ホーチミン・シティにある一軒のフォーの店= 「フォー・ビン」。
朝昼の食事の時間、地元の人たちで賑わうこの店には、
ベトナムだけではなく世界の歴史を揺るがした過去があります。
1968年、ベトナム戦争真只中で迎える旧正月 = テト ・・
後に語り継がれることになる 「テト攻勢」 の
重要な舞台となったのがこの 「フォー・ビン」なのです。
旧正月の休戦ムード = 駐ベトナムアメリカ軍の
油断を逆手にとって、
各地で大規模な反抗に出た反米勢力 (ベトコン) ・・
その作戦決行までの準備が、
着々とこの店の2階で進められました。
駐アメリカ軍のお膝元で行われた決死の作戦会議・・
(店から数100メートルのところには
アメリカ軍の前線基地がありました)
作戦を決行した主要な革命家たちの写真が、
ホー・チ・ミン主席の写真とともに今も壁に掲げられています。
ベトナム戦争はこの 「テト攻勢」 を機に、
急速に終息への道を進み始めたと言われています。
「フォー・ビン」 には、
今も世界中から、歴史を変えた舞台を自らの目で
確かめるためにたくさんの人が訪れます。
その主人公でもある 「フォー・ビン」 は、
まるで何事もなかったかのように、
おいしいフォーの店として人々に愛されています。
jfk-world