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百英雄伝レビュー(switch版)

2024-07-02 13:26:45 | ゲーム

百英雄伝の二週目も終わったので、まとめとしてレビューを行う。※色付き箇所のみネタバレあり

一周目 68時間、二週目 60時間 →合計128時間となった。全体の時間数で見ると一週目だけでも60時間オーバーである為、十分なボリュームと思わせる。が多少のからくりはあると思う。やはり本作の肝である仲間集め120人分をコンプリートすることに半分以上の時間を費やすと言っても過言ではない。逆に言うと仲間集めがなければ素通しプレイで見事に30時間程度で収まってしまうような内容であり、全体的に薄いと感じざるを得ない仕上がりとなっていた。その仲間集めについては一人ひとりの加入条件はさほどきつくはないが、単純に一人あたり20分間隔で仲間を増やしても40時間はかかる試算となるわけだからプレイ時間として膨らむのは当然というところか。面倒だと捉えればそれまでであるが、これこそが本作の特長であるがゆえに、是非を論ずるのもどうかと思うのでコレについては置いておこう。何よりの問題はプレイに挟まれるロードであったり、キーレスポンスの悪さであろう。これだけで数時間のロスタイムが発生していると言っても過言ではない。戦闘や移動などの一般的に差し込まれるロードの場面で毎回10秒程度、キーレスポンスで約1秒程度の遅れが生じる。ロードはまだ我慢できるがキーレスポンスのストレス性は頂けなかった。更に本拠地内に点在する施設の導線も悪く、行ったり来たりの無駄足が多かった。もちろん本拠地内でのファストトラベルも存在するが、コレは定位置に配置された石碑がアクセスポイントとなる為、そもそもこの石碑の配置が悪いとあまり意味を成さない他、ファストトラベルを実行したところでロードが差し込まれる為 明らかに離れた施設の場所にアクセスしない限りは歩いたほうが早いというプレイヤー泣かせな場面が見受けられた。こういったところが膨大なプレイ時間を費やす からくりの一つである。この環境が良くなっていれば少なくとも10時間程度の削減は出来たと思われる。

シナリオはおしなべて言えば可、という結論になる。しかし良には至らなかった。まず全体的に緊迫感がない。序盤のノアの故郷襲撃やエルティスワイスの占拠。ここは序盤の盛り上がりシーンではあるが悲壮感が足りないなぁ と思えた。占拠された後も普通に町への出入りが出来て、普通に帝国兵と会話も出来てしまう始末。帝国軍の緩さが微笑ましく思えてしまう程である。その感じのまま終盤まで走ってしまっていたのが残念である。オルドリックという敵役を最後まで立ちはだからせてはいたが、この大役を担うにしては薄味のキャラクターであった。無難に中盤の難所程度で退場させた方が良かったかな。また、ノア・セイ・メリサという3人を主役扱いとしているが、そもそもこの3人自体がかなり薄味なことも考え物である。重要人物としては申し分ないがオルドリックと直接的な因縁があるわけではなく地に足がついてない関係性であった。ラスボスたるもの主人公との深い因縁がなければならない なんてことを言うつもりはないが、君たちがそれをしなければならないのか?という疑問は拭えない。「薄い人間関係の主役キャラ達が深い因縁があるかのような演出に寄せてしまった」ことが原因かと思う。しかしこういった点を省けば悪いところばかりではない。帝国の立ち位置や脅威というものは作中でプレイヤーに落とし込むような表現は出来ていたし、ぺリエールという領主の存在も連合軍の立ち上げとしてわかりやすい旗頭であった。またオルドリックと君主との関係性についても触れる場面も少なからずあった。実際の史実においても皇帝の暴走ではなく、一介の公爵身分が権力を握り、君主を囲い込んで国を牛耳るなんてことは珍しくなく、そういった演出を施しているあたりシナリオの妥当性があったりもする。しかしこの場合、権力を握る公爵側も国内有権者間での権力争いなどがしっかり描かれるの常である為、その描写があればもっと良かったと思う。とは言えども描くとなると大河ドラマのように人間関係の入乱れや思惑の乱立になるのでシンプル且つ明瞭にするという判断であれば致し方なしとも思える。少なくとも連合軍(仲間内)でも領主同士のいざこざがあり一枚岩の難しさは描いていたから最低限、可と思えるシナリオであった。またシナリオを形成する世界観として「魔導レンズ」という背景がある。本作では国家間での騒動が終始フォーカスされていたため、世界観に触れるシナリオはなかった。もし続編という話があるのであれば、もっと戦争をフックにした世界観の深掘りを描いて欲しいものである。

