山小屋の消灯は早いですが、朝の動きだしも早いです。
3時頃から、ガサゴソと動き出す方がいます。うーん、もうちょっと寝かせて~、と思いつつも、日の出を拝むため4時を過ぎたところで、毛布から出ました。
外は・・・ガス。
まっしろ
しかも吹き流しが横になる風。
・・・ちょっと寒いネ。
常時10人くらいの人が出てきてはため息をつき、小屋に引き返していきます。
ふーんだ。
天文部育ちで培った“空は一瞬で晴れるコトがある”というゆるぎない経験が、オイラにゃあるのさ
朝食まであと10分。時間切れかなー、と思いはじめた矢先・・・。
キターッ
雲が一瞬切れて、きれいな朝焼け。そして雲の上にのぼってきた太陽。
その場に居合わせた10人程度の登山客だけで共有した、美しい日の出でした。
5:00
こりゃあ、今日も幸先いいなぁ、とルンルンで朝食。
今日はたくさん歩くので、ご飯のおかわりをしてしまいました。
6:00
申し合わせていたわけではなかったのですが、昨日出会った静岡チームと同時にスタート。
スタート前に、写真を一枚撮ってもらいました。
今日は、“キレット”から権現岳を経て、三ツ頭、天女山へと下りていきます。
眼前に広がる青空、眼下に広がる雲海、下界へと連なる尾根が一体となって、絶景を作り出しています。
前の方、もっとゆっくりでいいですよ。この景色を見ていればいくらでも待っていられます
とはいうものの、出だしからクサリ場とハシゴの連続。なかなかルンルン気分の下山とはいきません
クサリ場が一段落すると、“キレット”へとガレたルンゼが続きます。
ここを逆に登るのは、ちょっと怖いしキツイなぁ。
静岡チームとは、つかず離れずで歩いてきましたが、このあたりでお先に行かせてもらうことにしました。
また、どこかの山で会いましょう
森林限界まで来ると、斜度もゆるくなり、気持ちのいい尾根歩きに変わってきました。
7:55
「キレット小屋」到着。赤岳山頂から450m下りてきたことになります。体力的にはさほどキツクなかったけれど、精神的に結構タフなコースだったなー
台風6号の影響で、キレット小屋周辺の登山道が崩れてしまっているようです。迂回路が指示されています。
めざす権現岳は、その手前にある旭岳(2,672m)をクリアしなければなりませんが、その手前の“ツルネ”が、これまたとにかく気持ちがいい絶景ポイント
眼前には旭岳とその奥に権現岳。振り返ると、赤岳から阿弥陀岳がドカーンと見えています。左手下には、県界尾根と真教寺尾根が連なりはるか下に清里の町が見えます。右手奥は西岳でしょうか。
とにかく写真にはおさめきれません。
来て良かった
さて、権現岳を目前にしていよいよ最後の難関。“源治バシゴ”にやってきました
高低差20m。60数段の長バシゴです。角度は…垂直とは言わないけど…いやぁー、さっきすれ違った人、このハシゴ下りたんだよなぁ。うそでしょって感じ。そもそもハシゴの基部の足場も狭く、ストックをザックにくくりつける作業が、すでに緊張
水を飲んで、深呼吸して、上を見上げ・・・いざ
15段目くらいから、からだを持ち上げる足にずーんと疲労感が
やばい、疲れてきた。
でも、休むに休めないよな。
どのくらい登ったのかな。間違っても下を見ることができない。
あと、数段がキツかったな。緊張と恐怖のピーク。
登り切った瞬間、ひとりで「おぉー」と声をあげてしまいました。
9:35
権現岳(2,715m)到着。
何回も訪れている場所。
見慣れた景色にちょっと緊張がほぐれました。
頂上の剣が根元から折れて、大きく傾いていたのはちょっと残念
ここで、ちょっと早めの昼食。朝が早かったからね。
カップヌードルのリフィルをコッヘルで作って、いただきました。
お湯を注ぐのと違って、直接火にかけるので、アツアツで食べられるのがうれしいですね。
ゴミを少なくてすむし、容器が割れてしまった!なんてこともないし、文句なし
食後には、編笠山と青年小屋を眺めながら、まったりとコーヒータイム
一時間もボーッとしていました。
10:40
下山開始。
ここから先は、よく知っているコース。
特に三ツ頭から天女山までの下山ルートは、おそらく40回は歩いています。
ここまで比較的ゆっくりと楽しんで歩いてきましたが、ここから先は、とにかく下りるだけ。
