太陽の国 メキシコで

メキシコでの生活、育児、仕事など、書き綴ります。

メキシコの社会保険の活用(社会保険病院・診療所)

2009-06-22 | メキシコ
メキシコ社会保険庁(IMSS)のサービスは、低所得者層向けのサービスということで、メキシコ在住のほとんどの日本人の方が利用していないのでは?と思いますが、実は私は結構利用させてもらっています。(単に貧乏人だから???)
今回はその利用内容をまとめてみました。

メキシコでは基本的に公務員を除く労働者は、社会保険に加入することが義務付けられているそうで、保険料は労働者が70%くらいを支払い残りは雇用主と国により一部援助されています。
給料からそれなりの保険料が引かれている訳ですから、私たちとしては提供されているサービスは必要であれば利用する権利がある訳です。
ただこのサービスは『低所得者層向け』と言われるだけあり、無料なのでそれ故のサービスだと考えられています。(恐怖を与えられるような実話もよく耳にします。)
実際に自分で色々と見たり聞いたり体験してみると、その通り危ないなー、不便だなー、という部分もありますし、無料の割りに良いサービスで便利だー、という部分もあります。
ですから、私としては利用価値があると思われるサービスであれば社会保険を利用し、より安全性や正確さ・効率などが要求される場合には、その必要性にあった私立の機関を利用するようにしています。

ちなみに私が利用している又は利用したことのある社会保険サービスは、IMSSの保育所(無料)、健康保険(IMSSの病院・診療所(無料))、年金積立、Infonavit(労働者用住宅供給プログラム)です。
その他にも労災保険、失業保険などなどありますが、今の所は利用していません。

私はメキシコに来て以来、常にどこかの企業で勤務していますので、入社と同時に自動的にIMSSに加入され、年金積立と住宅援助の積立も始まります。
勤務年数が経てばそれぞれの額も増加していきます。

それから社会保険病院ですが、ただ加入しているだけでは利用できません。別途該当する診療所に登録をしなければなりません。
まず最初に私がIMSSの病院に登録することになったのは、子供を妊娠した時の産休手当ての申請のためでした。
基本的に産休手当てはIMSSから支給されますので、もちろんIMSSに加入し、該当の診療所に登録されていなければなりません。
必要書類を提出してその日のうちに登録されます。

私の場合、産休手当てをもらうためには社会保険病院に通わなければならない、ということを全く知らなかったため、産休開始ギリギリに登録をしました。
本来であれば、妊婦講習を何度も受け、担当医による診察を何度も受け、歯科医にも診てもらい、予防接種も余裕を持つ、というプロセスが必要なのですが、私の場合には、期間が短かったため講習も2度のみ、歯科医の診察なし、担当医による診察3回のみと予防接種だけで、免除してもらえました。何処ででもこのような融通を利かせてくれる訳ではない、ということは後になってわかりました。私自身、引越しの関係でこれまでに3つの診療所(診療所#3、#19、#66)を経験していますが、診療所#3はその中でも対応が良く、それほど要求が厳しくなかったので、妊娠中にこの診療所(#3)に当たったのは本当に幸運でした。
他の診療所では恐らく融通を利かせてもらえず産休手当てがもらえなかったことでしょう。。。

ギリギリで何とか数日遅れで産休が取れ、出産前42日間弱、出産後42日間の産休がもらえました。(実際には、出産が少し早まったので、出産前は更に短くなりましたが、出産後は固定の42日間)
産休直前に担当医に診察をしてもらって、産休許可書をもらいます。
それを会社に持って行き、その後指定の銀行にその紙を持っていくと給料の全額(税金は引かれません)を払ってくれました。(ただ最近出産した方の話では、産前・産後で半分ずつとのことでした。場所の違いか時代の違いか、それとも私の記憶が間違っているのかわかりませんが。。。)
とにかく、この時にはIMSSからは産休手当てという恩恵を受けました。

また、妊娠中に夜に頭痛がひどく具合が悪くなった時に、市販の薬が飲めませんでしたので、真夜中にIMSSの診療所の救急処置室を利用しました。待っていた人が結構いましたが、私の場合我慢できる状態でしたので、それほど苦も無く30分ほど待って対応してもらいました。当直の先生に診察をしてもらい、注射を打ってもらって、薬を処方してもらいました。
ということで、ひどい症状ではなく、何か単純な症状で、多少待てるような状態であれば、IMSSの救急処置室を利用しても問題ありませんでした。

少し心配な症状だけれども朝まで待てる場合には、個人の専門医に行くようにしていて、症状が重く緊急性を要する場合には(お陰様で今まで利用したことがありませんが)、有名な私立病院の救急センターを利用するつもりです。

ちなみに、IMSSの診察は無料、個人の専門開業医の診察は、300ペソ~600ペソ(2,000円~5,000円くらい)、私立病院の救急センターでは1回の利用で、3,000ペソ(20,000円)以上はかかります。
私たちの場合には、高額医療保険に入っていますので、免責約1,600ペソと10%の費用を負担するだけでその他の費用は保険でカバーされます。
無料とはいきませんが、かなり医療費が削減されますので何かの時にはとても役立ちます。しかし、保険料の支払いは厳しいです。