戦闘システムは今時のゲームとしては物足りなさを感じつつも、この辺が手打ちかなとも思える。やはりプレイアブルキャラが数十人にもなる本作で考えれば、ルーンという概念と英雄コンボという協力攻撃を図っただけでも十分であろう。何せこれだけキャラが多いと調整の工数が半端じゃない。近代RPGはシステムに力を入れることでキャラクターのカスタマイズ性を重視する傾向があるが、もちろんこれはプレイアブルキャラが少ないから出来る芸当であり本作との相性が悪いのは火を見るよりも明らかである。例として軌跡シリーズの「創の軌跡」を取ってみるとこのゲームはキャラが持つ固有オーダーとオーブメントの組合せでプレイアブルキャラのカスタマイズ性を見出すように頑張っていたが、総勢40人も超えるプレイアブルキャラがいるとなると案の定、ステータスの数値が4桁を超えるなど かなり大味な調整っぷりとなっていた。やはり相性が悪いのである。事実本作においてもキャラステータスはある程度似通っているキャラが多く、キャラ一人ひとりの独自性を出すのは正直難しい。本作程度のカスタマイズが手打ちであろう。とは言えども仲間にしたキャラクターを順繰り使い回しながらプレイしていれば飽きもしづらいし発掘気分もあって楽しさはある。悪くはない。

難易度はノーマルでヌルい部類に入るかな、と。ハードにするとちょっとわからないが変に難しくストレスを感じるよりは良いかと思う。また、所々での難所もあり決してヌルいだけではない。合計で6人枠での戦闘となるが4人枠をしっかりとした強キャラで埋めておけば攻略に苦労することはない。他の2人枠は愛のあるキャラで遊びを持たせることも可能であることは評価点に値する。強制参加の仲間もいるが同行者枠に配置させれば無理に参戦させることもない配慮がある。素晴らしいと感じた。一応クリア後のやり込みとして強キャラとバトルすることが出来るおまけ施設もあたりする。この辺の配慮も良きものとして受け止めることが出来る。

楽曲は素晴らしい仕上がりとなっている。序盤のうちは楽曲全体が小さくまとまってしまっている印象であったが、ゲームを進めているうちに使用されている楽曲が増え、ボス戦だけでも5、6種類くらい揃えている印象があり、どれも良かった。本拠地序盤のBGMもかなり聞きなじみがよく永遠ループして流れていても不快にならない程の完成度の高さ。後半から終盤に至っては本拠地BGMに緊迫感が漂うカッコ良さげな曲調となり佳境であることを匂わせてくれる。楽曲の使いどころのセンスが光っており、この場面でこのBGMは盛り上がるよねというツボをしっかり押さえている為、シナリオの演出に一役買っていること請け合いだ。

グラフィックは90年~2000年代ゲーマーには満足が出来る仕上がりとなっている。本作は近年注目を集めているHD-2Dのような作りをしており、リアル系CGのような映像美で勝負する作品ではないが 往年の親しみやすいドットキャラが精細に描かれており、単純な2Dとは違う、奥行も表現された今時の2D手法である。2DのRPGが主戦であったころのRPG好きからするとワクワク感が隠せないものであろう。更に作中ずっと2Dだけで描かれるのではなく要所要所ではある程度作りこんだポリゴンCG等のムービーシーンも差し込まれ、出来も悪くない。

ミニゲームについては過去の投稿である程度書いているので、この場で改めて是非について一個ずつ評価するつもりはないが端的に言うと、「種類は多すぎるし、色々不具合もあるが ここまで作りこんでくれたのはありがたい」と思うことである。

