がめらのフィールドノート

人と自然との出会いの中から湧き上がった想いや音楽、エピソードなどを、紹介します。

赤岳一泊登山~後半

2011年07月24日 | アウトドア
山小屋の消灯は早いですが、朝の動きだしも早いです。

3時頃から、ガサゴソと動き出す方がいます。うーん、もうちょっと寝かせて~、と思いつつも、日の出を拝むため4時を過ぎたところで、毛布から出ました。

外は・・・ガス。

まっしろ

しかも吹き流しが横になる風。

・・・ちょっと寒いネ。

常時10人くらいの人が出てきてはため息をつき、小屋に引き返していきます。




ふーんだ。

天文部育ちで培った“空は一瞬で晴れるコトがある”というゆるぎない経験が、オイラにゃあるのさ


朝食まであと10分。時間切れかなー、と思いはじめた矢先・・・。

キターッ


雲が一瞬切れて、きれいな朝焼け。そして雲の上にのぼってきた太陽。

その場に居合わせた10人程度の登山客だけで共有した、美しい日の出でした。




5:00
こりゃあ、今日も幸先いいなぁ、とルンルンで朝食。
今日はたくさん歩くので、ご飯のおかわりをしてしまいました。




6:00
申し合わせていたわけではなかったのですが、昨日出会った静岡チームと同時にスタート。
スタート前に、写真を一枚撮ってもらいました。



今日は、“キレット”から権現岳を経て、三ツ頭、天女山へと下りていきます。


眼前に広がる青空、眼下に広がる雲海、下界へと連なる尾根が一体となって、絶景を作り出しています。

前の方、もっとゆっくりでいいですよ。この景色を見ていればいくらでも待っていられます




とはいうものの、出だしからクサリ場とハシゴの連続。なかなかルンルン気分の下山とはいきません








クサリ場が一段落すると、“キレット”へとガレたルンゼが続きます。
ここを逆に登るのは、ちょっと怖いしキツイなぁ。

静岡チームとは、つかず離れずで歩いてきましたが、このあたりでお先に行かせてもらうことにしました。

また、どこかの山で会いましょう


森林限界まで来ると、斜度もゆるくなり、気持ちのいい尾根歩きに変わってきました。


7:55
「キレット小屋」到着。赤岳山頂から450m下りてきたことになります。体力的にはさほどキツクなかったけれど、精神的に結構タフなコースだったなー



台風6号の影響で、キレット小屋周辺の登山道が崩れてしまっているようです。迂回路が指示されています。


めざす権現岳は、その手前にある旭岳(2,672m)をクリアしなければなりませんが、その手前の“ツルネ”が、これまたとにかく気持ちがいい絶景ポイント




眼前には旭岳とその奥に権現岳。振り返ると、赤岳から阿弥陀岳がドカーンと見えています。左手下には、県界尾根と真教寺尾根が連なりはるか下に清里の町が見えます。右手奥は西岳でしょうか。

とにかく写真にはおさめきれません。

来て良かった


さて、権現岳を目前にしていよいよ最後の難関。“源治バシゴ”にやってきました


高低差20m。60数段の長バシゴです。角度は…垂直とは言わないけど…いやぁー、さっきすれ違った人、このハシゴ下りたんだよなぁ。うそでしょって感じ。そもそもハシゴの基部の足場も狭く、ストックをザックにくくりつける作業が、すでに緊張

水を飲んで、深呼吸して、上を見上げ・・・いざ




15段目くらいから、からだを持ち上げる足にずーんと疲労感が
やばい、疲れてきた。
でも、休むに休めないよな。
どのくらい登ったのかな。間違っても下を見ることができない。
あと、数段がキツかったな。緊張と恐怖のピーク。
登り切った瞬間、ひとりで「おぉー」と声をあげてしまいました。




