美唄のニュース
内陸でアワビ養殖…雪は「白ダイヤ」光熱費がかからない理由 北海道美唄市
2020.2.10 HBCニュース
かつて日本のエネルギーを担った、北海道の石炭の産地では、いま、新たなエネルギー源として雪の研究が進められています。
札幌から北に50キロ。内陸の美唄市で開かれた、冬のイベントで、新たなご当地グルメが振舞われました。
「アワビやわらかくてスパイシーでおいしいです」「海が無い美唄で獲れたと思えない」(食べた人)
ライスも、具の野菜も、アワビも、すべて地元産の「美唄アワビカレー」。でもこのアワビ。海が無い内陸のマチでいったいどうやって?
「その辺にたくさんいるかなと思うんですけど(あっいるいる!)完全閉鎖式陸上養殖と正式には言うんですけど」(雪屋 媚山商店・本間弘達社長)
雪原に設けられた温室。この中でアワビが養殖されていました。
「おいしいです。すごい、海の味!」(松本雅裕記者)
温室の中は常に15℃以上に保たれていますが、ここは真冬の北海道。朝晩はマイナス20℃近くまで冷え込みます。暖房にコストがかかりそうですが、石油ボイラーなどは見当たりません。
「データセンターの熱を、冬場は暖房の熱としてハウスの方に行く」(本間社長)
温室に隣接するデータセンター。ここには東京の企業が利用する、大きなコンピュータ=サーバーが置かれています。このサーバーから放出される熱を温室の暖房に使っているのです。
「サーバーの熱は黙っていると、地球に放出してもったいないですけど、回収すればこうして有効に使えますので」(本間社長)
一方で、データセンターは、夏になると60℃以上にも暑くなります。本州では、莫大なエネルギーと費用をかけて冷房しますが、ここでは…
「美唄市の排雪を持ち込んでいる雪山で、ここに3000トンの雪が貯まる」(本間社長)
ひと冬で10メートル近く雪が降る美唄市では、23年前から、除排雪で集まった雪を解かさずに貯蔵し、サーバーを冷却する技術を開発しました。
すべて雪のエネルギーで賄うので、光熱費はほとんどかかりません。
「もともと美唄は石炭で栄えたマチで、石炭は『黒いダイヤ』と言われていたが、私たちは(雪を)『白いダイヤ』と言っている。天から降ってくる厄介者ではなく、宝物ですので、有効に逆転の発想で使っていきたい」(本間社長)
除雪の負担や交通障害、時には災害も引き起こす、厄介者扱いの雪が、将来、日本のエネルギーの主役になるかもしれません。
(終わり)
この鮑、食べてみたいわ。
美唄の鉄板フレンチOpaのシェフにリクエストしたい(笑)
写真はOpaで食べた鮑のステーキ😁👍