
かつて一度、「雨のウルル 」 を撮影したことがあります。

一年に数回しか雨が降らないウルル ・・


これは、非常にめずらしい光景だと思います。

アボリジニの神話 (伝説 ) では、
雨をつかさどっているのは蛇に宿った精霊です。

滝のように流れ落ちる雨水 ・・
アボリジニは、そこに蛇の姿を見るそうです。


日本人の私には山水画のように見えました。

鳥たちもさえずるのを止めた静寂の中、
巨大岩に撥ね返って聞こえてくる雨音は
地球のささやきのように聞こえました。


この雨が地中深く浸透し、
やがて蒸発しもう一度地上に降ってくるのは
何百年後のことでしょうか ・・
もしかしたら、何千年後かも知れません。

満々と水を湛えたムティジュルの泉を見ていると、
壮大な地球の循環が思い起こされます。

雲の動きが速くなりました。

雨が上がり、鳥たちが活動を始めました。

巨大岩の表面に雨が残した幾何学模様 ・・

陰陽思想に例えれば、太陽の光を受ける赤い巨大岩は 『陽 』 ・・
雨上がり、天からの恵みに潤う巨大岩は 『陰 』 ・・
そんな印象を持ちました。
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