Manabus Column

路地裏から尾根道を行く

冒険心

2007-11-02 | Weblog

大好きな、ロバートハリスの「ワイルドアットハート」と、椎名誠の本を数冊読んだ。どちらも共通するところは冒険心をくすぐられる事だ。

椎名誠の「アドバード」という古いSF小説は(失礼)、まるで夢を文章化したような小説だった。椎名誠と言えばどちらかとノンフィクションの作家で、特に「哀愁の町に霧が降るのだ」などの青春小説が面白かったので、だからどうもSFというものにはイメージが結びつかず、「アドバード」などはどうも読む気になれなかったのだ。なぜかカバーが気に入って読んで見た次第だった。

彼の作品の魅力の一つに、必ずと言っていいほど、謎めいた脇役で、何となくニクメナイ奴が登場する。このSF物語にもキンジョーと言う関西弁を喋るアンドロイドや、間抜けで妙に弱っちい加工人間などが出てくるのだ。この作者は、そう言ったキャラクター作りが面白く、その辺りはやはり実生活でも面白いヒト達が周りにいるからなのだろうか。

先日、僕は黒部峡谷に行ってきたが、そこにある発電所や廃墟などの雰囲気が、この小説の背景的な部分と少しリンクしていて、そう言った印象が残った本であった。

 


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