本作における一番の癌は操作性・融通性・快適性などのいわゆるユーザビリティが極端に悪いところだ。これはswitch版という製品であるがゆえ という理由もあるかもしれないが、高規格なマシンスペックを要求する仕様のゲームであるとは思えない。switchでも十分な稼働を約束出来る仕様である。冒頭にあるロードやキーレスポンスの他に、オートセーブ機能の仕様が粗末である。ワールドマップから何かしらのオブジェクト(町やダンジョン)にアクセスしない限りオートセーブが発動しないであったり、そもそも大概のゲームはオートセーブが発動した段階で画面上に表示されるものであるが、それもないから わかりづらい。挙句の果てにはフリーズやエラーによる強制終了。オートセーブの機能も大した役に立つものではないから被害が及ぶこともしばしばである。オートセーブ機能など実装しなくても良いからどこでもセーブできる機能であったりセーブポイントをもっと多く配置する等の配慮が欲しいし、今時のゲームなのだから「中断」があって然るべきであろう。所持品の制限も深刻だ。拠点解放で制限値を緩和していくのは良いがデフォルトで40種というのはストレスの部類にあたる。ルーンの付け替えが拠点倉庫かルーンのショップでしか出来ないというのも悪しき作りである。極めつけはアップデートで実装された「パフォーマンス優先」が全くパフォーマンス向上されていない点である。流石に首を傾げた。例を挙げれば枚挙に暇がない状態であり、ここに書かれているのは氷山の一角と言っても過言ではない。もちろんゲーム作品全てにおいてユーザビリティが欠けている例なんていくつもあるが、これだけ致命的な欠陥が多い作品は珍しい。少なくともswitch版をプレイする人は余裕を持った心で遊ぶことを推奨する。

何かとここまで書いてしまうと完全な欠陥品作品ではないかと思われるが、そうではないと否定したい。なぜならレビューなんてものは大概悪いことを中心に書きたがるものだからだ。逆に言うと改善して欲しいという裏返しでもあると思っているし、個人的にはそういう気持ちで書いている。そういった目線で本作が面白いか つまらないか というならば、大いに面白いだ。(このまとめにおける評価というのは何か相対的な尺度において判断をしているのではなく、自分自身の感覚的な評価である為 どこまで参考になるかはわからないが)そもそも個人的な性質としてRPGを2周することがまずない。しかもやり込み要素なんて不要だと思っており、あってもまず手を付けないのが常である。その自分自身がここまでやりこんだという事実が何よりも楽しかったんだなと思える絶対的な感覚だ。もちろん過去の幻想水滸伝2という作品の系譜であるから、という色眼鏡もないとは言えないが、恐らくそういった触込みがなくとも、同様に楽しめたであろう。何だかんだでプレイヤーが楽しくなるツボは抑えてある。仲間集めも楽しいし、ストーリーも先が気になる作りである。新しいルーンが手に入れば試したくなるし、本拠地の拡張や探索も楽しい。ワールドマップという存在も嬉しいし新しいダンジョンがあればワクワクもする。二週目では言えば一週目で仲間にしたキャラを引継いでプレイできるというトンチンカンな面白要素もある。往年のPS時代のRPGに頑張って寄せちゃってるよねと言えばそれまでだが、決してそれだけで終わっている作品ではないなと個人的には思っている。何よりも制作会社が極少人数でありマンパワーが不足していることは明らか。更に開発自体はほぼフル外注であろうと思える作品としては丁寧だと思う。そんな環境である中でも「楽しいRPGを作ろう」という気持ちは十分に伝わってくる立派な作品であった。そういった目線で見ると多々見受け粗末な点も致しかなし、と寛容になれるのではないだろうか。

個人的な結論は「ちゃんと面白くプレイできる作品であるし何よりも制作の真心を感じ取れるゲームなのだから温かい目で遊んであげようよ」という気持ちだ。

 

 

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百英雄伝_10

2024-06-24 13:11:45 | ゲーム

次回、百英雄伝の総まとめを行うが、その前に二週目現在のやり込み状況を。

①仲間集め:完了。120人全てを仲間にした。

②釣り:ほとんどやってない。一週目でファンを仲間にするために、頑張って魚釣りをしてくらいでそれ以降は全く手つかず。(RPGにおいて釣りのミニゲームが妙に多いのは何故だろうか。そんなに面白いミニゲーム要素とは思えないが)

