今年も暑い夏になりそうです。
あの強い日射しの攻撃をどのように防ごうと思われていますか?
頭は帽子をかぶる。
腕は、腕用手袋を使う。
もっとも無防備な状態になる首筋は、どのように守りましょうか・・?
そこで、お勧めなのが夏用マフラーです。
暑いのにどうしてマフラーなんかするの!ってお考えですか?
これがとても効果的なんです。
夏用マフラーやショールは、コットンや麻を材料にして作りますから、汗をかいたときには、汗を拭くことができますし、その後は、洗濯して清潔に使えます。
さらに、夏のおしゃれとしても、高い効果が狙えます。
こんな提案がしたくて、久しぶりに夏用ショールを作りました。
その様子を、話題にしたいと思います。
1.道具と素材について
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/7a/174fc62b0e481c01b38f98322db3576a.png?1618880642)
先ず、道具は機織り機を使います。
機織機と言うと、部屋いっぱいの大きさを考えますが、現在は、卓上に置いて使えるコンパクトな織機があります。
机や作業台に置いて、手軽に作業が出来ますのでお勧めです。
私が使っているのは、オープンリードの織機です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/04/c779e0fc496ecf73fc85c93aaeeb97f8.jpg)
画像は【楽天市場】手織り機40㎝Clover咲きおり 参照資料
卓上式 オープンリードです。大きさとして幅40㎝と60㎝があります。最初だからと40㎝を選びましたが、ショールなど幅広の物を作りたくなり、60㎝が必要になりました。最初から60㎝を選ぶ方が賢明です。
道 具
織機:卓上式 オープンリード Clover 咲おり 40㎝
ソウコウ:30羽
材 料
糸:中細混紡糸 5玉
サイズ
織りサイズ:幅36㎝×長さ160㎝(房の長さ10㎝×2は含まない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/1d/8d62d2bcbe5637421b854e41cdb1c6b6.png?1618883302)
2デザインは透かし織りを模様にする
夏ですから暑苦しいデザインは、避けたいと思います。
肝心の首筋の周りをしっかり覆い、日射しを避けることと汗取りを目的にデザインを考えます。
首筋の周囲の織り地は、平織りで織り、それ以外の部分は模様が重なって厚地にならないようにします。
選んだ模様は、透かし織りです。
上記のサイズの全体図で模様の部分に、透かし織りを入れていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/a5/72d8cab74c0ab99d7e7c38fd3d83431d.jpg)
完成した作品です。
この模様を主に考えて織っていきます。
3.制作過程
1.道具と材料の画像で、使用する物を明示しました。
整経台・30羽ソウコウ・シャトル・クシ・スティック・ワープスティック・マジックテープ・ハサミ・定規・・・
たて糸とよこ糸の必要量を計算してみましょう。
⒈たて糸
①たて糸:中細混紡糸
②密 度:30羽ソウコウの場合は3本/㎝
③たて糸の本数:36㎝×3本=108本
④たて糸の長さ:160㎝+50㎝(ムダ糸)=210㎝
210㎝×1.1(縮む分)≒2.4m
⑤たて糸の量:2.4m×108本=259.2m
⑥たて糸は整経台の穴、中央の穴からサイドの穴は20㎝ サイドからサイドまでは40㎝の長さとして、1本210㎝の長さで108本かけます。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/2a/1fc93caaf648151b45cf7bae0fafd12d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/49/f1de2cd2c51090ea1e5386bec6d2ed95.png)
↓
●ソウコウから中央の穴まで20㎝+中央の穴からサイドの穴まで20㎝
●スティックのサイドからサイドまでの長さは40㎝
1図は、1本のたて糸の長さを(20㎝+20㎝+40㎝+40㎝+40㎝+40㎝
+40㎝)を示しています。
2図は、たて糸が全てかかった状態です。
この時、たて糸の端はオレンジ色のホルダーで挟み込むようにフロントローラーに取り付けます。
竿ソウコウからフロントローラーに取り付けたたて糸の張りの強さは、均等にします。
たて糸がかかったら織り始めましょう。
2.よこ糸
①よこ糸;中細混紡糸
②密 度:35段/10㎝(平織りの部分)
③よこ糸の段数:140㎝×35段=490段(平織りの部分)
19段×2か所=38段
490段+38段=528段
④よこ糸の量:幅36㎝×528段≒191m
191mk×1.1=210m
3.よこ糸の織り方
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4![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/80/ccb4d8f18511d4b92459e9fa45acc330.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/3a/7e4e4f364fc21bb6cd45996f32248eb3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/80/ccb4d8f18511d4b92459e9fa45acc330.jpg)
↓
①フロントローラーと織り始めのソウコウの間の5㎝ほどのたて糸は、房になる部分です。
②棒状に折った紙をたて糸に通して、たて糸と一緒にフロントローラーに巻き込みます。
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6![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/60/d8bf22e1aa6dfe020c76a68dde08c39d.png?1618900558)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/ed/5406ecea82c0d5eddec9ff831e56d346.png?1618900400)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/60/d8bf22e1aa6dfe020c76a68dde08c39d.png?1618900558)
③織り始めます。
ほつれ止めを別糸で3段織ってから、中細混紡糸で平織りを5㎝織ります。
※平織りの部分は、強く打ち込み過ぎないようによこ糸の密度に注意します。
打ちこみが強すぎると糸の間が狭くなり、途中で糸が足りなくなり、出来上がりサイズが短くなります。
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8![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/9b/aac7071943488d9caf24bbff838f3da2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/d7/893dd7bcfcb0d8f966a61933bf8b8232.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/9b/aac7071943488d9caf24bbff838f3da2.jpg)
