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お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

エノ・シュミット、山森亮、堅田香緒里、山口純,2018,お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?,光文社.(3.29.2022)

 ベーシック・インカムが議論されるようになってすでに20年ほどが経過したが、世界で10か国が採用している(広義の)「給付付き税額控除」を除けば、普遍的な「基本所得」の給付に踏み切っている国は、現時点では存在しない。
 わたしは、家事労働などのアンペイド・ワークの問題を解消するためにも、ベーシック・インカムの給付に賛同する。
 ただし、警戒しなければならないのが、ネオリベ派が主張しているような、ベーシック・インカムの給付と同時に生活保護、公的年金制度等を廃止しようとする企てであろう。これを許せば、餓死者が続出する惨憺たる状況となるのは必至である。
 消費税を30%程度まで引き上げ、ベーシック・インカムを支給(現金支給)したうえで、井手英策さんが提唱する、ベーシック・サービスを保障する(現物支給)てだてを講じる必要があるだろう。

二〇一六年五月、スイス・ジュネーブの広場に巨大なポスターが現れた。そこには「What would you do if your income were taken care of?」(お金を稼がなくてよくなったら、あなたは何をしますか?)と書かれていた。これは、世界で初めてベーシックインカムを求める国民投票を実現させたアーティスト、エノ・シュミットらによる「世界最大の問い」だった。世界各地で導入の具体的な動きが広まるベーシックインカムは、社会や人間のあり方に何をもたらすのか。二〇一七年四月に同志社大学で開催されたシンポジウム「エノ・シュミットと語るコモンズ、フェミニズム、ベーシック・インカム」をもとに、四人の執筆者が「世界最大の問い」を考える。

目次
第1部 無条件のベーシックインカム
私たちは存在しているだけで意味がある―スイスからのメッセージ
ベーシックインカムの理念と制度
第2部 未来社会とベーシックインカム
時間泥棒から盗まれた時間を取り返すことができたら
人が時間を取り戻すことは可能か?―社会彫刻・文化収入・精神生活
フェミニズムとベーシックインカム―「ゆる・ふぇみカフェ」の実践から
コモンズとベーシックインカム―「本町エスコーラ」の実践から

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