また、IMSSの診療所では定期健診として、身体測定、血圧・コレステロールの測定、予防接種、成人女性の場合には、子宮頸がん検診、触診による乳がん検診、予防接種を無料でしてくれます。定期的に予防診療室に行って実施してもらいます。(基本的に予約なしでいつでもしてくれるのですが、ここの看護婦さんが勝手に休憩を取ったりして居ないことの方が多いので、できれば前もって電話をして時間帯を確認したり、必要な予防接種があるかどうか確認しておくようにしています。)

それからうちの息子は出生後から予防接種はほぼ全てIMSSで打ってもらっています。(何本かのインフルエンザ予防接種以外)
私と旦那の必要な予防接種も打ってもらっています。

また子宮頸がん検診を25歳以上は基本的に2年毎、触診による乳がん検診を25歳以上で毎年、実施してくれます。
前回の子宮頸がん検診で実は少し引っ掛かり、担当医の診察を受けるように言われました。
予約を取って診察を受けた所、治療として10日間処方された薬を使用するように言われ、薬をもらって使用しました。
この治療で特に問題はありませんでしたが、次回からはIMSSの検診でもし何か引っ掛かった場合には、すぐに私立の病院で再検査をしてもらおうと思っています。
それから乳がん検診も触診だけでは心配なので、私立の病院で別途マモグラフィーを撮ってもらおうつもりです。

なんと言ってもIMSSの病院・診療所は無料で経済的ですが、予約制で何週間も待たないと診察してもらえない、とか、緊急で入っても人が多いためにかなり待たされたり、スタッフの対応が悪い場合が多くイライラさせられたりします。
ですから、私はこれらの利点と不利点を天秤にかけて、状況に応じて、複雑な処置の必要ない健康問題や予防診察などはIMSSを利用し、その他の複雑なものは個人の開業医や私立病院を利用する、というように使い分けています。

次回は、メキシコの社会保険によるIMSSの保育所に関してコメントしたいと思います。


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4 コメント

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Re: 現地就職の民間医療保険 (eri)
2014-04-23 12:48:06
Nikaさん
準備の中で色々疑問・心配事も湧いてくるかと思います。
現地の情報で何かお手伝いできることがありましたら、またご連絡下さい。
来墨準備頑張って下さいね!!
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Re: 現地就職の民間医療保険 (Nika)
2014-04-22 17:13:12
早速のご回答有難うございます!

軽度な症状であれば私立病院でも安く治療してもらえるのですね。てっきりどのレベルの症状でも費用がかなりかかるものと思っておりました。

滞在期間は数年となる見込みですが、確かに長期で申し込むとかなりの高額になり現地採用者にとってはかなり痛い出費となるので、試しに短期間申し込んで様子を見るのは良いアイディアですね!現地採用者の大部分もIMSSと高額医療保険の方が大半なのですね。

なかなか情報がなく困っていましたので、とても参考になりました!有難うございました!
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Re: 現地就職の民間医療保険 (eri )
2014-04-20 07:17:54
Nikaさん、コメント有難うございました。
ご質問の件ですが、会社で高額医療保険に加入してもらえるのであれば、日本の海外旅行保険に加入する必要はないのでは?と私は個人的には思います。
もし、メキシコでの滞在が数年とすでに決まっているのであれば、海外旅行保険に加入しても良いかと思いますが・・・。
風邪や腹痛などの経度な症状であれば、私立の病院や診療所で安く治療してくれますので、出費もそれほど多くありませんから、そこまでカバーする必要があるかどうかは個人の基準になるかと思います。
滞在期間のほぼ決まっている会社の駐在員の方は現地の高額医療保険ではなく日本の海外旅行保険に加入していますが、現地採用者の大部分の方はIMSSと高額医療保険にのみ加入しているかと思います。
ただどうしても心配であれば、メキシコに来る前に日本で1年分の海外旅行保険に加入して様子をみて、必要なければ更新せず、必要性を感じれば更新する、というオプションもあるかと思います。
他に何か質問がありましたら、ご遠慮なくお知らせ下さいね。
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現地就職の民間医療保険 (Nika)
2014-04-18 18:10:12
大変参考にさせて頂きました。

今年からメキシコでの現地就職を控えているのですが、医療保険加入是非、加入の場合の種類について悩んでいます。お分かりの範囲でアドバイス頂けますと幸いです。

会社からは高額医療保険も提供されるのでIMSSと合わせて利用できる予定です。ただ高額医療保険は複雑な処置の必要ない風邪や腹痛等の軽度な症状の診察向けではないと伺いました。そこでそのような軽度な症状
の際にIMSSではなく私立病院にかかりたい場合、メキシコあるいは日本の海外旅行保険のどちらに加入するのがベストでしょうか。またお勧めの保険プランなどご存知でしょうか。現地就職の方は一般的にどのような医療保険に加入されているかなど合わせてご存知でしたら教えていただけますと助かります。

よろしくお願いします。
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