サンマルコ寺院のすぐ隣にある 「Torre dell’orologio 時計塔 」
ベネチアの最盛期 15世紀末に建てられました。
商人 (交易 ) 国家として栄えたベネチア ・・
商人にとって 『時間 』 はお金の次に大切なものでした。
商用での待ち合わせ ・・ 船 (積荷 ) の発着 ・・
会議の開始 ・・ など、時計塔は正確な時間を告げてきました。
(文字盤の上の小窓は数字で時間を告げている )
星座がデザインされた文字盤には、
宝石 ラピスラズリが使われています。
(ローマ数字の部分は大理石 )
ベネチアの富の象徴に他なりません。
また、文字盤の中心は地球 ・・ 針は太陽 ・・
そして、その間には月があしらわれています。
満月、新月を伝え、海の上の街にとっては重要な情報である
大潮、小潮の時期を知らせたのでしょう。
注: 当時はまだ天動説が信じられていた。
『塔 』 と呼ばれる所以は、
翼のあるライオン像 (聖マルコ ・・ ひいてはベネチアの象徴 )
の上にある屋上の鐘でしょう。
(3月2日のブログ参照 )
この鐘にはおもしろい工夫があります。
まず、定時少し前に向かって右の男性像が鐘を突きます。
次に、定時きっかりに左の男性像がもう一度突きます。
つまり、定時前にまず予告することによって、
正確な時間の活用を図ったのです。
時計塔は、「リアルト橋 」 までつながるベネチアで
最も賑やかな 『Mercerie メルチェリエ通り 』 への
アーケードになっています。
(2月4日のブログ参照 )
通り側にも時計があります。
礼拝に急ぐベネチアの商人たちは、
この時計を仰いだのでしょうか ・・
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