ここ最近になって漸く昭和の時代の無茶苦茶な事柄が覆され、それによって不利益を被ってきた人たちが続々と社会に戻っていますが、それでも失った時代は永遠に取り戻すことができないだけに、本当に罪深い話だと思います。
ぱっと見では世界に名だたる経済大国として位置付けられてきた日本も、バブル経済崩壊後から立ち直ることが未だにできないという体たらくぶりが露呈しています。そんな現実を鑑みると、こうした事件の在り方も頷けてしまいます。一事が万事勢いだけで、後は野となれ山となれの精神では世界から白い目で見られても仕方ないでしょう。
まもなく新しい元号が始まり、ますます昭和の時代は遠くなります。そして30年以内には完全に平成世代が社会の実権を握ります。そうなった時に昭和の負の遺産ともいえる事柄を彼らが引き継いでも対処のしようがありません。昭和世代の身体が動けるうちに間違いは間違いと認め、きちんと精算しておくべきでしょう。それが其の時代の歴史を生きる人間の責任だと思います。
この国では第2次大戦やバブル経済、東日本大震災を含め、それらの大きな出来事とはいったい何だったのか、そして其の事柄から何を学ぶべきなのかという総括が行われてきていません。東日本大震災は天災ですから致し方ない部分はありますが、それでも普段から浮かれている国民への強烈な揺さぶりに簡単にヘタってしまったのですから、きちんと総括して学び、天災で揺さぶられても簡単にはヘタらない国民になっているべきだと思うのですが、結局は何もしないで未だに浮世離れした事柄に一喜一憂している有様です。
このままでいけば間違いなく何処かの時点で完全にヘタります。そして其の影響を最大限に受けてしまうのが平成世代です。昭和世代が無秩序に作ってきてしまった事柄の後始末をさせられるのが確定している上に、それを精算しながら新しい時代を築いていかなければならないのですから堪ったものではありません。
だからこそ、負の遺産は可能な限り昭和世代が精算するべきだと思うのです。