④5㎝の平織りの最後は、一番右のたて糸がよこ糸の下を通っている状態で終わらせます。
⑥最初の透かし織りを織ります。
透かし織りは、隣り合う2本のたて糸を絡めて、模様にします。
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10![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/98/518ff3911334b3b32004831002d07915.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c7/e8dc1276d4f872e3a2d3e15b45b16b9d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/98/518ff3911334b3b32004831002d07915.jpg)
⑦最初の透かし織りは、1本右回りで絡ませます。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/06/c62761bf1e01c15162c580bfe33a2f8f.png?1618930278)
●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。2番の糸が1番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを2段織ります。
⑧2番目の透かし織りは、1本左回りで絡ませます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/1f/ce8d4e3960df91eb11313a8a5087a492.png?1618931169)
●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。1番の糸が2番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
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12![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/ce/5ef7e86f87cc25e3ace5ed9277b285e8.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/ce/5ef7e86f87cc25e3ace5ed9277b285e8.jpg)
⑨3番目の透かし織りは、2本右回りで絡ませます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/53/96ca8abd5539a3692d5ff45178b38192.png?1618931865)
●1,2,3,4の4本並んだたて糸で1組の模様を作ります。
3,4の糸が1,2のの糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
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14![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/29/74d71b760931ce58fa95b112a6f5fa5f.png?1618901637)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/5c/fe2c305e6bba327234e344437b0d2699.jpg)
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⑩この後は、⑧を織り、最後に⑦を織りますと透かし織りの1模様ができました。
⑪透かし織りが終わると平織りを110㎝織ります。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e4/ef68df0fe4b3c376d4012a811e6a6244.png?1618901730)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/9a/68f6fbce6be72c85a0eafc0c273bca5f.jpg)
⑫ ⑪の平織りが終わると2個目の透かし織りを、⑦、⑧、⑨、⑩の手順で織ります。
⑬片方の透かし織りが終わると、平織りを25㎝織ります。
ここで、本体は出来上がりました。
⑭残ったたて糸をバックローラーから切り離します。
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18![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/3a/636433c1d46d4725ecda7326ca6d4c9a.png?1618902408)
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⑮ショールが整経台から、切り離されました。
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20![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/d9/384f1d16a109ba62f0cbd5483c8f5d17.jpg)
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⑯房を整えます。
房は4本ずつのネクタイ結びで整えます。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/1a/a21d4a30e54a376652a2e03ee159c341.jpg)
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⑰全ての房をネクタイ結びをしたら、10㎝の長さに切り揃えます。
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⑱房ができました。
⑲最後は、柔軟剤を加えた40℃のお湯に30分つけ、ネットに入れて脱水してから、乾かします。
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⑳仕上げに軽くアイロンをかけて、整えます。
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💮夏糸ショールが出来上がりました。
強い日射しに、この一枚が大活躍することでしょう。
日射しから皮膚を守ると共に、汗を拭いても大丈夫です。
混紡糸で仕上げていますので、洗濯も大丈夫です。さらに、生地が柔らかくなり、使い心地が一層よくなることでしょう。
洗濯は優しく手洗いをしていただき、仕上げにアイロンをあててください。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/cb/a9f172ea2d8188cb07e142ab8499e4b2.jpg)
この夏糸ショールは、Marchel マルシェルに出品します。
お値段は、送料込みで6000円です。
お母様へのプレゼントにも最適かと思います。