アンコールワットからおよそ半世紀後につくられた
アンコールトム・・
わずか50年ほどの時の経過ですが、
寺院内を飾るレリーフには変化が見られます。
顕著に表現様式の変化が見受けられるのは
デヴァター = 女神の姿です。
アンコールワットのデヴァターに見る
しなやかで妖精的な神秘性がなくなり、
アンコールトム (バイヨン) のデヴァターは、
どちらかというと人間的でコケティッシュな印象です。
(9月8日のブログ参照)
梁や破風のレリーフもアンコールワットのそれより即物的です。
(9月6日参照)
アンコールワットの回廊のレリーフが
主に伝説や神話の世界を描いているのに対して、
バイヨンのそれは、日々の暮らしぶりや
実際の戦いの様子をモチーフにしているものが中心です。
(9月12,13日参照)
多くの戦いに勝利し、
多彩な戦略に長けた勇猛果敢な智将として知られる
ジャヤヴァルマン7世の人となりが、
こんなところに表れているのでしょうか・・
jfk-world