年明けの連休は、家でテレビを見て過ごした。
ビートルズのゲットバックを見たいがために、折角だからとテレビを買い替えてしまった。
ゲットバックセッションは今から50年くらい前に、ビートルズが新曲を作るドキュメント映画を企画したものだ。
最後に、出来た曲をライブで演奏し録音するというかなり大胆なプロジェクトで、そんなものをやろうとした所がまず凄い。
しかし、これは編集の仕方が良くなかったのか、かなりネガティブな作品として残ってしまった。
それを現在の最新技術でピータージャクソン監督が再編集したのが、今回の『GET BACK』である。
8時間弱もの映画だが、今までは音や写真や文章なんかで当時のビートルズを想像してたのだけど、それが映像となって見られるのが凄いというかちょっと不思議な感じがした。
カメラは殆ど廻りっぱなしなので、かなり赤裸々で生々しい映像作品である。
わずか1ヶ月あるか無いかで、ライブができるまでの曲を仕上げる事ができるのかと余計な心配もしてしまう。
実際に、ジョンレノンがスタジオに入ってくるのを待ってる時に、何気なくベースをギターのように弾いていた曲がゲットバックの前進であったりと、ここで誕生したのか!と驚く。
それに、ジョンの曲でも、ポールとジョージはああだこうだと、意見を出し合ってなかなか折れない。
曲を作った当人は黙ってるのが面白かった。
ただこんな映像を見ると、ビートルズの曲はメンバーがみんなで作り上げているのだなと改めて思わせる。
意外にも、ジョージは曲に対して意見をしてるのだけど、ポールもなかなか譲らない。
で、そんなこんなで結局ジョージが「やってらんないよ」と一時的にバンドを脱退してしまう。
ジョンも本気ではないと思うが「エリックを入れれば良いよ」なんて言ってその後スタジオに来ない日があり、流石にバンド解散かとリンゴとポールも涙目になってたのが印象に残った。
人間関係で言えばかなりドロドロな状態。
場所が大きなスタジオから小さなアップルのスタジオ(こちらの方がアットホームでいい感じ)に移って、ここでやっとジョージが戻ってくる。
バンドに加わると目と目だけで合図して、演奏が始まり一安心するも、結局おふざけになる所が面白い。
さらに、最初は見学で来たビリープレストンに、エレピでセッションに加わった「ドントレットミーダウン」がもう格好良い。
ポールも思わずビリーのプレイにニッコリし、ジョンもビリーのキーボードの音が加わり「やっと良くなった」と漏らした。
ビリープレストンはビートルズとも意気投合し、タイミング的に本当にドンピシャで音使いも最高である。
このアップルスタジオから、ジョンレノンが元気というかおふざけと冗談が出まくり、ポールも直ぐにジョンの冗談に乗っかってくる。
そんなのだから、全然曲が出来てなくライブは大丈夫なのかと。
しかも、そのライブ会場もどうするのかメンバー同士で意見が食い違ってまとまらない。
(ジョージマーチンも居て、メンバーに色々アドバイスをしてたのは意外であった)
いろんな人がスタジオに来てその辺で寝てたり、その中で数テイクが録音されたりと、結構適当にやってるんだなと思ってしまう。
それでも、みんなでここはこうした方が良いとか、何だかんだで少しずつ曲が出来てくる。
でも、ライブで演奏する曲を改めて勘定すると、5曲位しか無いことに気づく(気づくの遅すぎ)。
さてどうする!?
それでも、ライブをやるのか、やらないのか?
ライブ会場はスケジュールが取れず、結局アップルスタジオの屋上でライブをする事で決まった。
もっと完璧にしたかったポールも、まあ仕方ないということで納得した。
ライブ前日になって、よし最後のリハーサルだと意気込んだのは良いが、結局替え歌になってしまって本当に何やってんだよと突っ込みたくなる。
当日になっても、まだ本当にやるのか決めかねてる。
しかし、これがいざ本番のライブになると鳥肌が立つくらい無茶苦茶格好良い!!
緊張感も臨場感も有り素晴らしく、さすがはビートルズだなと思わせる。
まあ、今くらいの時期なのでかなり寒かっただろうなと想像出来るけど。
「ディグアポニー」で、ジャン!と直ぐに曲が止まってしまうのだけど、何故かなと思ってた。
映像を見ると、リンゴが吸ってたタバコを消すためにドラムを叩けてなかったのである事が分かる。
その瞬間みんな一斉にリンゴの方に振り返ってるのが面白かったし、カウントもジョージが出してるのだなと気づいた。
これは映像じゃなきゃ絶対に分からなかった部分であるし、面白いから何度も見てしまった。
アルバムには、この失敗した箇所は残しておいて、なぜかイントロの出だしだけカットしたものが使われてる。
その他、屋上でライブ演奏され数曲もアルバムに入ってるのだ。
2テイク目の「ゲットバック」の演奏の途中で、警察の圧力に耐えかねたロードマネージャーがギターアンプを切ってしまってる。
(ロードマネージャーのマルエバンズは実に良い奴なのだけど)
この2テイク目が荒削りで非常に格好良い仕上がりで、僕はこちらのテイクの方が好きである。
レットイットビーやアクロスザユニバースなんかは、翌日以降スタジオ内で録音された。
もし、アコースティックな静かな曲もライブで演奏されてたら、これは凄いアルバムができたのではと思った。
ただし、今まで聴きまくったアルバムが少々違った趣でさらに楽しめる。
本当にビートルズというバンドは奥が深いバンドであるのだ。
これを観るためにディズニーの配信サービスに入らなくてはならない。
そしたら、STAR WARSシリーズのいくつかのドラマがあって見たらこれがシンプルに面白い!
色々と物語が繋がっていて、次回はどうなるかと気になってしまう。
年明け早々テレビっ子になってしまい、まさかディズニーにやられるとは思わなかった。
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