斯く語りき

思ったこと、感じたことを書いています。

経済効果という名の“フザけた言葉”

2019-02-10 04:30:00 | 日常部(写真ブログ含む)

例えば何か新しい商業施設が建設・オープンする際に必ずといってよいほど【この施設によって~億円の経済効果が生まれる】と伝えられます。然し乍ら、これまでに建設・オープンしてきた施設の経済効果が見込みどおりになったのか検証したという話は聞いたことがありません。いつも言いっ放しで終わっています。

新しい施設が誕生すれば当然そこには“雇用”が生まれます。そして一定の数の人たちが職を得て働くのですが、ひとたび施設全体の経営状態が悪くなれば真っ先に切られてしまう訳です。経済効果が~億円見込めるという話を信じてテナントに入ったのに裏切られてしまったのです。

これを傍目で『そんな話を信じるからだ』と一蹴するのは簡単ですが、商業施設として誕生させたのであればテナントに入るのは当然の成り行きであり、そこで若い世代が働くことも当然の成り行きなのです。そして其れが失敗に終わった影響は必ず国民全体に跳ね返ってくるのです。

テナントに入った企業は取り扱う製品を発注し、それを受注した工場に於いて生産する為に工場の人たちが働き糧を得ます。製品が出来上がれば其れを運搬する為の業者が入り、そこで働く人たちが糧を得る訳です。その過程の中に(このブログを読む)誰かが該当しています。より細かく分類すれば大概に於いて何らかの部分に関わっているのです。

そんな中で経営悪化で施設が終わってしまえばテナントの従業員は勿論のこと、それに連なる業者(業界)全体が仕事量を失い、誰かがリストラされるのです。そんな現実を日本は30年も続けてきているのですから、こんな社会になるのは当然なんです。

だからこそ経済効果云々という言葉を軽々しく用いるべきではありませんし、それを用いた人間は検証結果が芳しくなかった際には責任を取るべきなのです。施設を閉鎖させ失業者を多く出してしまった際には徹底的に裁かれるべきなのです。

ところが現実はアッケラカンとしたもので、施設がどうなろうと馬耳東風で、また新たなる話題が出てきた時に悪怯れもせず経済効果という事実上の【風説の流布=デマ】を行うのです。こんなことを許していては絶対にならないでしょう。

私は経済効果という言葉が大嫌いです