9:35
権現岳(2,715m)到着。
何回も訪れている場所。
見慣れた景色にちょっと緊張がほぐれました。

頂上の剣が根元から折れて、大きく傾いていたのはちょっと残念




ここで、ちょっと早めの昼食。朝が早かったからね。

カップヌードルのリフィルをコッヘルで作って、いただきました。
お湯を注ぐのと違って、直接火にかけるので、アツアツで食べられるのがうれしいですね。
ゴミを少なくてすむし、容器が割れてしまった!なんてこともないし、文句なし




食後には、編笠山と青年小屋を眺めながら、まったりとコーヒータイム

一時間もボーッとしていました。



10:40
下山開始。
ここから先は、よく知っているコース。
特に三ツ頭から天女山までの下山ルートは、おそらく40回は歩いています。


ここまで比較的ゆっくりと楽しんで歩いてきましたが、ここから先は、とにかく下りるだけ。
“ジャンパー膝”というスポーツ障害を膝に抱えているため、下りはとにかくダメ。予防用の膝ベルトは装着していますが、2時間ほど下りが続くと、痛み出してしまいます

ダブルストックでピョンピョンと跳ねるように、あるいは小走りに駆けるように、テンポよく下りていましたが、三ツ頭を過ぎ、樹林帯からガレ場に出たあたりで、膝が痛み出しました。

あー、出ちゃったか。って感じ。

あとは、だましだまし下りるしかありません。


こうなると苦痛以外なにもありません。知っているルートなのが救いです。


13:10
「天女山」駐車場到着。
膝が痛くなった割には、がんばっていいペースでおりられました。
思いのほか早くおりられたので、調子にのって、「天女山入口」の交差点まで歩いてしまいました。(途中で膝が限界を超え、後悔しましたが。)


タクシーを呼び、車を停めておいた美し森駐車場へ。
いつも使っている八ヶ岳観光タクシーさん。私の顔を覚えてくれているっていうのが、これまたウレシイ。



ひとりっきり、一泊二日の小屋泊り登山。それほどたいそうな登山ではないかもしれませんが、“自分のために登った”ということが大きな出来事でした。

気が付いたら、ここのところずっと悩まされていた偏頭痛がなおっていました。ストレスから解放されたのでしょうね。

ひとりの登山でも、いろいろな人と出会いました。ひとこと、ふたことの会話が“交流”になりました。

日常にあふれている食事や飲み物に“ありがたい”と思うことができました。

不安や恐怖を、正面から受け止めることができました。自分の臆病さと大胆さを知ることができました。



楽しかったな。
また登ろう。
こんどはテントを背負って行こうかな。夜、星が見たいから。

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4 コメント

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Unknown (らむ子)
2011-07-26 07:39:50
山頂の山荘だと夕日も朝日も綺麗に見えるでしょうね!!
凄く長いはしごだなー!!怖そうだけど登ってみたいです(>_<)!!
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コメント (がめら)
2011-07-26 10:54:53
らむ子さん、初コメントありがとうございます。
らむ子さんのブログも拝見しました。

そのうち、どこかで出会うかもしれませんね。
・・・ていうか、すでにどこかですれ違っているかも!?
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ご無沙汰してます (19期 みゆき)
2011-07-30 23:35:55
なんて楽しそうな日記でしょう。
懐かしい名称がたくさんでてきて、思わずコメントしてしまいました。

もう何年も山に登っていないです。
そろそろ自分のために登りたいな、キャンプしたいな…。

学生の頃に比べると相当体力が落ちていることは否めませんが
久しぶりに山へ行きたくなる触発日記でした(^_^;)

がめらさーん、海も待ってますよー!
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いいでしょう (がめら)
2011-07-31 17:38:54
みゆきさん

えへへ、いいでしょう

「おとな歴」が長くなればなるほど、自分ひとりの時間ってと、取りにくくなっていきます。決定的に。

みゆきさんも、そんなことを実感する立場になったっていうことですネ。
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