『持続可能な魂の利用』は衝撃であったが、本書もまた良い。現役の作家のなかでもっとも注目すべきは、この作者であろう。
歌舞伎や落語の演目をモチーフに、愛嬌のある幽霊とどこかすっとぼけた生者との交流が描かれる。ただの娯楽小説を超えた読後感が得られる傑作である。すばらしい。
追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる。失業中の男に牡丹灯籠を売りつけるセールスレディ、シングルマザーを助ける子育て幽霊、のどかに暮らす八百屋お七や皿屋敷のお菊…そして、彼女たちをヘッドハントする謎の会社員・汀。嫉妬や怨念こそが、あなたを救う!?胸の中のもやもやが成仏する愉快な怪談集。
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