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【名盤】Standards Live【紹介】

Keith Jarrett Trio,'Standards Live'(1985)
Keith Jarrettのピアノ(の旋律)は、このうえなく美しい。静的ではなく動的な美しさだ。弾きながらわめいてんだか歌ってんだかわからない声を出すのもKeith Jarrettならではなんだが、生で一回見たとき、ピアノの旋律と身体とが見事に共鳴してるのがわかった。
 Keith Jarrett Trio(Keith Jarrett with Gary Peacock and Jack De Johnette)のすごさは、ライブでのスタンダードでもっともよく実感できる。たった3人で紡ぎ出すインスピレーションあふれた音の洪水。圧巻である。

Track List
1. Stella by Starlight
2. Wrong Blues
3. Falling in Love with Love
4. Too Young to Go Steady
5. Way You Look Tonight
6. Old Country

83年に「結成」されてから初めての、「スタンダーズ」のライヴ盤。キース・ジャレット率いる実力派3人によるスーパー・トリオは、スタジオ録音にてスタンダード・ナンバーに新しい息吹を吹き込んだが、即興にも強い3人だけあってライヴでは一層テンションの高い演奏を繰り広げる。名実ともにスタンダード・ナンバーといえる<1><3><5>から、<2>やワーク・ソングを書いたナット・アダレイのペンによる<6>といった渋いナンバーも取り上げる。
長めの<1>のイントロもライヴだからこそ。しかしライヴにもかかわらず構成力に長けたキースのピアノ・イントロは充実している。<3>ではテンションの高い演奏をしておいてエンディングはさらりときめる。こうしたところでも分かる、スタンダード料理法に新しいアイデアを持ち込み実践して見せた「スタンダーズ」の存在意義は大きい。どれをとってもクオリティの高い「スタンダーズ」のライヴ・アルバムは、たくさんリリースされているが、最も人気の高い1枚となっている。(高木宏真)

 音の美しさより、音の厚みと迫力を体感したければ、'Up for It - Live in Juan-Les-Pins'(2003)がおすすめだ。

2002年7月、フランスのアンティーブ・ジャズ祭におけるライヴ録音。2000年の『インサイド・アウト』、2001年の『オールウェイズ・レット・ミー・ゴー』と、スタンダーズ・トリオの近作はグループ名と違ってフリー・インプロヴィゼーション物が2作続いけど、これは本来のスタイルによるスタンダード曲集。これまでのアルバムでもやっていた得意のレパートリーがずらりと並んでいて、いかにおなじみのスタンダードを斬新(ざんしん)にプレイするかという、古くて新しい課題に真正面から取り組んでいる。スタンダードを演奏する場合、原曲の持つ味わいを殺してはいけない。かといって、誰がやっているのかわからないような演奏では意味がない。そこらあたりが厄介な問題なのだが、キースのトリオはそうした難題をいとも簡単にクリアしている。3者の緊密なインタープレイがなんといっても最大の聴きもの。選曲面ではジョン・ルイスの<6>をやっているのがま新しい。そして目玉曲<7>は後半のオリジナルが最高にスリリングだ。(市川正二)


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