Savile Row
サビル ロウ
メイフェア地区、ピカデリーの北側 ・・
高級テーラーが建ち並ぶ 「サビル ロウ」 は、
『背広 』 という言葉の語源となりました。
「Savile Row サビル ロウ」 という通りの名称は、
この地域を開発した
第3代バーリントン伯爵 = リチャード・ボイル (1694年ー1753年)
の妻 = Dorothy Savile ドロシー・サビルに由来します。
18世紀、サビル ロウは、高級軍人が多く暮らす地域でした。
19世紀、ヴィクトリア朝のロンドンでは、
男性たちが 『ダンディズム』 に目覚め、服装にこだわり始めます。
元々は軍服づくりを生業としていたテーラーが、
高級紳士服を手がけるようになり、
サビル ロウに店舗を構えるようになりました。
このようにして、
高級テーラーが建ち並ぶサビル ロウは生まれました。
以来、およそ150年、
英国高級紳士服の伝統を守り続けてきたサビル ロウですが、
新旧交代の時代の流れに抗うことは出来ません。
2004年、
ギーブス & ホークスやヘンリー・プールといった
老舗が中心となり、
『Savile Row Bespoke Association』 を設立します。
『Bespoke』 とは、
イギリス的な表現で 『オーダーメイド』 のことです。
『Bespeak 話をする』 または 『Be spoken 話しかけられる』 ・・
という言葉がその語源です。
ヴィクトリア朝の紳士は、お気に入りのテーラーを訪れ、
ワインをたしなみ、葉巻をくゆらせ、
テーラーとの会話を楽しみながらスーツをオーダーしたそうです。
『Bespoke』 は、古き良き時代を象徴する言葉だと思います。
顧客の注文をゆっくり時間をかけて聞き、
そこにテーラーの感性と個性を反映させて出来上がる
完全オーダーメイドの紳士服 ・・
ツーピースのスーツでも、
最低50時間以上の手作業が必要となるそうです。
『Savile Row Bespoke Association』 は、
そんな伝統を守り続けるために設立されました。
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