③ベーゴマバトル:リードを仲間にするために必要最低限のことをやっている程度。石板は3つだけ埋まっている。

④シャークシップレース:スカーレットを仲間にするために必要最低限のことをやっている程度。操作性が最悪でこれ以上やる気にならない。

⑤エッグフットレース:Sランクエッグを生み出し、引退させたところまで。全レース制覇まではやらない。

⑥寸劇:一通り台本を集め、見てみた。S評価はロミジュリのみ。これは適当に配役を変えて遊ぶ程度をして終わるかな。

⑦料理対決:ラスボス撃破で完了。これは長すぎたかな…。もうちょっと短いか、対決中の早送りとか出来たらまだよかったかも。後半はストレスでしかなかった。往年のミニゲーム復活は良かったが…。

⑧拠点:拡張完了。

⑨地下の謎の訓練場:一番最初のクラスのみ攻略済み。というかこれをやるだけでキャラクターのレベルが60まで到達してしまった。これはやっぱりラスボス撃破後にやるものだ。

⑩ばばば占い:キャラクターの経歴は片手間程度にポチポチ開示させている状態。まだ先は長い。

⑪お風呂:全くやっていない。キャラの入れ替えも面倒なので動画を見て終えるかな。せめて風呂に入る状態でキャラクターの選択が出来たら多少はやったと思う。

⑫原初装備:地下謎の訓練場で手に入れるもの以外は全てゲット。

⑬スタッドラー模擬戦:一週目にちょっとやった程度。これもやはり操作性と時間がかかりすぎる故にやっていない。毎回編成がリセットされるのはかなりのストレスである。(余談だがスタッドラーはモデルはやっぱりスターリンであろうか)

⑭カードバトル:Sランクキャラクターを数名撃破した程度。手札がそれなりに揃ってくると勝利がかなり容易である。(面白いミニゲームであったがもう少し戦略性があってもよかったかな)

思いつくやり込みでコレくらいかな、と。やり込みマニアからすると全て中途半端な感じであるが、元来 性格的にやり込みをしない自分自身としては辛抱強くプレイしている方だ。引き続き継続させるやり込みは⑥、⑨、⑩だと思う。⑥と⑨を嗜む程度に終わらせ、⑩を全員開示させ経歴をチェックして百英雄伝を終える。総プレイは今118時間程度なので多くても後10時間以内で完了と言うところか。

 

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百英雄伝_9(微ネタバレあり)

2024-06-17 15:34:50 | ゲーム

二週目も佳境に差し掛かり、アンデッドの根城に向かうシーンとなった。何とか仲間キャラも119人を集め、きたるその時までストーリーを進行するのみである。仲間キャラを引き継いだ二週目であった為 仲間集めにそう苦労はしないかと思ったがそんなことはなかった。流石に120人も仲間がいると骨が折れる。二週目単体だけで見ても既に38時間程度費やしているのだから。このゲームが如何に仲間集めで時間を要するかが如実に出ている結果だ。

さて前回の投稿で二週目の特典で仲間キャラが引き継がれることの革命っぷりを記述し、これは良いと主張したのだが とんだ落とし穴があった。まず大前提として一週目で仲間にしたキャラが二週目に引き継がれた場合、宿屋や本拠地の編成画面で自由に入替えが出来るのだが、仲間キャラのレベルは全て1にリセットされている。(これは恐らく「強さの引継ぎ」をしなかったから場合に限る)別にこれは良い。何せこのゲームのレベル上げは適正値まで一気に駆け上がっていく仕組みである為、通常戦闘を数回行えばレギュラーキャラのレベルに追い付くからだ。ゆえに別に気にも留めていなかった。セイが物語上で仲間になるまでは。そう、一週目の記憶を呼び起こし、気付いてしまったのだがセイチームの単独行動があるのだ。そもそもセイチームの単独行動が起きるこのイベントは魔道レンズ研究所の攻略という本作の中でも中々渋い難易度のシーンである。そこでは本来、セイチームの面々はある程度のレベリングがされた状態で仲間に加入されるのだが、二週目の条件によっては全員がレベル1での攻略となるのである。これはやられた、気づいた時には既に時遅し。ノアのインペリシャーク編の攻略が佳境を迎えるタイミングであった。