“ジャンパー膝”というスポーツ障害を膝に抱えているため、下りはとにかくダメ。予防用の膝ベルトは装着していますが、2時間ほど下りが続くと、痛み出してしまいます
ダブルストックでピョンピョンと跳ねるように、あるいは小走りに駆けるように、テンポよく下りていましたが、三ツ頭を過ぎ、樹林帯からガレ場に出たあたりで、膝が痛み出しました。
あー、出ちゃったか。って感じ。
あとは、だましだまし下りるしかありません。
こうなると苦痛以外なにもありません。知っているルートなのが救いです。
13:10
「天女山」駐車場到着。
膝が痛くなった割には、がんばっていいペースでおりられました。
思いのほか早くおりられたので、調子にのって、「天女山入口」の交差点まで歩いてしまいました。(途中で膝が限界を超え、後悔しましたが。)
タクシーを呼び、車を停めておいた美し森駐車場へ。
いつも使っている八ヶ岳観光タクシーさん。私の顔を覚えてくれているっていうのが、これまたウレシイ。
ひとりっきり、一泊二日の小屋泊り登山。それほどたいそうな登山ではないかもしれませんが、“自分のために登った”ということが大きな出来事でした。
気が付いたら、ここのところずっと悩まされていた偏頭痛がなおっていました。ストレスから解放されたのでしょうね。
ひとりの登山でも、いろいろな人と出会いました。ひとこと、ふたことの会話が“交流”になりました。
日常にあふれている食事や飲み物に“ありがたい”と思うことができました。
不安や恐怖を、正面から受け止めることができました。自分の臆病さと大胆さを知ることができました。
楽しかったな。
また登ろう。
こんどはテントを背負って行こうかな。夜、星が見たいから。
3時頃から、ガサゴソと動き出す方がいます。うーん、もうちょっと寝かせて~、と思いつつも、日の出を拝むため4時を過ぎたところで、毛布から出ました。
外は・・・ガス。
まっしろ
しかも吹き流しが横になる風。
・・・ちょっと寒いネ。
常時10人くらいの人が出てきてはため息をつき、小屋に引き返していきます。
ふーんだ。
天文部育ちで培った“空は一瞬で晴れるコトがある”というゆるぎない経験が、オイラにゃあるのさ
朝食まであと10分。時間切れかなー、と思いはじめた矢先・・・。
キターッ
雲が一瞬切れて、きれいな朝焼け。そして雲の上にのぼってきた太陽。
その場に居合わせた10人程度の登山客だけで共有した、美しい日の出でした。
5:00
こりゃあ、今日も幸先いいなぁ、とルンルンで朝食。
今日はたくさん歩くので、ご飯のおかわりをしてしまいました。
6:00
申し合わせていたわけではなかったのですが、昨日出会った静岡チームと同時にスタート。
スタート前に、写真を一枚撮ってもらいました。
今日は、“キレット”から権現岳を経て、三ツ頭、天女山へと下りていきます。
眼前に広がる青空、眼下に広がる雲海、下界へと連なる尾根が一体となって、絶景を作り出しています。
前の方、もっとゆっくりでいいですよ。この景色を見ていればいくらでも待っていられます
とはいうものの、出だしからクサリ場とハシゴの連続。なかなかルンルン気分の下山とはいきません
クサリ場が一段落すると、“キレット”へとガレたルンゼが続きます。
ここを逆に登るのは、ちょっと怖いしキツイなぁ。
静岡チームとは、つかず離れずで歩いてきましたが、このあたりでお先に行かせてもらうことにしました。
また、どこかの山で会いましょう
森林限界まで来ると、斜度もゆるくなり、気持ちのいい尾根歩きに変わってきました。
7:55
「キレット小屋」到着。赤岳山頂から450m下りてきたことになります。体力的にはさほどキツクなかったけれど、精神的に結構タフなコースだったなー
台風6号の影響で、キレット小屋周辺の登山道が崩れてしまっているようです。迂回路が指示されています。
めざす権現岳は、その手前にある旭岳(2,672m)をクリアしなければなりませんが、その手前の“ツルネ”が、これまたとにかく気持ちがいい絶景ポイント
眼前には旭岳とその奥に権現岳。振り返ると、赤岳から阿弥陀岳がドカーンと見えています。左手下には、県界尾根と真教寺尾根が連なりはるか下に清里の町が見えます。右手奥は西岳でしょうか。
