1964年、
東京で大渇水が発生し、
『東京砂漠 』 という言葉が生まれました。
以来、『東京砂漠 』 は、
人間疎外の大都市 東京を象徴する言葉となりました。
つまり、
都市機能がすべてに優先し、人心は置いてけぼりにされ、
東京は、無機的なビルが林立する砂漠のようなイメージとして
捉えられるようになりました。
余談ですが、
東京都墨田区本所あたりを舞台とした
奇談、怪談 『本所七不思議 』 に、
『置行堀 (おいてけぼり ) 』 が登場します。
ある時、釣り人が釣果を抱えて帰ろうとすると、
堀の中から 『置いてけ、置いてけ 』 という
不思議な声が聞こえてきました。
釣り人は驚き、釣った魚を置いて逃げ帰りました。
これが、置き去りを意味する
『置いてけぼり 』 の語源になったそうです。
現在、東京都には、
高さ100メートルを超える超高層ビルが
およそ500棟建っています。
1980年代になって
具体的な施策が講じられてきた環境問題対策は、
30年を経たいま、
ようやくその効果が現れてきたように思います。
少なくとも、いま私たちの目の前に広がるビル群に、
砂漠のイメージは重なりません。
木枯らしに葉をなくしたビルの間の木々も、
春には緑を芽吹かせるでしょう。
ささやかなオアシスに、
人間の創造は
決して人心を置き去りにしていないことを感じます。
古きよきものも一生懸命守られています。
(3月 1日のブログ参照 )
人間はすばらしい ・・
ビルの谷間に沈む夕陽を見ていて、
そんなあたりまえのことを改めて思いました。
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