Waipio Valley
ワイピオ渓谷
ハワイ島北東部の海岸線へと広がる渓谷。
昔から、ハワイの人はここをマナ (霊力 ) が宿る
神聖な場所として崇めてきました。
急峻な山道を下った静かな渓谷の底に広がるタロイモ畑。
新鮮な水が常に流れる谷間の平地を、
ハワイの人々は Ahupuaa アフプアアと呼んできました。
『アウプアア 』 とは、
元々はハワイに伝わる土地分割方法のことです。
ハワイではかつて、山から海岸までを、
水の流れを中心にひとつの土地区分単位としてきました。
日本の里山に近い概念です。
自然の循環を根底において、
人々の居住の場が形成されていったのです。
そして、ここでハワイの伝統的な生活や文化が育まれてきました。
日本人にとってコメが不可欠なものだったように、
タロイモは、ハワイの人たちの生活になくてはならないものでした。
ハワイの神話では、タロイモは人類の兄弟として、
同じ大地から生まれたとされています。
日本の米づくりが神聖なものであったのと同様に、
日々大地に語りかけて行うタロイモづくりは、
ハワイの人たちにとってスピリチュアルな営みだったのでしょう。
しかし、現在のハワイで、
伝統的なタロイモづくりに従事している人はほんのわずかです。
生活の近代化とともに、タロイモ畑を手放し、
街へと去っていく人が後を絶ちません。
ここワイピオ渓谷に、
ハワイの伝統であるタロイモづくりを守り続ける人がいます。
ナショナル ジオグラフィックでも紹介されたことのある
Kia Frondi キア・フロンディさんです。
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