当たり前のごとくセイ視点に切り替わってセイチームの面々が仲間になっていくのだが見事なまでに全員がレベル1。ヒルディ嬢が唯一ストーリー的にレベル10位であったが全くアテにならない。セイだけは雑魚チラシ要員として二週目の初めからノアとペアリングしていたために通常レベルであったが、案の定 ココの攻略にはかなり苦労した。二週目とは思えぬような難易度であった。雑魚戦でレベルを上げようにも まずキャラが生き残らない為、戦闘で勝利しても経験値が入らないのだ。ラッキーターンをひたすら待つしかないのである。セイチームの仲間キャラが標準レベルまで追い付くのに2時間以上もかかってしまったし散財もした。とんでもない落とし穴であった。それでも自分はセイ自身が何とかまともに使えるキャラであった為、「苦労だけ」で事無き得たが、セイでさえも低レベルであった場合はどうすれば良いのだろうか。積みであること以外考えがつかない。悪魔のような仕様である。

また前回のプレイ報告からしばらく時間が空いたこの間にswitch百英雄伝のアップデートがされた。このアップデートで画面処理の選択が出来るようになった。(グラフィック優先、バランス、パフォーマンス優先)グラフィック優先は言わずもがな映像美というよりかはアップデート前の標準仕様というとこであろう。本作は流行りの2D-HDのようなテイを成しており、遠近表現の処理が標準でされている。ポートレートのように近場キャラなどに焦点を充て、遠くの背景にはボカしを入れて立体感を出す手法である。元々、このポートレートみたいなものが処理性能を阻害しているのだろうなーと思っていただけに、今回のアップデートで「パフォーマンス優先」が出たのは嬉しかった。案の定パフォーマンス優先を選択すると背景のボカしはなくなり、若干の処理性能が改善されたように肌感で感じるものであったが、これがまたなんか上手くいってない。場面や画面を切り替えるとまた背景ボカしが入ってしまうのだ。パフォーマンス優先しているにもかかわらず。どうにも本作は本当にこの辺のユーザビリティに手が全く届いていない感じである。

ミニゲームは中々手つかずだ。料理対決とベーゴマは仲間集めに必須要件である為、ある程度やりぬいている感はあるが、他はやれていない。二週目ではこの辺ももう少し掘り下げて遊ぶつもりであったが、流石にこれだけミニゲームの種類が豊富だと気持ちを持続させることが難しい。もう一つのEDに辿り着いてしまったら百英雄伝は一旦終わりにしそうな心持ちである。

いずれにしても二週目ももう少しで終わる雰囲気。よっぽどの気がかりな点がない限りは、次に投稿する際は総まとめとするレビューかと思う。

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百英雄伝_8(微ネタバレあり)

2024-06-03 12:08:03 | ゲーム

2週目に入りボチボチ進めているが、周回プレイでの引継ぎは「仲間キャラ」のみとした。お金や持ち物、レベルまで引き継いでしまうと一気に熱が冷めてしまうようで。ただこの「仲間キャラ」の引継ぎを選択したのは良いがイメージがつかなく、肌感的に本拠地を入手後に仲間キャラが存在しているという見立てであった。もちろんイベントキャラはストーリーで加入するだろうから、そんなに多くキャラが引き継がれないだろうな、と。

しかしながら、そんな予測は一瞬で打ち壊された。本当に1週目の仲間キャラがそのまま既に加入していたのである。とは言えども、仲間キャラが最初に編成できるようになってからである為、「エルティスワイスの酒場から」というのが厳密な言い方になるが、それにしてもである。噓偽りなしのごとく、本当にその時点から既に仲間キャラが存在し、プレイアブルキャラとして扱えるようになっている。これは凄いことをしてきた。何が凄いってストーリーとの辻褄が合わないことが明白な仕様であるということ。

