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イチジクの気根って湿度で出てくると思ってますか?

2024-11-30 14:27:20 | イチジク属
ガジュマルやインドゴムノキ、ウンベラータを育てていると、幹に突起が出てくる事があります。





これは気根と言うもので、読んで字のごとく"空気中にある根"ですね。
この気根は植物によって役割が異なっていて、例えば活着するためだったり、酸素を吸う為だったり様々ですが、イチジクの場合は支柱根と言う分類の気根になります。

一般的に高湿度条件で出ると言われていて、ガジュマルの気根発生を促す為に袋を被せるやり方がありますが、どうして高湿度で気根が発生するのか、知る人はいなかったので調べました。

この気根はなぜ出てくるのか?
それは、空気中の水分を吸い取る為ではありません。

どうやら、やはり気根は地下水が潤沢な条件下で成長するようです。

複数の地域でガジュマルの気根の成長を測定し記録した調査では、気根は75%以上の高湿度で最も活発に成長しますが、土壌に水が不足している時には成長がほとんど見られませんでした。
湿度と気根には強い相関があるものの、土壌の水の利用可能性が低い時には成長が制限せることから、気根の成長は根からの水分に依存している事が解ります。

また、気根の多くは地上から1,2m付近に集中していて、これは根からの水分の移動のしやすさが関係しているようでした。
また高過ぎると風の影響で乾燥しやすいのも理由の一つのようです。

以下気根発生の条件をまとめると、

・成熟した幹である。
・土壌の水の利用可能性が高い。

この2つだけです。

実際に75%以下でも気根の成長は観察され、高湿度の時は植物自体の蒸散が抑えられるので、必然的に水の利用可能性が高くなる事が予測されますので、湿度とは無関係に「水の利用可能性が高いか否か」が重要な様です。

よって、袋に被せなくても気根は自然に出てきて、勝手に成長するものですが、全く出ないよと言う人は、水を与える量が不足している事を示唆しています。

今一度見直して見ましょう。

お読みいただきありがとうございました。



フィカスの縁にある白い点の正体

2024-11-29 20:38:30 | イチジク属
ブログの書き始めなんて書き方分からないので早速、フィカスの葉の縁にある白い点の正体を書きます。
ずばり、「炭酸カルシウムからなる非晶質の固体」です。





これが何なのかという事を説明すると、

フィカスの表皮近くにある"異形細胞"の一種である鍾乳体細胞(lithocyst)なんです。
このリソシストと言う部屋のような空間に蓄積される形でシストリス(鍾乳体)が充填されます。
シストリスは英語で書くと'cystolith'です。
よく聞く尿路結石とかのアレ?

鍾乳体が見られる植物はクワ科の他には、イラクサ科やアサ科、ウリ科などがあって、葉の表皮近くにあることが多いですが、植物によって存在する部位が異なるんですね。

ちなみにインドゴムノキの鍾乳体の主成分は、9割が炭酸カルシウムで、残りはカロース、セルロース、他多糖類との事でした。

発見から数百年経っているにも関わらず生理的な役割は不明ですが、とある文献によるとインドゴムノキをCO2欠乏状態にし、光照射下に放置すると鍾乳体が縮小・消失する現象が観察され、同条件で暗黒下や光合成阻害剤で観察した結果、鍾乳体に変化が無いことから、炭酸カルシウムは光合成の時のCO2の供給源と言うのが暗示されているそうです。

にしても、よくイチジクに見られる葉の点々が未だよく解ってないなんて、かなり興味深いし面白くないですか?
植物学は細胞などのミクロな研究が盛んで、あまりこう言う研究はされてないイメージです。
いつか解明される日が来ると良いなと思います。

今日はここまでにしときます。