とにかく写真にはおさめきれません。
来て良かった
さて、権現岳を目前にしていよいよ最後の難関。“源治バシゴ”にやってきました
高低差20m。60数段の長バシゴです。角度は…垂直とは言わないけど…いやぁー、さっきすれ違った人、このハシゴ下りたんだよなぁ。うそでしょって感じ。そもそもハシゴの基部の足場も狭く、ストックをザックにくくりつける作業が、すでに緊張
水を飲んで、深呼吸して、上を見上げ・・・いざ
15段目くらいから、からだを持ち上げる足にずーんと疲労感が
やばい、疲れてきた。
でも、休むに休めないよな。
どのくらい登ったのかな。間違っても下を見ることができない。
あと、数段がキツかったな。緊張と恐怖のピーク。
登り切った瞬間、ひとりで「おぉー」と声をあげてしまいました。
9:35
権現岳(2,715m)到着。
何回も訪れている場所。
見慣れた景色にちょっと緊張がほぐれました。
頂上の剣が根元から折れて、大きく傾いていたのはちょっと残念
ここで、ちょっと早めの昼食。朝が早かったからね。
カップヌードルのリフィルをコッヘルで作って、いただきました。
お湯を注ぐのと違って、直接火にかけるので、アツアツで食べられるのがうれしいですね。
ゴミを少なくてすむし、容器が割れてしまった!なんてこともないし、文句なし
食後には、編笠山と青年小屋を眺めながら、まったりとコーヒータイム
一時間もボーッとしていました。
10:40
下山開始。
ここから先は、よく知っているコース。
特に三ツ頭から天女山までの下山ルートは、おそらく40回は歩いています。
ここまで比較的ゆっくりと楽しんで歩いてきましたが、ここから先は、とにかく下りるだけ。
“ジャンパー膝”というスポーツ障害を膝に抱えているため、下りはとにかくダメ。予防用の膝ベルトは装着していますが、2時間ほど下りが続くと、痛み出してしまいます
ダブルストックでピョンピョンと跳ねるように、あるいは小走りに駆けるように、テンポよく下りていましたが、三ツ頭を過ぎ、樹林帯からガレ場に出たあたりで、膝が痛み出しました。
あー、出ちゃったか。って感じ。
あとは、だましだまし下りるしかありません。
こうなると苦痛以外なにもありません。知っているルートなのが救いです。
13:10
「天女山」駐車場到着。
膝が痛くなった割には、がんばっていいペースでおりられました。
思いのほか早くおりられたので、調子にのって、「天女山入口」の交差点まで歩いてしまいました。(途中で膝が限界を超え、後悔しましたが。)
タクシーを呼び、車を停めておいた美し森駐車場へ。
いつも使っている八ヶ岳観光タクシーさん。私の顔を覚えてくれているっていうのが、これまたウレシイ。
ひとりっきり、一泊二日の小屋泊り登山。それほどたいそうな登山ではないかもしれませんが、“自分のために登った”ということが大きな出来事でした。
気が付いたら、ここのところずっと悩まされていた偏頭痛がなおっていました。ストレスから解放されたのでしょうね。
ひとりの登山でも、いろいろな人と出会いました。ひとこと、ふたことの会話が“交流”になりました。
日常にあふれている食事や飲み物に“ありがたい”と思うことができました。
不安や恐怖を、正面から受け止めることができました。自分の臆病さと大胆さを知ることができました。
楽しかったな。
また登ろう。
こんどはテントを背負って行こうかな。夜、星が見たいから。
凄く長いはしごだなー!!怖そうだけど登ってみたいです(>_<)!!
らむ子さんのブログも拝見しました。
そのうち、どこかで出会うかもしれませんね。
・・・ていうか、すでにどこかですれ違っているかも!?
懐かしい名称がたくさんでてきて、思わずコメントしてしまいました。
もう何年も山に登っていないです。
そろそろ自分のために登りたいな、キャンプしたいな…。
学生の頃に比べると相当体力が落ちていることは否めませんが
久しぶりに山へ行きたくなる触発日記でした(^_^;)
がめらさーん、海も待ってますよー!
えへへ、いいでしょう
「おとな歴」が長くなればなるほど、自分ひとりの時間ってと、取りにくくなっていきます。決定的に。
みゆきさんも、そんなことを実感する立場になったっていうことですネ。