例えば2週目ではずっと「セイ」をお供にパーティーに入れているのだが、序盤のイベント後、離脱しても普通にプレイアブルキャラとして存在しているのである。時には何事もなく第三者的なセリフも発言したりする。もちろんストーリーの進行上、「セイ」と敵対する場面があるが、そんなものお構いなしだ。画面上にあり得ないはずの「セイ」がダブり発生しているのである。もちろんこれは「セイ」に限ったことではなく、「ぺリエール」や「コゲン軍団」も同様のことが言える。序盤は矛盾があえて出るようなパーティー編成を行って進行してみたが、いずれも矛盾を補完するような建付けはなく、矛盾は矛盾のまま進行される。極端に振り切った割り切り仕様である。じゃあ、既に仲間キャラが存在している場合、仲間集めで加入するフリーランスなキャラはどのようになるのかというと、ここも1週目と同様の条件にて仲間の加入イベントが発生する。要するに既存の仲間キャラがいようがいまいが1週目と同じ流れを組むと捉えてよい。既存の仲間キャラがいるから2週目で仲間加入イベントを無視しようが、既に仲間に加入されている為、仲間の頭数は変わらないのである。異常である。

この2週目で発生する異常事態が世の中ではどのような反応なのかネットで調べてみるも、これに関しての反応は意外と感度は低く…ここにも驚いた。最近のゲームではこういった割り切り仕様は普通なのであろうか。

ここまで明快な建付けとなると、個人的には分かりやすくて良い。そういうものだと思ってしまえば良いだから。しかも仲間加入に面倒なお使い的な要素はしなくても良いのだから楽である。周回プレイへの配慮としては見事だ。ただし、まともな感覚でプレイしているとバグやイベント管理のミスとも思えてしまう人も多いだろう。こういった感覚を持ってしまう人への注意喚起となるようなメッセージはあっても良かったのではないかと思う。

ただ序盤からエレクトラやウェーブの兄貴が普通に扱えるのは何だかお得感があって楽しい。流石だ百英雄伝。

 

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百英雄伝_7

2024-05-28 13:32:35 | ゲーム

66時間をかけてついにEDを迎えた。約1ヶ月のプレイとなった。大ボスを撃破後に差し込まれるラスボスとの一騎打ちの演出は素晴らしかった。一見の価値がある。

無事に何事もなく1週目を終えたのだが、端的に言えば「面白い作品」であった。それこそ幻想水滸伝の新作をプレイしているかのような感覚に陥ったのは幻想水滸伝5以来の約18年ぶりである。幻想水滸伝らしい作品であったという感覚が褒め言葉となるのかどうかは別問題であるが個人的には称賛に値すると考えている。この幻想水滸伝らしさの最たる作品と言えばやはり、幻想水滸伝2の印象が強い人も多いだろう。今回の百英雄伝が そこと比較してどうだったかを書いてみようと思う。

●戦闘システム・・・ハード性能の進化に伴った正当進化である。よって百英雄伝の方が面白い。むしろ幻想水滸伝2の方が簡素すぎる作りである為、百英雄伝が勝利するのは最もなのだが、進化=煩雑化と勘違いしているメーカーもある。そういった点では無粋なことはせずシンプルな進化をさせた百英雄伝は間違ってはいない。

●シナリオ・・・申し訳ないが幻想水滸伝2の足元に及ばない。比較されるのも辛いだろうが、「精神的続編」というキャッチがこれだけ出回ると比較されてしまうのは避けられない。まず主役の3人(ノア、セイ、メリサ)の扱いが雑で残念。んー 複数の主役級の設定をするのであれば、せめて「ノア、セイ」に絞った方が良かった。それでも3人に焦点をあてるのであれば、目指すべき姿は村山氏が途中脱退した「幻想水滸伝3」である。この作品くらいの多角的な視点を取り入れた群像劇を作れないのであれば手を出すべきではない。次の不満点としては、全体的に明るく、戦争をしているというよりも、スポーツ戦争をしている感じなのが どうにも腑に落ちない。緊迫感もない。幻想水滸伝2も戦争をテーマとするには、明るい作品であり、スポーツ戦争の兆候はあったが、ルカブライトのような「カリスマ的な悪」の存在や「ジョウイの悲壮感」などが随所に散りばめられておりシナリオの強弱があったことは間違いないし、何よりも真なる紋章を宿したことによる運命の儚さと最終EDの「救い」の出来栄えが最高であった。そういった作りが出来ているかと言うと、出来ていない。ノアの物語というよりも「諸国連合」の物語であり、そこに存在するリーダーが「ノア」というだけである。ただし戦争をテーマにするとシナリオはとても大変である。軍事的な視点だけではなく政治的、経済的な視点、貴族たちの権力争いなど。敵キャラクターの登場人物も多く作らなければならないし、ゲームを対象とする子供達の理解が及ばなくなる。そういった意味では分かりやすいように配慮した浅いシナリオであったのかもしれない。しかしながら小難しいシーンを避けつつ、重厚なシナリオを作り上げた幻想水滸伝2はやはり別格であったと改めて痛感する。

