苦労して産みだした世界にひとつだけの自分の曲。
我が子(曲)を大事にしない親などいないとは思いますが…。
あと何曲か出来たらアルバムとして5曲入りのアルバムを作りたいとか…
とりあえずデモ音源としてCDを配りたいとか…
CDを作る目的は人によって違うと思います。
CDを作るという事は…言わば子供を育てるのと一緒。
育てていくのですから楽な事ではありません。
私が思いますに…プロの方はある程度楽曲を育ててから世に送り出します。
それが市販されているCDという物だと私は解釈しています。
何度も試行錯誤を繰り返し…
アレンジの変更や歌詞そしてメロディの変更などもあり…
最終的に納得した状態でレコーディング。
自分の子供なんだからこれくらいの苦労は辛いうちには入らないはず。
せっかくこの世の生を受けた自分の曲をカタチに残さないのは…
私からしてみると…
『育児放棄』に等しいのです。
子供を車の中に放置して自分はパチンコしている親のようなものだと私は思います。
結局…楽しいのは自分だけなのですよ。
子を持つ親ならば…子供を育てるのが親の義務ではないでしょうか?
『いつかはCD作りたいと思ってるんだけどね~』
とか思っているうちはまだマシです。
少なくとも子供の将来を考えているのですから。
CDの作り方などはネットで調べたりミュージシャン仲間に相談したり…
手段はいくらでもあります。
完璧なオケを作ってレコーディングしても良し…
ギターと歌だけで作っても良し。
CDを作るメリットしては…
音源があればライブハウスのオーディションとかも受けられるし…
ラジオとかでも流してもらえるし…
何より…自分の『名刺』代わりになるという事です。
言わば自分の分身なのです。
ネット配信とかの手段もありますが…それは『形』が見えません。
どんな人が買ってくれたのかも分かりません。
買ってくれた人の顔を見ながら手渡しで販売できるCDの方が…
今の時代では古く感じるかもしれませんが…
私にとっては温かく感じます。
30分のライブで3~4分の曲を5曲演奏したとして…
お客さんの心の中にどれだけその曲が残っているのでしょうか?
『あ…この曲いいな♪』
『この曲…また聴きたいな♪』
って思ってくれる人は必ずいます。
そんなお客さんのために…3~4分では聞き取れなかった歌詞の全容や…
バンドの情報…ホームページや次のライブ情報などが分かるフライヤーやCDが有効な手段なのです。
『たくさんの人に自分の曲を聴いてもらいたい!』
『この曲に託した思いを伝えたい!』
そんな気持ちがなければ…ここまで私が書いた事は全て意味を持たなくなります。
オリジナル曲を作ってて…人に聴かせる気のない人も同じです。
人間の記憶とは印象に残った事はなかなか忘れません。
逆にどうでもいい事はすぐに忘れてしまいます。
『記録を残す』
という苦しくて細かくて辛い作業を怠ったばかりに…
自分の子供の存在の記憶が時間が経つにつれて薄れていきます。
やがてその子供を産みだした親さえも…
自分の子供の存在を忘れるような事があったとしたら…
それはすごく寂しい事だと思います。
Eiichiro