太陽の国 メキシコで

メキシコでの生活、育児、仕事など、書き綴ります。

グアナフアト州の治安

2019-06-02 | プライベート

 

グアナフアト州は数年前までほとんど犯罪が無く、メキシコの中でも治安の良い地区でした。
しかし、石油を盗んで資金にしているカルテル同士の闘争や、外国企業の増加で外国人が多くなったことで、治安が悪化していったそうです。(外国人が犯罪を起こす訳ではなく、外国人=金持ちと思っているため、外国人を狙った犯罪が結構多いです。)


5月30日でちょうど一年経ちましたので、時効?ということで、長年メキシコに滞在していて、初めて体験した犯罪について書きたいと思います。


メキシコは治安があまり良くないと言われてはいますが、モンテレイでは15年以上住んでいて一度も犯罪に巻き込まれていなかった私は、それほど危機感も持たずにモンテレイに居た時と同様の犯罪警戒レベルでここグアナフアトで暮らしていた訳です。

 

そして、忘れもしない去年の5月30日に、会社帰りの車の中で強盗に遭いました。
まだ真昼間のように明るい午後7時15分くらいでした。
大通りで車を運転していて、信号が赤になったので、車を止めて信号が変わるのを待っていた、その時。右側の窓がコツンとなり、その直後に窓ガラスが全て砕け散りました。


何があったのか、わからないままポカンとしていると、18歳くらいの青年が、窓から腕を車内に入れて、助手席に置いていた私のカバンを持っていこうとしていました。
咄嗟に、空いていた右手で、カバンを掴み引っ張り合いになりましたが、あちらは両手で引っ張っていたため、負けてしまいました。
私の大事な物がたくさん入っていたカバンでしたので、咄嗟に車から降りて犯人を追いかけ始めましたが、相手は二人組でバイクで角を曲がってしまい、また車を放って遠くまでいけないためあきらめて車へ戻りました。


なんとその場所は、交番が斜め向かいにあり、周りには目撃者が山のようにおりましたが、誰ひとり見向きもせず、たまたま6人くらいの警察官が乗っているパトカーが横切ったので、両腕を思いっきり振って、アピールしました。
すると、一人の警官が近づいてきて、状況を見て何が起こったかわかったようで、何も聞かずにただ、近くの連邦検査庁(PRG)のオフィスに行くように言われました。
誰だったか、どうしたのかなど詳しいことは何も聞かれませんでした。
何だか犯人の知り合いかも、と思いました。


カバンごと取られてしまいましたので、たまたま運転席の近くに置いてあった携帯電話だけしか残りませんでした。もちろん、お金は一銭も無し。
とにかく、すぐに自動車保険会社に連絡をして来てもらい、その後2つの銀行に電話をしてカードの利用を止めてもらいました。


たまたま近くで旦那も子供たちも空手に来ていたので、そこまで行って事情を話しました。
娘は夜連れて歩かない方が良いということで、旦那と娘は家に帰り、息子が検察庁オフィスまでついて来てくれました。


待合室にはたくさんの人がいて、皆犯罪の被害者でした。
バスの中で集団強盗に遭ったおばあさん。
路上で暴力を受けたおじさん。
買い物中に車ごと盗まれたおじさん。
暴力を受けたお姉さん。
などなど、色々な被害者がいました。

お金がありませんでしたので、食べ物も水も買うことができず、お金がないことの辛さを少々実感しました。

午後8時から4時間待って、夜中の0時過ぎにやっと対応してもらえました。
そこで、状況記録書をもらいました。この正式文書により、パスポート、ビザ、銀行カード、自動車免許証を新規発行してもらえます。
翌日仕事を休んで、まずは車を運転するために、免許証を取りに行きました。
(銀行カードもお金もありませんでしたので、旦那から手続き料を借りました。)
モンテレイの免許証を失くしてしまいましたので、グアナフアト州の免許証の新規発行となったため、筆記試験、技能試験がありました。試験はどちらもギリギリだったと思います。
何とか免許証を手に入れましたので、その後二つの銀行に行きました。
こちらも何とか再発行してもらい、とりあえずは生活できましたが、外国人としてパスポートとビザは必須です。こちらも何か月も掛けて何とか取得しました。


これまでのメキシコ生活にて、パスポートとビザを紛失することを一番大変なことと思っておりましたが、その心配がとうとう実現してしまい、今ではもう心配が無くなりました。そうして、大切なものをたくさん失くして、またやり直してみて色々なことを学びました。
この体験に基づいて現在気を付けているのは、以下の通りです。


1. パスポートとビザの取扱い

まず、モンテレイでは、パスポートとビザは現物を持ち歩かなければなりませんでしたが、グアナフアト内ではどちらもコピーで良いことを、領事館の方と移民局の方に確認が取れました。
現在はコピーを持ち歩いています。大体の手続きは免許証で行っています。どうしても必要な時だけ、パスポートとビザをしっかり腰巻に隠して持ち歩いています。

  2.カバンの置き場所
助手席には、絶対カバンを置かない。必要最小限のもの以外は、すべてトランクに入れる。
(足元に置いていて盗まれているケースがあるので、トランクの方が良い。)

  3.車内に置いておくもの
 車のグローブボックスの中に、緊急時の電話番号のリスト(家族の番号、自動車保険会社の番号、銀行の番号等)、紙とボールペン、少しのお金を入れておく。
今回は携帯電話が残ったので、良かったですが携帯電話も取られた場合、電話番号がわからないと何処にも連絡を取ることができません。調べればわかる他の番号も、いざという時に探さずにすぐに使えるようにしておいた方が便利です。

 4.車で走行する車線
 今回は、三車線の一番右の車線に路上駐車の車が沢山あり、真ん中の車線を走っていました。実質一番右側でしたので、バイクや自転車が沢山通るため、被害に遭いやすいです。一番左側の車線は、バイクがほとんど通りません。
ということで、今はできるだけ、一番左側の車線を走るようにしています。

 5. 信号待ちで停車時には、注意を払う。
 人通りや自転車、バイクの通りが多い道路で停車する際には、バックミラーやサイドミラーにて車の周りをしっかり監視しています。
合間に携帯電話を使ったりなど全くしていません。
 
 6.停車する時の車間距離
領事館にパスポートを取りに行った際にも領事館の方からアドバイスされましたが、前方の車と十分な車間距離を取る方が良いです。
不審な人が近づいても動く余裕があります。

ということで、現在は以上の点に気を付けています。
それから、後でわかりましたが、その大通りではすでに二人組のバイクの犯人に何人も被害にあっているそうで、その中には日本人の方もいました。
長い棒の先に先のとがった刃物をつけた道具で、窓ガラスを突いて、穴が開いた所で、腕で窓を割る、と言う手口でした。バイクで車の横を通りながら、車内を確認して犯行に及ぶようです。


お蔭様でその後1年間、他の犯罪にも遭わず平和に過ごしております。
これからも引き続き気を抜かず、できることは気を付けていきます。

 

 



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