●ゲームBGM・・・素晴らしかった。幻想水滸伝2も耳に残る思い出深い楽曲が多かったが個人的には百英雄伝の方が優れていたであろう。本拠地BGMも良い。戦闘曲も何曲あるんだと思わせるくらい用意されており妥協点が見当たらない。

●グラフィック・・・幻想水滸伝2のグラフィックはドットがきめ細かく今見ても感動するレベルであったが、CGは弱く、当時の技術レベルであっても高品質とは言い難いものであった。百英雄伝は基本2Dのキャラクターを描きつつ背景は精細な1枚絵が描かれており、今でいう「HD-2D」のような手法が使われている。非常にワクワクする表現であった。だからといってCGに弱い訳でもなく、稀に差し込まれるムービーでも、恥じることのない精細なCGムービーがあった。よくぞ作り上げたと評価したい。

●一騎打ち・・・断然に百英雄伝の方が質が高い。幻想水滸伝2のようなじゃんけんシステムと若干異なり、分かりづらい上に相手の出方がセリフでは予測を立て辛いのは難点だが、何よりも戦闘演出が素晴らしい。一回の攻防で繰り出される攻撃、躱し、防御などは通り一辺倒ではなく何種類ものモーションが用意されている。ドットとは言え見応えのある十分な迫力がある。

●仲間キャラ・・・幻想水滸伝2の108人ですら多いのに、百英雄伝は120人である。少々やりすぎな感じは正直ある。余計なお世話かもしれないが、これをシリーズ化するのは難しいのでは。もし続編が出ても、この120人分のキャラクターがいる今作程 作りこんだゲームを開発するのはあまり現実的ではないような気がする。

●ミニゲーム・・・ミニゲームや本拠地で出来ることで言うと、百英雄伝の方が圧倒的に多い。むしろ本編よりもこの辺りの作り込みの方が力が入っているのではと思う程だ。評価したいがもう少しシナリオに力を入れてほしいものである。

●エンディング・・・1週目はノーマルエンドだった。スポーツ戦争らしい無難な終わり方であり、幻想水滸伝2のような心に引っかかる何かを残すことはなかった。また、幻想水滸伝シリーズ毎度のことだが、エピローグで仲間のその後が3行でつづられるのだが、これの読解が追いつかない。すぐにキャラが切り替えられてしまい じっくり見れないのが残念である。別の話となるが、EDクレジットは一風異なるものであった。クラウドファンディングであったこそだと思うが支援者らしき名前が網羅されていた。また名無しのデバッカーのようなものまで表記されており誠意で応えているんだなと感心。改めて支援者の有志があってこそ世に出た作品なのだと感じる感慨深いものもある。こういったものはもちろん幻想水滸伝2にはなかった。

 

といった具合で幻想水滸伝2と比較しても負けず劣らずの箇所は多い。もちろん肝となる、シナリオという点では「残念ながら…」という感想を持ってしまったが、百英雄伝を全体で見ると、往年のファンの期待に応えるべく真摯に取り組んでいたんだな、と感じ取れる作品ではなかろうか。

さて1週目は仲間集めもそこそこに 通しプレイを意識した為、本拠地での遊びやミニゲーム、仲間集めも少しかじった程度である。ゆえに2週目も引き続き継続する。1週目の終盤では、仲間コンプリートエンドの存在を明らかに匂わせるシーンがあった為、少なくとも仲間のコンプリートは必須かなと。ミニゲーム辺りももう少し掘り下げてプレイをして終わらせようと考えている。

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