愛媛県とほぼ同じ面積に、およそ320万人が暮らすバリ島 ・・
バリ島では、ほぼ毎日といっていいくらい、
島のどこかで祭りが執り行われています。
これは、Banjar バンジャール (古バリ語) といわれる
バリ島独得の地域コミュニティに由来するものです。
居住地域ごとに Adat アダット と呼ばれる慣習、慣行があり、
それは絶対服従のルールだそうです。
10世紀の古バリ語の碑文にも
「バンジャール・パトゥス」 = 義務的な儀式参加、
「バンジャール・スカ・ドゥカ」 = 冠婚葬祭の相互扶助
という言葉が見られます。
肥沃なバリ島の土地は、
1日 2~3 時間の農耕作業で十分な農作物をもたらします。
人々は、地域単位で共同し農耕を行い、
空いた時間をコミュニティづくりに費やしたと思われます。
そうして生まれた 「バンジャール」 に、
バリ島古来の精霊思想や
インドからもたらされたヒンズー教が反映し、
「儀式」 「祭り」 といった儀礼的な文化が芽生えたのでしょう。
今回撮影したこの 「祭り」 は、
ふたつのバンジャールが協力して執り行う祭りです。
バリ島の人々にとってバンジャールの存在はとても重要で、
バンジャールからの追放は、すなわち死を意味するといわれます。
バリ島の人々は、バンジャールに属することで
子どもの頃から隣人との助け合いの心を身につけています。
争いを好まず、バンジャールが執り行う様々な儀式 ・・
なかんずく 「祭り」 を至福の時とし、生きがいとしています。
バリ島の人々の温和さの背景には、
バンジャールに帰属することの安心感があるのではないでしょうか。
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