カルマの法則 その1
エネルギ-変換
奴隷の苦しみをなめたる者は
再生して王子とならん
心やさしければ賞を勝ちうればなり
王となりて治めたる者は
ぼろをまといて地をさまよわん
覆水は盆にかえらざればなり
アジアの光
人間の知識が成長するにつれて、
少しずつ自分の住む世界は法則の
世界であるという事が解ってくる。
自然の法則が発見されると、たとえ
最初はどんなにその法則が人間の
行為を制限するように見えても、
我々の意志は一層自由を得る
のである。行為というものは、
内面の世界の思想及び感情の一連の
力を合成した対角線に過ぎないから、
我々の至高の要求は、自分の内なる
世界は法則と秩序の世界であると
理解することである。神智学が説く
カルマ即ち行為の大法則は人間の
本質の内面組織の何かを我々に
しめしてくれる。そして、我々は
環境の主であって、奴隷ではない
ことを少しずつ、解らせてくれる
のである。
我々はすでに、科学によって
万有はエネルギ―の表現であると
いうことをよく知っている。電子は
エネルギーの貯蔵庫である。
拡大して考えると星もまた
回じようにエネルギーの
貯蔵庫といえる。
このエネルギーというものは
常に変化している。即ちその活動は
エネルギーを光や熱や電気に変え、
また重い元素はもっと軽く
なろうとし、一つのものから他の
ものへ変化して行くのである。
人もまたエネルギーの貯蔵庫である。
人間は食物でエネルギーを取り人れ、
そのエネルギーを肉体の諸活動に
変えて行く。人間のエネルギーを
親切な行為に活用すれば、
善の実行となる。他を害することに
このエネルギーを使えば、即ち悪を
なしたこととなる。人間は生きて
いる間中、いつもエネルギーの
変換者である。宇宙のエネルギーは、
人間の中に流れこんで行き、
そのエネルギーは人間によって助け
又は傷害に変えられて行くのである。
カルマの法則というものは、
人間がエネルギ-を変換させて
いくにつれて生ずる原因と結果の
ことをいうのである。カルマの
法則は科学が説くように見える
世界とその力を考えるだけでなく、
人間活動の本当の活動舞台で、
もっと大きな見えない宇宙の力をも
考える。またたき一つにしても、
物質宇宙の凡ゆる力の平均に
何らかの影響を及ぼす力を、
人間の万有になげかけている。
丁度、それと同じように、思想や
感情で、人間は万有に対する
自分自身の立場を変え、
自分に対する万有の
立場を変えている。