
海の上に浮かぶ都市 ・・ ベネチア ・・

アドリア海の最奥部 ・・

太古の昔、解け出した氷河が土砂となって川の水に運ばれ、
アドリア海に堆積し出来上がった干潟 (ラグーナ ) ・・

そこに、海底の地中深くまで
無数の杭を打ち込んで少しずつつくり上げていった街 ・・

『ベネチアを逆さまにすると巨大な森林が出来る 』 ・・
打ち込まれた想像を絶する数の杭は、
こんなふうに語られています。

人間の力が海の上に築き上げたのは、
200近い島々と400を超える橋です。

橋をくぐるたびに現れる新たな街 ・・
それは、まさに海の上の迷宮を思わせます。

ベネチアを遠くから眺めると、建物の美しさが際立ちます。

幾何学的な開口部 ・・
これには、美観上のこだわりと、
もうひとつ別の大きな目的があります。

ベネチアの建物は、
開口部を多く設けることによって軽量化を図っています。

地盤沈下という、
海の上につくった街の宿命に対抗するための手段です。

また、
入り口を階段状にすることにより、潮位の変化にも対応しています。

海上貿易で得た巨万の富 ・・
その富をもって大自然の脅威と向き合ってきた都市 ・・
それがベネチアです。
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