中世、ベネチアのゲートウェイであったサン マルコ小広場 ・・
(映画 『旅情 』 より )
1955年公開のイギリス映画 『旅情 』 の中のワン シーンです。
現在の光景とほとんど変わりません。
長い歴史を誇るものは、50年や100年では微動だにしない ・・
ということでしょうか ・・
ベネチアの玄関であった小広場には、
目印ともいえる2本の柱が立っています。
(建立は13世紀 )
潮が満ち、小広場が水没した時には、
この柱の間を船が入って行ったそうです。
柱はまた、ベネチアを象徴するモニュメントです。
柱の上には、『翼のあるライオン 』 と、
(3月2日、3日のブログ参照 )
『San Teodoro 聖テオドロ 』 ・・
聖テオドロは、聖マルコ以前のベネチアの守護聖人です。
国の発展に伴い、
よりネームバリューのある新しい守護聖人 マルコを迎え ・・
(3月2日のブログ参照 )
伝染病で窮地に追い込まれた時には聖母マリアにすがる ・・
(2月25日のブログ参照 )
ベネチアの柔軟な対応力がおもしろいです。
2本の柱は、
『Public Executions 公開処刑 』 の場所でもありました。
公開処刑は、世界中で行われてきました。
見せしめであることは確かですが、
私はもうひとつ別の理由があると思います。
たとえば、中東やアフリカなど砂漠の中のオアシスでは、
キャラバンの通り道に広場があり、
そこで公開処刑が行われました。
つまり、初めての来訪者に、
『ここは無法地帯ではない ・・ ここには厳しい掟がある ・・ 』
ということをはっきりと警告する
目的もあったのではないでしょうか。
公開処刑の様子は、海をゆく船からも見えたはずです。
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