不況の最大要因が構造的デフレーションにあることを説得力ゆたかに主張し、TPPが、さらなるデフレを引き起こし、国民の利益をアメリカのそれに貢ぐものでしかないことを、逐一論拠を示して説き明かす。
論壇や世論へ与えた影響も含めて、本書の意義は大きい。経済学の批判的想像力が遺憾なく発揮された好著である。
目次
第1章 TPPの謎を解く
第2章 世界の構造変化を読む
第3章 貿易の意味を問い直す
第4章 輸出主導の成長を疑う
第5章 グローバル化した世界で戦略的に考える
第6章 真の開国を願う
TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。
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