メンデルスゾーン19歳頃の作品。ロ長調の無言歌風のゆったりした前奏に続いて、ロ短調の「プレストアジタート」が展開される。前奏の「アンダンテカンタービレ」は右手の旋律と左手のベース音に加えて、16分音符の左手と右手の掛合いの内声部をもっていて、この内声部が旋律に表情を与えて美しい。続く「プレストアジタート」は12/8拍子でハイテンポに駆け抜けてゆくが、Op.5と比べると、旋律的で親しみやすい。この曲で特に印象に残るのが、4分05秒頃のフォルテシモの旋律に続いて、4分17秒頃、右手は同音を連打しつつ、左手は重音で下降音階を、クレッシェンドしながら辿るところだ。このパターンは、6分25秒頃再現されるが、2回目は右手連打が終わって主旋律に戻った時のコードが、1回目と異なり、アダージョで奏されるクラマックスとエンディングへ向けた変化を感じさせる。
(42) Mendelssohn: Andante cantabile e Presto agitato, WoO 6 (Roberto Prosseda) - YouTube
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