先日、一冊本を読み終えました。
昨年、大阪天満宮で古本市が行われたときに購入した本で、
ようやく…!という感じがします(笑)
読んだ本は、
三浦綾子さんの「塩狩峠」です。
氷点や続氷点、母を読みましたが、
一番好きな作品かもしれません。
最後、主人公の取った選択に涙してしまいました…。
どんなお話なのか、読み終えた感想をお伝えしたいと思います。
■あらすじ
主人公の信夫は東京で祖母と父と暮らしていました。
母は幼い頃に亡くなったと聞かされていましたが、
実は家柄を大切に考える祖母がキリスト教という理由から
母を家から追い出していたのでした。
そのことをある日知った信夫。
その後すぐに祖母が亡くなって、
母親と知らない間に生まれていた妹と共に暮らすこととなります。
キリスト教の母と妹は食事の前にお祈りをします。
その様子に信夫は取り残されたかのような気持ちに…。
キリスト教を厭う信夫でしたが、成長していく中で少しずつ考えを変えていきます。
東京から北海道へ、親友・吉川を頼りに単身で望み、
キリスト教について触れながら生活をして行くことになるのでした。
■感想
塩狩峠は北海道にある場所ですが、
全然主人公は東京から移動しません。
おやおや、本当に北海道へ行くのかい?と思っていましたが、
半分くらいでようやく北海道へ行くことになりました。
長いよ!と思いましたが、
幼い時に過ごした環境や、その時に得た考えが
その後の信夫の性格に大きく影響をしていると思いました。
キリスト教を嫌い、祖母の影響からか少し偏見も持っていたと思いますが、
両親や妹の影響、そして従兄弟から紹介された小説家の影響などによって、
少しずつ考えを変えていくことになります。
信夫はとてもまじめな性格なようで、
幼い時に親友・吉川と約束した将来の夢を
大人になって実現できていないことをずっと胸に抱えています。
女性のことを見るとムラムラしてしまう心にも葛藤を抱えたり。
真面目過ぎる性格が出ていますが、
そこが信夫の魅力なんだろうな~と感じます。
一人の男性の幼い頃から大人になるまでの間のお話ですが、
彼が悩むたびに、私自身も悩みました。
宗教については特にこだわりもなく、
特定の宗教に対して信仰心を持っているというわけではないのですが、
すごく考えさせられる内容でした。
塩狩峠に訪れるシーンは、クライマックスです。
もう結末には涙してしまいましたが、
ネタバレになると思うので、ここでは書きません。
とにかく塩狩峠は良かったです。
他の三浦綾子作品の中で今一番好きかな?と思います。
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